厚生労働省労働局長登録教習機関
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くい打ち機などは、長大なくいを支持します。
人が重いものを持って運ぶのは大変なように、機械も大変です。
そのため、一度設置したくいを別の場所に移動させるのは、なかなか大変です。
また、一度動かしてしまったら、正常に稼働するかを点検しなければ、おかしなことになります。
大きく力のある機械ですので、使うにあたっては、入念な中が必要になるのです。
移動や点検についても、安衛則では規定されていますので、そのあたりをまとめていきます。
【安衛則】
(くい打機等の移動) 第191条 事業者は、控えで支持するくい打機又はくい抜機の2本構、 支柱等を建てたままで、動力によるウインチその他の機械を 用いて、これらの脚部を移動させるときは、脚部の引過ぎによる 倒壊を防止するため、反対側からテンションブロック、 ウインチ等で、確実に制動しながら行なわせなければならない。 |
くい打ち機は動力になる本体と、くいを支持し、打ち込む部分があります。
くいは同じ場所には打てませんので、1度打つと別の場所に移動させてやる必要があります。 しかし、移動させる度に支柱を解体させていたら、仕事が進みません。
なるべくならば、解体せずに移動させたいものです。
この時くいの支持する支柱が倒れさせてはいけません。
確実に着実に、倒れないように移動させます。
くい打ち機などで支柱を建てたままで移動させるときは、脚部を引き過ぎて倒してしまわないように、反対側から確実に支持しながら、行わなければなりません。
くい支柱の脚部を引っ張って移動させるのですが、この時反対側からウインチやテンションブロックで支え、バランスをとってやります。
急ぐ必要はないので、確実にバランスを保って移動させることが重要といえます。
くい打ち機は、機械ですので、いつ壊れたり、異常な動作をするかはわかりません。
そして異常な動きをしようものなら、大事故になりかねません。
そのため、正常な動きをすることを確認してからでないと作業はできません。
くい打ち機などを組み立てた時は、点検を行って異常がないことを確認してから出ないと作業してはいけません。
点検内容は次のとおりです。
1.機体緊結部の緩みや損傷
2.巻き上げ用ワイヤーロープやみぞ車、滑車の取り付け状態
3.巻上げ装置のブレーキ、歯止め装置の機能
4.ウインチの据付状態
5.控えの取り方、固定の状態
本体やワイヤーロープ、ブレーキなど各部の点検をしっかり行うことが大事なのです。
(控線をゆるめる場合の措置) 第193条 事業者は、くい打機又はくい抜機の控線(仮控線を含む。 以下この条において同じ。)をゆるめるときは、テンションブロック 又はウィンチを用いる等適当な方法により、控線をゆるめる労働者に、 その者が容易に支持することができる限度をこえる荷重が かからないようにさせなければならない。 |
くいやアースオーガなどには、垂直に立たせているのですが、これはワイヤーなどの控え線で支えています。
もちろんそれ以外の支持の仕方もあります。
控え線は、場所を移動させたり、点検の際など緩めることもあります。控え線を緩めるとき、急激に荷重がかかり、作業者が支えられなくなったら危ないですよね。。
くい打ち機の控え線を緩めるときは、作業者がきちんと支えられるように支持をとらなければなりません。
支持の仕方は、移動させるときと同様に、テンションブロックやウインチで適切に行います。
くい打ち機などは、地中深くまで掘る機械です。
何の障害物もなければ、すんなり掘ることができますが、何かあれば困ります。
地中にはガス管や上下水道、場所によっては電気や通信ケーブルが通っています。掘削位置にこれらがあり、もし切断しようものなら大問題になってしまいます。
くい打ち機などで作業する前には、ガス管などがないことを、管理者に確認しなければなりません。
もし近くに障害になるものがある場合は、場所を変えたりして対処する必要があります。
くい打ち機の取り扱いは、機械そのものもですが、周辺の点検も怠ってはいけません。
また移動させたりするときも、倒壊防止の措置が必要になるのです。
まとめ。
【安衛則】
第191条 控えで支持するくい打機又はくい抜機の2本構、支柱等を建てたままで、動力によるウインチその他の機械を用いて、これらの脚部を移動させるときは、倒壊防止措置を行わなければならない。 |
第192条 くい打機、くい抜機又はボーリングマシンを組み立てたときは、点検し、異常がないことを確認してからでなければ、使用させてはならない。 |
第193条 くい打機又はくい抜機の控線をゆるめるときは、作業する労働者が支えられる荷重にしなければならない。 |
第194条 くい打機又はボーリングマシンを使用して作業を行う場合において、ガス導管などの破損を防がなければならない。 |