厚生労働省労働局長登録教習機関
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こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。
第87話「鼠川、飛来するクギが顔をかすめる」 |
鼠川は普段は、猫井川の教育係として一緒の現場に行くことも多いのですが、今日は別々の現場に行くことになりました。 現場に着くと、羊井が鼠川に今日の仕事についての説明をしました。 「鼠川さん、おはようございます。 今日の仕事なんですけど、型枠を作って欲しいんですよ。 図面を受け取りながら、鼠川は、 「わかった。コンパネを切って、桟木をつけていけばいいんだな。」 「ええ、お願いします。 「そうか。型枠は全く手つかずか?」 「ほとんどやってないですね。それほど数はないから、現場で加工しようと思いまして。」 「よし、わかった。 やることを確認すると、鼠川は車から丸のこを取り出し、コンパネがある場所まで向かいました。 作業台の上にコンパネを置き、寸法を測り、墨を出していきました。 次は切断です。 材料を切り終えると、次は組立です。 鼠川は、釘打ち機を持ってくると、パシュン、パシュンとクギを打っていきました。 こうして型枠作りが完了すると、羊井に報告しました。 「型枠終わったぞ。次はどうする?」 「ありがとうございます。今牛黒さんが、捨てコンの型枠を組んでいるので、てつだってもらっていいですか?」 「わかった。どうやら手間取ってそうだな。」 「そうなんですよ。もうすぐしたらコンクリートが来るので、ちょっと急ぎでお願いします。」 鼠川は牛黒の近くに行くと、 「どうだ?どこからやればいい?」 と聞きました。 「あ、そっちの一角をお願いします。」 牛黒は自分がやっている場所から少し離れた場所を指さしました。 そこには、墨出しはされているけれども、まだ型枠が組まれておらず、材料だけが置かれている状態でした。 「それじゃ、やっていくか。」 そうつぶやくと、鼠川は型枠の取り付けにかかっていきました。 型枠というものの、均しコンクリートようなので、複雑な形ではありません。 桟木の固定は、付近のコンクリート構造物に取り付けることになりました。 「うーん、かましだけではグラグラするな。一応、クギで留めておくか。」 鼠川はコンクリートクギを取り出すと、桟木の端を構造物に固定させていきました。 カンカンと音を立て、型枠支持の桟木が固定されていきます。 何本目かのクギを打ち込んだ時でした。 ヒュッと鼠川の顔をかすめる何か。 一通り固定作業が終わり、確認をしてみると、型枠に1本のクギが突き立っていました。 「何だこれ。」 よくよく見てみると、それはコンクリートクギでした。 どうやら先程顔の側をかすめたのは、このクギだったようです。 「こんなに勢いよく刺さっていたのか。」 もし顔にあたっていたらと、想像するとぞっとして、何やら冷たい汗が背中をつたう鼠川なのでした。 |
ヒヤリ・ハットの補足と解説 |
今回は鼠川のヒヤリ・ハットですね。
工事現場では、クギを打ったりすることが多いです。普通にしていると、怪我などもないですが、自分に向かって飛んでこようものなら、刺さる可能性があります。
型枠に刺さるほどの勢いとなると、よほどなのですけども、跳ね飛んだクギが手や足に刺さる可能性はあるかもしれません。
クギをあちこちに置かないこと、それが大事なことになります。
それでは、ヒヤリ・ハットをまとめます。
ヒヤリハット | クギが跳ねて、顔をかすめた。 |
対策 | 1.くぎをあちこちに置かない。 2.顔を保護するシールドを着用する。 |
鼠川も歳のせいか、思いもよらぬ危険を引き寄せてしまうこともあるようです。
そろそろ猫井川の次なる仕事も進めていかないとです。