厚生労働省労働局長登録教習機関
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格言を安全にこじつけるシリーズを書いていきたいと思います。
今回も3人の方の格言、名言を取り上げていきます。
柳生宗矩の格言 |
私は人に勝つ方法は知らないが、自分に勝つ方法は身につけた |
【解釈】
日々の仕事は、自分たちがいかによい製品を作るかなど、自分たちの戦いです。 その戦いは、製品などの質を高めるだけでなく、安全に行うことも含みます。 事業者自身、作業者自身が日々勝ち得るものです。安全の不備は、自らを傷つけ、敗北に導くのです。 |
柳生宗矩は、柳生十兵衛といったほうが、通りがいいかもしれません。
時代劇などでお馴染みの名前ですね。
江戸時代初期の大名で、徳川将軍家の兵法指南役、つまり武芸の最高峰に立ったのでした。 柳生新陰流が江戸時代に躍進した立役者ですね。
剣の世界では、この上ない有名人です。
そのような剣の世界でトップに立った人の格言です。
当然、何度となく勝負もあり、その多くで勝ったはずの人です。
多くの勝ちを作った人が、人に勝つ方法など知らないというのです。
ただ、自分自身に勝つ、つまりコントロールする方法だけ知っていると言います。
本当の強者の言葉のように感じます。
仕事でも、他社に勝った負けたや、社内の成績で勝った負けたなどはあります。
しかし会社としては、全体的に製品を作る、工事をするなど、1つの目的に向かって突き進みます。
よい製品を作ろうといった、同じ目的を突き進む時、勝ち負けは考えません。
その製品の評価は、消費者が行います。
重視するのは、自分たちがどのように仕事を進めていくかです。
自分たち自身の戦いです。
この戦いは、よい品質のものを作るだけの勝負ではなく、誰一人として事故にあわせないこともです。
この安全をおろそかにし、事故を起こすということは、自らに敗北することです。
自分たちに勝ってこそ、よい製品を世に送り出し、他社の製品と勝負することができるのです。
安全に仕事をするということは、自らに勝利するということです。
松下幸之助の格言 |
むずかしいことはできても、平凡なことはできないというのは、ほんとうの仕事をする姿ではない。 |
【解釈】
高い技術を必要とするような難しい仕事ができることは、素晴らしいことです。 だからといって、保護具をつけたり、安全確認をするといった、誰にでもできる当たり前のことも、大切です。 ちっぽけに見える安全活動の積み重ねが身を守り、難しい仕事を活かすのです。 |
日本は世界屈指の技術力を持っているといわれます。
そして、その技術を活かし、よりよい製品を作り出したり、スカイツリーのような超高層タワーを建てます。 どんな困難も乗り越えていく、技術者が揃っているのです。
松下幸之助さんが創業したパナソニックもそのような技術力に支えられています。
誰にでもできないような高度な技術を持つ人は少なく、とても素晴らしいものです。
とても重宝されますし、もてはやされます。
しかし仕事は、高度で難しいことだけでは成り立ちません。
ほんの一部の難しいことと、たくさんの平凡なことがあるのです。
平凡で、ありふれた仕事や、誰にでもできることなので、大切だと思われにくい面もあります。
でも、考えてみてください。 その平凡な仕事がなかったら、高い技術もなにもないのではないでしょうか。
難しいことも、平凡なこともどっちも大事なのです。
この平凡な仕事には、整理整頓や、安全対策も含まれます。
保護具をきちんと身につけること、作業前に危険はないかと確認すること。
これらは、毎日行い、特に技術を必要とはしません。 でも、とても大事なことなのです。
安全を心がけるといった、平凡でありふれたことも大事にする。 これも大切な仕事です。
ゲーテの格言 |
我々の犯すひとつの大きな誤謬は、原因を常に結果の間近にあり、と考えることにある。 |
【解釈】
事故は何かしら直接的な原因があって起こります。 しかしその原因を生み出したのは日々の習慣かもしれません。 日常の中に事故の芽が潜んでいます。 |
ゲーテは「ファウスト」などの作品を生み出した、ドイツのみならず世界の文学史上の偉人といえます。
そのため、格言や名言もたくさん残しています。
とりあえず、どんな言葉でも、ゲーテが言ってたとつけると、それらしく聞こえてしまいます。
たとえば、「朝一番の日差しと食事は、活力を生み出す(ゲーテ)」など。 なんとなく、それっぽいですよね。
さて、どんな物事も原因と結果は表裏一体です。 事故も原因があって起こります。
事故調査では、直接的な原因が明らかになります。
一方で、直接的ではないけれども、事故に関わっている原因もあるかもしれません。 それは、社内の安全意識や習慣などです。
本当はダメだと分かっているけれども、やってしまうというものです。
そのような日常が積み重ねが、事故を招いたとも考えられます。
事故が起こった時、直接的な原因を見るだけでなく、背景に何があったのかを調べることも、次の事故防止になります。
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