厚生労働省労働局長登録教習機関
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フォークリフトは倉庫や工場などで、荷物を運ぶ機械です。
しかし荷物を運ぶ作業があるのは、そららの場所に限りません。
屋外でも、また建設業の現場などでも使用されます。
ショベルローダーやフォークローダーは、建設業の現場作業のような屋外で使用するのに適した、荷役運搬機械といえます。
今回は、ショベルローダーとフォークローダーについてです。
荷物を載せて運ぶ方法には、トラックなどのように荷台に載せて運ぶ方法と、フォークリフトなどのように荷物を荷台に載せずに運ぶ方法があります。
トラックなどは荷台に安定して荷物を載せることができるので、長距離運搬することに適しています。
一方で、荷台に載せて固定する作業が必要になるので、荷の積み降ろし作業は、やや手間がかかります。
フォークリフトなどは、人間が手で荷物を抱えて運ぶような状態ですので、比較的、構内や場内といった限られた範囲での運搬には適しています。
ショベルローダーやフォークローダーは、フォークリフトと同様に比較的短距離の荷物を運ぶことに適しています。
ナンバープレートを取得すれば、道路上を走ることもできますが、特殊車両の扱いなので、普通免許では乗れないので注意です。
ショベルローダーは、車体の前方にショベル、バケットを備えたものです。
このバケットの中に、土を入れ、運ぶのです。
雪が多い場所では、冬の間、雪かきに大活躍します。
フォークローダーは、ショベルローダーのショベルの代わりに、フォーク、つまり爪がついています。
これは切った木材を運ぶ時などに使用します。
馴染みがなければ、フォークリフトほどイメージできるものではないのですが、使用方法や点検については、荷役運搬機械なので、フォークリフトなどと共通している点が多いです。
ショベルローダー、フォークローダーについては、安衛則に規定されています。
【安衛則】
第3款 ショベルローダー等
(前照灯及び後照灯) |
(ヘッドガード) 第151条の28 事業者は、ショベルローダー等については、堅固なヘッドガードを 備えたものでなければ使用してはならない。 ただし、荷の落下によりショベルローダー等の運転者に危険を 及ぼすおそれのないときは、この限りでない。 |
(荷の積載) 第151条の29 事業者は、ショベルローダー等については、運転者の視野を 妨げないように荷を積載しなければならない。 |
(使用の制限) 第151条の30 事業者は、ショベルローダー等については、最大荷重その他の 能力を超えて使用してはならない。 |
装備については、前照灯と尾灯を備えなければなりません。
ただし、作業するのに十分な明るさがある場合は除かれます。
ただし書きがあるものの、日が暮れかけて作業することも多いでしょうから、前照灯と尾灯は必ず付け、電球切れも起こさないようにしましょう。
また運転手を守るために、ヘッドガードを付けます。
ヘッドガードとは、運転席の屋根の事です。
仮にアームを上げすぎて、荷物が運転席に落ちてきた場合に備えてのものです。
そのため、荷が落下する危険がない場合は、除くとありますが、これも前照灯と同様に必ずつけておきましょう。
いずれもフォークリフトと同じですね。
ショベルローダーもフォークローダーも、車体の前方に荷物を載せます。
載せられる大きさや重さは限度がありますが、場合によっては、嵩が高いものを載せることもあるかもしれません。
しかし運転手が前を見ることができないという状態にしてはいけません。
前が見えないのに運転するのは、どれほど危険かはわかると思います。
必ず視界は確保しましょう。
また条文に規定されているものではありませんが、バックをする時、また路肩など転落する可能性のある場所で運転する場合は、できるだけ誘導してもらうようにしましょう。
自分だけでは、周りの状況を確認できない場合は、人の目も借りて安全運転することが大切です。
視界を遮るほどの嵩高いものもだめですが、能力を超えた重いものを持つのもやめましょう。
車体の前方に重心が傾き、容易に転倒してしまいます。
自分と周りの作業員の身を守るためにも、過積載はやめましょう。
フォークリフトも定期的に点検をしなければなりませんでしたが、フォークローダー等も点検が必要です。
次は、点検についてです。
(定期自主検査の記録) 第151条の33 事業者は、前2条の自主検査を行ったときは、次の事項を記録し、 これを3年間保存しなければならない。 1)検査年月日 2)検査方法 3)検査箇所 4)検査の結果 5)検査を実施した者の氏名 6)検査の結果に基づいて補修等の措置を |
