厚生労働省労働局長登録教習機関
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835 石綿の取り扱い作業では、飛散した石綿を口や鼻などから吸い込んでしまう危険があります。
この危険を小さくするのに、保護具が重要です。
保護具の中でも、特に口や鼻を覆う呼吸用保護具が重要なのは言うまでもありません。
呼吸用保護具にはたくさんの種類があります。
どんなものでも、石綿作業で使えるわけではありません。
石綿作業での呼吸用保護具の扱いに付いては、石綿則に規定されています。
【石綿則】
第7章 保護具
(呼吸用保護具) 事業者は、石綿等を取り扱い、又は試験研究のため製造する作業場には、当該石綿等の粉じんを |
石綿の取り扱い作業等では、準備が大切です。
その準備には、保護具が含まれます。
石綿の取り扱い等の作業では、呼吸用保護具を備えなければなりません。
保護具の備えで忘れてならないのは、準備するのは事業者の責任ということです。
労働者個人に任せるのではありません。
呼吸用保護具には、ろ過式や給気式、防毒マスクや防じんマスクなどの種類があります。
石綿作業で使用するのは、防じんマスクです。
防じんマスクならなんでも良いというわけではありません。
使い捨て式は使わず、顔全体を覆う取替式を使用しましょう。そして石綿は非常に細かい粉じんなので、仕様を確認し、石綿作業でも使用できるものにします。
長時間の作業を考えると、外部から空気を送り込む、給気式の呼吸用保護具を使用するのもよいでしょう。
(保護具の数等) 第45条 事業者は、前条の呼吸用保護具については、同時に就業する労働者の人数と同数以上を備え、 |
呼吸用保護具は鼻や口をカバーするものです。他人と使いまわすのは、衛生面で気になるものです。
呼吸用保護具は作業に従事する人数以上を準備し、清潔にします。
自分専用の呼吸用保護具を使用するようにします。
(保護具等の管理) 第46条 事業者は、第10条第2項、第14条第1項及び第2項、第44条並びに第48条第6号に規定する保護具等が 2 事業者及び労働者は、前項の保護具等について、付着した物を除去した後でなければ作業場外に |
保護具の使用時に適切に機能するためには、正しく使うことも大事です。
それと同じくらい大切なことは、使わない時に適切に管理することです。
辺り構わず放り出していたり、車のトランクの中に無造作に放り込んだままにしていると、使いたい時に破損したりします。
石綿の保護具については、他の保護具と一緒に保管したりすると、付着した石綿が移ってしてしまうことになります。
石綿の作業等で使用する呼吸用保護具は、他の保護具から隔離して保管しなければなりません。
付着した石綿が他のものに付着しないようにしなければなりません。
そのため、作業場から出る時は、前室などで完全に石綿を除去しなければなりません。
せっかく作業場では吸い込まないようにしているのに、作業場外で吸い込んでいたら意味が無いのです。
石綿作業では、呼吸用保護具を適切に使用することが重要です。さらに使用だけでなく、管理もしっかりしなければなりません。
まとめ。
【石綿則】
第44条
石綿等を取り扱い等の作業場には石綿等の粉じんを吸入することによる労働者の健康障害を予防するため必要な呼吸用保護具を備えなければならない。 |
第45条
呼吸用保護具については、同時に就業する労働者の人数と同数以上を備え、常時有効かつ清潔に保持しなければならない。 |
第46条
保護具等が使用された場合には、他の衣服等から隔離して保管しなければならない。 |