厚生労働省労働局長登録教習機関
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屋内の通気性の悪い場所での有機溶剤使用では、局所排気装置などの設備が必要です。
設備を設けるということが重要なポイントです。
保護具等で代用するのはダメです。
しかし作業場所や条件によっては、局所排気装置などを設置するのが困難な場合もあります。
そのような場合は、特例措置というものがあるのです。
有機則には、特例についても規定されています。
(局所排気装置等の設置が困難な場合における設備の特例) 第10条 事業者は、屋内作業場等の壁、床又は天井について行う有機溶剤業務に労働者を従事させる場合において、 有機溶剤の蒸気の発散面が広いため第5条又は第6条第2項の規定による設備の設置が困難であり、 かつ、全体換気装置を設けたときは、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置 及びプッシュプル型換気装置を設けないことができる。 |
屋内で、通気性の悪い場所での有機溶剤作業では、局所排気装置などを設置しなければなりません。
しかし場所によっては設置困難な場所があります。
屋内の壁や床などに有機溶剤を使用し、蒸気の発散面が広く設備が困難で、全体換気装置を設けた場合、局所排気装置などを設けないことができます。
壁、床、天井などについて行う有機溶剤作業とあるので、壁の塗装作業などになります。
壁全体に有機溶剤を塗ったり、吹き付けるので、蒸気が発生するのは、1箇所ではありません。かなり広範囲になります。発生源ごとに局所排気装置を設けたり、発生源を押さえるなどは無理です。
このような場合は、換気扇を動かすことで、設けなくともよいとなっています。
屋内作業とは、建物内での作業のことです。
屋内なので通気の悪いのですが、そこに作業者が近づくから、中毒になるのです。
そのため、人が近づかなければ中毒になる人もいません。このような場合は、特例があります。
他の屋内作業から隔離され、作業者が入ってこない場所で、有機溶剤業務の設備を使用する場合は、全体換気装置を設けることで、局所排気装置などを設けないことができます。
この場合、使用できる有機溶剤業務の設備は臨時のものでなく、常置されているものです。つまり日常業務で使用するのです。
そして大事な点が、隔離されていることと、作業者が立ち入らないことです。
人の出入りが制限されているならば、設備の免除があるということです。
有機溶剤作業では発散を抑制する、または発生とともに排気する等の設備が必要です。
そのための局所排気装置などの設備なのですが、他の設備が発生の抑制や排気を行ってくれるならば、代用ができます。
排気等の代替設備がある場合は、局所排気装置などを設けないことができます。
どのような設備なら免除になるかというと、この条文の1号と2号が代表例です。
1.赤外線乾燥炉などの温熱設備で、蒸気が温熱の上昇気流を利用うして、排出される排気管がある場合。
2.有機溶剤が入っている槽で、表面が水で覆われ発散しないようになっている場合。または開口部に逆流凝縮機などがある場合。
いずれにせよ、確実に有機溶剤が排気される設備でなければ、局所排気装置などの設置免除になりません。
まとめ。
第10条 屋内作業場等の有機溶剤の蒸気の発散面が広く設備の設置が困難であり、全体換気装置を設けたときは、局所排気装置などの設備を設けないことができる。 |
第11条 他の屋内作業場から隔離され、労働者が常時立ち入る必要がない屋内作業場において、全体換気装置を設けたときは、局所排気装置などの設備を設けないことができる。 |
第12条 有機溶剤を排出するなどの代替設備がある場合は、局所排気装置などの設備を設けないことができる。 |