厚生労働省労働局長登録教習機関
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ここ最近は、電気工事の下請け業者と一緒に仕事をすることが多かったです。
そこで痛感したことを、今回書いてみたいと思います。
それは、確認というのはとても大切だということです。
どうして確認が大切だと思ったか、いくつかエピソードを紹介したいと思います。
今回の工事は、下水道処理施設の電気工事です。
施設の中には、ポンプや脱水機、脱臭装置など様々な機械設備があり、常に動いています。
それらの設備を操作するのは、制御盤や操作盤、計装盤というものです。
制御盤には、様々な機械からケーブルがつながっています。内部には、ブレーカーなどの機器や電線が張り巡らされています。
この制御盤でスイッチの入り切りを行い、機械を動かしたり、止めたりするのです。
こういった制御盤に電線ケーブルをつなぐのも、今回の仕事の1つでした。
ケーブルの先端に端子という部品を取り付け、ネジ止めする。
これだけの作業です。
しかし、問題はこの端子台には電気が通っているということなのです。
作業手順としては、停電後、指定された番号の端子を外し、新しい端子を取り付けるというものでした。
数もそれほど多くありません。時間の余裕もたっぷりです。
しかし、問題が起こりました。
作業を行っていた人が、勢い余ったのか不明ですが、指定されていない端子まで外してしまったのでした。
しばらくすると、別の作業を行っていた人が飛んできて、怒られてしまいました。
どうやらヒューズが飛んでしまったとのこと。
調べてみると、指定されていない端子を外して、短絡したことが原因でした。
一歩間違えれば、機械が壊れてしまっていました。
さらに電気が通っている場所を触っていたので、感電しかねなかったことです。
事前に外す端子については、よくよく説明したのですが、作業している人は、しっかり確認せずに作業していたようでした。
幸い、大きな事故には至りませんでした。被害といえば、ヒューズときつく怒られて少しヘコんだ位のものです。
この後、電気屋さんにはしっかり確認し、手順を守ること、活線を外さないことを申し伝えました。
ところが翌日、また活線を外すというようなことがありました。
この時は、ドライバーで端子に触れた時に、ボンと鳴ったり、バチッと鳴ったりしたとのこと。
停電されているはずの、作業予定の場所でしたが、まだ電気が来ていたのでした。
さすがに2日続けての事態なので、電気屋さんには、端子に触る前には、必ず検電してから行ってくれと、念を押したのでした。
ちなみに、作業手順では、停電後検電するように取り決めていたのですが、どうも実際の作業では、そのプロセスは省かれてしまっていたようでした。
工作機械を毎日操作していると、慣れてしまい、危険に対して近づきすぎてしまいます。
建設工事などで、高所作業を行う場合、最初は高いところで恐る恐るだったのが、慣れるに従い、大胆に動けるようになります。
電気屋さんも、毎日電気と隣り合わせにいるため、電気に対する慣れ、恐れの低下があるのかもしれません。
慣れてくると、ここまでは大丈夫というのが、分かるようになります。
工作機械に対して、ここまで接近しても大丈夫という限界ラインが分かるようになるのです。
もっと慣れてくると、限界ラインを越えて危険に近づくこともしばしばです。
つまりより危険に近づくのです。
しかし限界ラインを超えたからといって、いつも事故は起こりません。
むしろ、滅多なことでは事故に至らないのです。
活線を無防備に取り扱った所で、いつも感電するかというと、そんなことはありません。
ごく稀に、事故が起こります。
そして事故が起こってから、後悔するのです。
今回のケースであれば、事前に作業手順、作業範囲をしっかり確認しておけば、起こらなくて済んだ話です。
そして私も怒られずに済んだ話です。
また作業前に検電していれば、バチッと鳴らさなくとも済んだ話です。
確認時間は、1分もかかりません。数十秒でできることです。
この短い時間が、時として事故防止になるのです。
確認は大切です。
分かったつもりでも、念のためにというプロセスは、とても大事です。
ほんの短い時間ですが、自分と周りの人たちを守るために、確認と点検は大切なのです。
私にとって、今回の失敗は、そんな改めて痛感した出来事でした。