有害な場所と一言で言っても、様々な種類があります。
例えば、暑熱作業は暑いものを取り扱う場所ですが、それだけでは曖昧です。
暑熱作業などは作業環境測定を必要とします。
作業環境測定はそれなりに費用もかかるため、行う必要がある場所は明確でなければ困ってしまいます。
安衛則では、暑熱作業などの場所を明確に規定しています。
【安衛則】
(作業環境測定を行うべき作業場) 第587条 令第21条第2号 の厚生労働省令で定める暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場は、 次のとおりとする。
1)溶鉱炉、平炉、転炉又は電気炉により鉱物又は金属を製錬し、 又は精錬する業務を行なう屋内作業場
2)キュポラ、るつぼ等により鉱物、金属又はガラスを溶解する業務を 行なう屋内作業場
3)焼鈍炉、均熱炉、焼入炉、加熱炉等により鉱物、金属又はガラスを 加熱する業務を行なう屋内作業場
4)陶磁器、レンガ等を焼成する業務を行なう屋内作業場
5)鉱物の焙焼又は焼結の業務を行なう屋内作業場
6)加熱された金属の運搬又は圧延、鍛造、焼入、伸線等の加工の 業務を行なう屋内作業場
7)溶融金属の運搬又は鋳込みの業務を行なう屋内作業場
8)溶融ガラスからガラス製品を成型する業務を行なう屋内作業場
9)加硫がまによりゴムを加硫する業務を行なう屋内作業場
10)熱源を用いる乾燥室により物を乾燥する業務を行なう屋内作業場
11)多量の液体空気、ドライアイス等を取り扱う業務を行なう屋内作業場
12)冷蔵庫、製氷庫、貯氷庫又は冷凍庫等で、労働者がその内部で作業を行なうもの
13)多量の蒸気を使用する染色槽により染色する業務を行なう屋内作業場
14)多量の蒸気を使用する金属又は非金属の洗浄又はめっきの業務を行なう屋内作業場
15)紡績又は織布の業務を行なう屋内作業場で、給湿を行なうもの
16)前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣が定める屋内作業場 |
安衛令第21条は、作業環境測定を行う場所です。
2号には「暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの」とあります。
この定義を詳しく、明確にしたのがこの条文です。
作業環境測定を行う暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場は16あります。
1号から15号プラスアルファという感じです。
このリストになく、注意の必要なものは16号に含まれてくるでしょう。
第588条 令第21条第3号の厚生労働省令で定める著しい騒音を発する屋内作業場は、次のとおりとする。
1)鋲打ち機、はつり機、鋳物の型込機等圧縮空気により駆動される機械又は器具を 取り扱う業務を行なう屋内作業場
2)ロール機、圧延機等による金属の圧延、伸線、ひずみ取り又は板曲げの業務 (液体プレスによるひずみ取り及び板曲げ並びにダイスによる線引きの業務を除く。)を 行なう屋内作業場
3)動力により駆動されるハンマーを用いる金属の鍛造又は成型の業務を行なう屋内作業場 4)タンブラーによる金属製品の研ま又は砂落しの業務を行なう屋内作業場
5)動力によりチェーン等を用いてドラムかんを洗浄する業務を行なう屋内作業場
6)ドラムバーカーにより、木材を削皮する業務を行なう屋内作業場
7)チッパーによりチップする業務を行なう屋内作業場
8)多筒抄紙機により紙を抄く業務を行なう屋内作業場
9)前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣が定める屋内作業場 |
作業環境測定を行う場所として、安衛令第21条第3号は「著しい騒音を発する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの」です。
著しい騒音を発する場所は、9つあります。
これも8つプラスアルファになりますね。
第589条 第令第21条第4号 の厚生労働省令で定める坑内の作業場は、次のとおりとする。
1)炭酸ガスが停滞し、又は停滞するおそれのある坑内の作業場
2)気温が28度をこえ、又はこえるおそれのある坑内の作業場
3)通気設備が設けられている坑内の作業場 |
安衛令第21条第4号は「坑内の作業場で、厚生労働省令で定めるもの」とあります。
坑内作業で作業環境測定を行う場所は、炭酸ガスが溜まったり、高温、通気装置がないなどの場所です。
坑内は空気がよどみ、逃げ場がないので、環境測定が必要なのです。
作業環境測定は作業者の健康を保持するために重要なので、どこで行うのかをしっかり把握する必要があるのです。
まとめ。
【安衛則】
第587条 令第21条第2号 の厚生労働省令で定める暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場について。 |
第588条 令第21条第2号 の厚生労働省令で定める著しい騒音を発する屋内作業場について。 |
第589条 第令第21条第4号 の厚生労働省令で定める坑内の作業場について。 |