厚生労働省労働局長登録教習機関
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梅雨も終わり、本格的な夏となりました。
連日、気温が30℃を超え、35℃を超える日も珍しくありません。
そんな日が続くと、熱中症の心配をしなければなりません。
熱中症が怖いのは、いつ起こるかわかないこと、誰にでも起こること、そして命に関わることです。
熱中症で重症化するのは、60代以上の高齢者が多いのですが、若くとも命を落とす場合もあります。
和歌山県橋本市で、熱中症による死亡事故がありました。
今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。
事故の概要 |
事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。
36歳男性死亡、熱中症か 屋外で作業中 (平成28年7月7日)
7日午前9時10分ごろ、和歌山県橋本市隅田町芋生にあるコンクリート製品の工場で、屋外で作業をしていた男性(36)が倒れていると通報があった。橋本市消防本部などによると、男性は意識不明の状態で搬送され、その後死亡が確認された。熱中症の疑いがある。
和歌山地方気象台によると、橋本市に隣接するかつらぎ町の7日の最高気温は34・1度だった。 |
この事故の型は「異常な環境」で、起因物は「熱」です。
この事故は工場の屋外作業を行っていた作業者が、熱中症で意識不明となったというものです。
事故当日の気温は、最高気温は34℃というとこなので、かなり暑い日だったようです。
しかし通報があったのは午前9時なので、まだ気温は高くなく、仕事開始から1時間から2時間くらいしか経っていなかったのではないかと思われます。
午前の早い時間で、一気に熱射病まで重篤化したようです。
それでは、原因を推測していきます。
事故原因の推測 |
熱中症により体調不良を起こし、救急搬送される時間帯で最も多いのは、午後4時台です。
最も気温が高くなるのが、午後0時から3時の間ですが、以外なことに4時くらいに通報が多いようです。
この理由は気温の上がる午後に熱中症になり、症状がでるのが4時くらいになるからだと思われます。
しかし午前中は、気温は比較的低いです。そのため通報件数は多くありません。
午前10時までに熱中症になる原因は、気温だけではありません。むしろ体調不良により、悪化することが多いようです。
この事故も体調不良が、熱射病まで重篤化した原因にあったのではないでしょうか。
体調不良であったならば、作業前にチェックできていなかったことが、問題だったように思います。
また、体調不良の作業者は、軽度な作業に回したりする体制がなかったのかもしれません。
それでは、原因を推測をまとめてみます。
1 | 体調不良で作業していたこと。 |
2 | 作業前に体調確認が出来ていなかったこと。 |
3 | 体調不良時に対処する体制がなかったこと。 |
それでは、対策を検討します。
対策の検討 |
熱中症対策で最も大事なことは、日頃の体調管理です。
寝不足や二日酔い、下痢などは症状を悪化させてしまいます。
体調不良の時は、作業前に申し出てもらいましょう。
そのためには、体調不良などを言い出しやすいようにすること、そして体調不良の時は休養を取らせたり、軽めの作業をさせるなどにしておきます。
このような職場体制を作ることが重要です。
またこの事故は7月上旬なので、作業者がまだ暑さに慣れていなかった可能性もあります。
暑さに慣れていなかったりしたら、普段よりも頻繁に休憩をとらせるようにして、身体の負担を軽くしましょう。
対策をまとめてみます。
1 | 体調管理を行う。 |
2 | 作業前には体調のチェックを行う。 |
3 | 体調不良の作業者には、休養をとらせる。 |
熱中症は、放っておくと重篤化し、取り返しがつかなくなります。
日頃の体調管理は、特に注意しましょう。