(点検) 第151条の34 事業者は、ショベルローダー等を用いて作業を行うときは、 その日の作業を開始する前に、次の事項について点検を 行わなければならない。 1)制動装置及び操縦装置の機能 2)荷役装置及び油圧装置の機能 3)車輪の異常の有無 4)前照灯、後照灯、方向指示器及び警報装置の機能 |
(補修等) 第151条の35 事業者は、第151条の31若しくは第151条の32の自主検査 又は前条の点検を行った場合において、異常を認めたときは、 直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。 |
定期点検として、1年以内に1回の点検を行わなければなりません。
これは、フォークリフトや不整地運搬車と異なり、特定自主検査ではありません。
そのため、有資格者でなくとも点検は可能です。
ただし点検内容は全体を詳細に行うので、整備会社等に委託することが多いのではないでしょうか。
年次の定期点検の他に、1ヶ月以内に1回の月次点検もあります。
これも自主点検ですが、年次点検ほど詳細ではありません。
しかし駆動部やショベルなどの荷役部、ヘッドガードなど、重要な箇所は点検する必要があります。
点検を行ったら、行いっぱなしではいけません。
必ず記録に残し、3年間は保管しましょう。
記録に残すことによって、交換した部品、修理した箇所などの履歴となり、後々のメンテ計画に役立つのです。
定期的な点検の他にも、点検を行います。
それは、その日の作業する前の点検です。
日常点検とも作業前点検とも言いますが、定期的に点検していても不具合がでる箇所もあるものです。
作業前ですので、それほど時間をかける必要はなく、目視や少し動かしてみてという短時間でできる点検になりますが、安全に作業を行うためですので、しっかり行いましょう。
点検を行って不具合があったら、どうしたらよいでしょうか。
放置はダメですね。
不具合箇所は必ず修理しましょう。
さらに修理した箇所は、記録に残しておくと、後々のメンテに役立ちます。
ショベルローダーやフォークローダーは、屋外の建設業などの現場で活躍します。
そのためかなりタフな使い方になるものが多いです。
ショベルカーなどと同様に、頑丈に作られていますが、定期的な点検と、無理な使い方をしないことが、自分たちの身を守ります。
荷物を運ぶことは、仕事をする上で、必ず必要な物です。
土木工事であれば、土を運ぶことが欠かせません。
場合によっては木を切る必要がありますが、切った木をその場に置いておくことはできません。
どこかに運びださなければなりません。
土や砂、木材、あるいは雪を運ぶのに活躍するのが、ショベルローダーとフォークローダーです。
雨でも雪でも働く機械です。
しっかりと常に安全に使えるようにしたいですね。
まとめ。
【安衛則】
第151条の27 ショベルローダー又はフォークローダーは、前照灯及び後照灯を備えなければならない。 |
第151条の28 ショベルローダー等については、堅固なヘッドガードを備えなければならない。 |
第151条の29 ショベルローダー等については、運転者の視野を妨げないように荷を積載しなければならない。 |
第151条の30 ショベルローダー等については、最大荷重その他の能力を超えて使用してはならない。 |
第151条の31 ショベルローダー等については、1年を超えない期間ごとに1回、定期に、自主検査を行わなければならない。 |
第151条の32 ショベルローダー等については、1月を超えない期間ごとに1回、定期に、自主検査を行わなければならない。 |
第151条の33 自主検査を行ったときは、記録し、3年間保存しなければならない。 |
第151条の34 ショベルローダー等を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、点検を行わなければならない。 |
第151条の35 自主検査又は点検を行った場合において、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。 |
大変役に立って見させて頂いていますが、ひとつ質問させて下さい。
車両系荷役運搬機械のショベルローダーの図が車両系建設機械のホイールローダーの図と思われますが? 教えて下さい。
ご指摘ありがとうございます。
調べてみたら、ショベルローダーは、横から見ると三角形のような形で、ちょうどフォークリフトにショベルがついているようなものですね。
検索すると画像はたくさんあるのですが、勝手に転載ができないので、画像は削除させていただきます。
代わりに、画像検索結果のリンクを置いてみます。
ありがとうございました。