厚生労働省労働局長登録教習機関
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こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。
第97話「猫井川、草刈機のハネにのけぞる」 |
仮設として鉄板を敷き終わり、溶接で鉄板同士を固定する作業が続いています。 「雨はすぐに止んでくれましたけど、鉄板も濡れているから、しばらく溶接はできませんね。」 詰所の椅子に座りながら、猫井川が言いました。 「そうだねえ。もう少し乾いてほしいね。」 保楠田が言います。 「晴れてくれれば、すぐに乾くんでしょうけど。 窓から空を見て、そうつぶやきます。 「まあ、溶接は様子を見るとしてだ。」 鼠川が口を開きます。 「それにしても、この前草を刈ったばかりなのに、もう随分と伸びたな。」 「本当ですね。これから伐採するのに、ちょっと多いですね。」 猫井川も同意します。 「ただ待っていても仕方ないから、溶接は保楠田に任せるとして、わしらは草刈りでもせんか。」 「それはいいですけど、草刈り機は持ってきてないですよ。」 「だったら、取ってきたらいいじゃないか。 鼠川は、そう一喝します。 「それじゃ、わしは猫井川が来るまでゆっくりするか。」 そう言って鼠川は椅子に深く腰掛け、目をつむったのでした。 小一時間過ぎた頃、猫井川の車が帰って来ました。 草刈機を2台車から降ろし、詰所に向かうと、保楠田が作業再開の準備をしていました。 「鼠川さん、鼠川さん!草刈機持ってきましたよ。」 猫井川が声を掛けると、鼠川は目をゆっくりと開いたのでした。 「すっかり寝てしまってた。 そう言って、椅子からよっこいしょと腰を上げたのでした。 猫井川は野虎に草刈りを行うことについて断りを入れてから、すね当てやフェイスシールドなどの保護具を身につけました。 「溶接はお願いします。」 保楠田に声を掛けてから、2人は山裾に向かい、草刈りを開始しました。 ビィーン、ビィーンと音を立て、草刈り機の歯回転します。 途中パンパンと小石なども跳ねたりもしてましたが、さしたる支障もなく進んでいきます。 先日刈ったばかりなので、足元が見えないほどではありませんが、草はそれなりに生茂りつつあります。 「ほんと、あっという間に生えてしまう。」 猫井川はうんざりした心持ちになりました。 生い茂っているといっても、刈りやすい状態なので、作業はどんどん進みます。 切り株の周りの草を切っている時、歯が切り株に接触したのでした。 しかし歯は引っかかったりしません。 そんな接触を何度か繰り返した時でした。 思いもよらない反動に、思わず体を仰け反らす猫井川。 姿勢を崩してしまった猫井川は、とっさにスイッチを切り、草刈機を停止したのでした。 「焦った~」 猫井川は思わず、つぶやきました。 今の様子を鼠川に見られてしまったかと思い、鼠川の方に目をやりました。 見られていなかったことにほっと胸を撫で下ろしていたところ、鼠川の草刈機も跳ね上がったのでした。 危ない! 自分の慌て方と大違い。 |
ヒヤリ・ハットの補足と解説 |
今回も再び草刈りの時のヒヤリハットです。
夏場は草を刈っても、すぐに伸びてきます。一雨が降った後などは、あっという間です。
猫井川も先日草刈りをしたばかりなのに、もうやる必要が出てきたようでした。
家の周りの草も何度ひけばいいのやらです。
草刈りの時に注意が必要なのは、小石などを跳ね飛ばすことです。
小石などを跳ね飛ばし、人や建物、車などに当ててしまうことがあります。
それ以外の問題では、今回のような草刈り機本体が跳ねることです。
固いものなどに接触した時、反動を受けることで起こります。
こういった危険は制御することが大事ですが、制御するための姿勢などを整えて作業に当たらなければなりません。
間違っても歯に接触しないようになければなりません。
それでは、ヒヤリ・ハットをまとめます。
ヒヤリハット | 草刈り機を使っていたら、本体が跳ねた。 |
対策 | 1.固いもののギリギリまでは歯を当てない。 2.作業時の姿勢は、両足を付けて、ふんばれるようにする。 |
鉄板を敷き、草刈りが終われば、本格的な作業が開始です。
これでようやく準備工が終わった感じですね。