厚生労働省労働局長登録教習機関
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石綿の除去作業では、事前に準備などが必要になります。
そして実際に作業に取り掛かると、やはり多くの注意が必要です。
この注意というものは、まず石綿の粉じんを吸い込まないようにすること、そして外部に漏らさないことがあります。
このためには、除去した石綿を舞い広がる前に収集する必要があります。
収集のために、局所排気装置などを使用するのです。
石綿作業時の注意点についても、石綿則に記載されています。
【石綿則】
第3節 石綿等を取り扱う業務に係るその他の措置
第11条 削除 |
石綿の粉じんが発生する作業現場では、飛散しないような設備を設ける必要があります。
石綿等の粉じんが発生する屋内作業では、粉じん発生源を密閉する設備、局所排気装置またはプッシュプル型換気装置などを設けなければなりません。
局所排気装置は、吸込み口が小さく絞られているものです。
これは吸い込む範囲は狭いものの、吸引力が強いので、粉じん作業や有機溶剤などの作業では使用されます。
プッシュプル型換気装置は、送風と排気が一体となっており、常に一方向に風が流してやる装置です。
注意が必要なのが、換気扇などの全体換気装置では不十分だという点です。
全体換気装置は、部屋全体の空気を排出しますが、範囲が広いため、換気や排気の能力は劣ります。
そのため、粉じん作業などでは、原則としてメイン使用せず、補助的な役割りとします。
しかし石綿作業では、局所排気装置などが必要になりますが、臨時であったり、設置が困難な場合などには、全体換気装置を使わざるを得ません。また石綿が飛散しないように湿潤化するなど、最大限吸い込まないような対策を取ることが重要です。
石綿を新たに使用することはできません。
取り扱うことがあれば、解体や除去に関してのみです。
そして石綿は壁や天井などに吹きつけられていたり、ことが多いので、解体除去の際には、石綿を切ったり、削ったりなどの作業を行います。
石綿は、付着している状態であれば飛び散ることも少ないのですが、切断など手を加えると、飛散します。
石綿の切断などの作業時には、石綿を湿潤化して、飛散を防止しなければなりません。
水に濡らすと、粉じんは空中に舞い広がらず、床に落ちます。そのため吸い込む危険が少なくなるのです。
どういった作業では湿潤化しなければならないかというと、次の場合です。
1.石綿等の切断、穿孔、研磨等の作業
2.石綿等を塗布し、注入し、又は張り付けた物の解体等の作業
3.建築物等に吹きつけられた石綿を封じ込る作業
4.粉状の石綿を容器に入れたり、取出したりする作業
5.粉状の石綿を混合する作業
6.飛散した石綿の掃除
粉じんが舞い広がる作業時には、湿潤化することが必要になるのです。
石綿の切断などの作業時には、石綿を湿潤化したり、局所排気装置などを設置するなどの対策が必要です。
しかし設備や作業方法が適切であっても、空気中に漂う石綿をゼロにすることはできません。
そのため、吸い込む危険はあります。
石綿等の切断作業などを行う場合、作業者は呼吸用保護具を使用しなければなりません。
作業場を隔離している場合などでは、電動ファン付呼吸用保護具か、送気マスクなどを使用します。
呼吸用保護具だけでなく、服装も石綿作業用の保護衣を着用します。
これらの保護具は、作業場の前室で着脱し、外部に石綿を持ち出さないようにします。
石綿作業では、設備や作業方法、保護具などで粉じんの飛散や吸い込みの防止をしていかなければなりません。
(立入禁止措置) 第15条 事業者は、石綿等を取り扱い(試験研究のため使用する場合を含む。以下同じ。)、 又は試験研究のため製造する作業場には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、 かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。 |
石綿を取り扱う作業では、局所排気装置や保護具などを使用して作業を行います。
作業者は、このように吸い込むのを防ぎますが、石綿の粉じんが飛び交っている中に、作業者以外の人が入ってきたりすると、危険です。
石綿を取り扱う作業場では、関係者以外は立ち入らないようにしなければなりません。
取り扱い場所には、試験研究のために石綿を製造する場所も含まれます。
立入禁止にしたら、その旨をしっかり表示しておきます。
関係者以外が石綿を吸い込むことも防がなければならないのです。
まとめ。
【石綿則】
第12条 石綿等の粉じんが発散する屋内作業場については、発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。 |
第13条 石綿等の切断の作業では、湿潤な状態のものとしなければならない。 |
第14条 石綿等の切断等の作業に労働者を従事させるときは、呼吸用保護具を使用させなければならない。 |
第15条 石綿等を取り扱いや試験研究のため製造する作業場には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止としなければならない。 |