厚生労働省労働局長登録教習機関
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玉掛けの作業は、道具が大事です。
丈夫さが必要ですし、破損したり、劣化していては使えません。
またワイヤーロープを使うにしても、どんなワイヤーロープでも使っていいというものではありません。
きちんと玉掛けのための道具を使用する必要があります。
そのために備えていなければならない構造もあります。
クレーン則には、玉掛け道具の構造などについても、規定されています。
【クレーン則】
ワイヤーロープやつりチェーンであれば、どのようなものでも使ってよいわけではありません。
ワイヤーロープなどはフックなどに引っ掛けるので、ただのロープでは使えないのです。
エンドレス、いわゆる一本の輪になっているものは、引っ掛けられるので、玉掛けに使用できます。では輪になっていないワイヤーロープなどでは、どうでしょうか。ただのロープでは使えません。
エンドレスでないワイヤーロープやつりチェーンは、両端にフック、シャックル、リング、アイなどを備えていなければなりません。
アイとは、端が輪っかになっているものです。ワイヤーロープの端をぐるっと丸くし輪を作ります。この輪でクレーンなフックなどを引っ掛けるのですが、やわな構造では切れてしまいます。
そのため、十分な強度をもったものではなければならないのです。ストランドを3回以上編み込むなどの決まった作り方があるのです。
玉掛けにはワイヤーロープやつりチェーンで引っ掛けるものばかりではありません。
玉掛けの方法には、磁石でくっつけたり、掃除機のように空気を吸込み気圧を低くすることで、くっつけたりする方法もあります。
その他チェーンブロックという滑車や歯車とチェーンを組み合わせた用具や手動のウインチであるチェーンレバーホイストなども玉掛けの用具として使用されます。
これらの玉掛けの器具を使用する場合には注意が必要です。
磁石や陰圧、チェーンブロック、チェーンレバーホイストなどの用具で玉掛けを行う場合は、使用荷重の範囲内で使わなければなりません。
制限荷重は用具に記載されているので、それを必ずチェックしなければなりません。
また鉄板などを挟んで持ち上げる吊りクランプという用具を使う場合も、使用荷重の範囲内で使わなければなりません。
今まで玉掛けの用具について、しっかりとした強度をもっていることが大事で、劣化やき裂、破損したものは使えないということを規定した条文を見てきました。
玉掛けを使用する前には、用具が適切かを確認する必要があります。
確認するポイントは、ワイヤーロープやつりチェーン、フック、シャックルなどが吊り荷にかなう強度があること、き裂、損傷、断面減少などの異常がないかです。
もし異常があるのに使い続けてはいけません。
異常個所があれば直ちに補修しなければなりません。
玉掛けの用具については、その強度が弱いと作業途中で荷物の落下を招いてしまいます。
そのため作業前の点検は何よりも重要なことといえます。
ワイヤーロープなどは作業前点検だけでなく、月ごとの点検を行います。
その時に点検済確認を示すカラーテープを巻きつけたりしますね。
点検は安全に作業するためにも、非常に重要です。
まとめ。
【クレーン則】
第219条 エンドレスでないワイヤロープ又はつりチェーンについては、その両端にフック、シャックル、リング又はアイを備えているものでなければ玉掛用具として使用してはなりません。 |
第219条の2 磁力若しくは陰圧により吸着させる玉掛用具などを用いて玉掛けの作業を行うときは、定められた使用荷重等の範囲で使用しなければなりません。 |
第220条 玉掛けの作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に異常の有無について点検を行なわなければとなりません。 |