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今日もどこかで掘削作業は行われています。
建設業において、掘削作業とは一番多い作業ではないでしょうか。
トンネルのような大規模な掘削もあれば、ほんの数メートル程度掘るくらいの小規模なものまで、掘削する作業範囲は幅広いです。
掘り方も、上から地面を掘るという明かり掘りというのから、上から掘らず、地中にトンネルを掘っていく推進工法というものまで、現在の掘削技術の進化は眼を見張るものがあります。
これだけ、たくさん作業されていると、それに伴い事故も多くなります。
崩壊・倒壊事故は、建設業の三大事故とも言われるほど、多く発生しています。
掘削した法面(土壁)が崩落して、人が埋もれてしまうという事故は、いつ起こってもおかしくないのです。
事故事例としても、掘削作業時の崩壊・倒壊をいくつかとりあげています。
この記事を書いている少し前も、東京の渋谷で掘削作業中に土砂崩れが起こり、作業員が亡くなるという事故が起こりました。
都会でも、山間部でも関係なく、穴を掘るという作業があれば、常に起こり得るのです。
掘削作業時の事故は、近年増えたわけではありません。
ずっと昔から、戦前どころか江戸時代よりも前から、この事故は起こっていたでしょう。
近代になり、建設機械を使うようになると、より早く深く掘れるようになったこともあり、事故が起こるリスクも拡大してきました。
安衛則では、掘削作業の安全対策について、規定されています。
ただし、この規定は最低限です。
掘削作業は、場所により地質や地形、湧水状況などの特性が異なります。
そのため現場ごとに、その特性を踏まえた措置をとる必要があることは、頭に留めておいてください。
【安衛則】
(掘削面のこう配の基準) 第357条 事業者は、手掘りにより砂からなる地山又は発破等により 崩壊しやすい状態になっている地山の掘削の作業を行なうときは、 次に定めるところによらなければならない。 1)砂からなる地山にあっては、掘削面のこう配を35度以下とし、 2)発破等により崩壊しやすい状態になっている地山にあっては、 2 前条第2項の規定は、前項の地山の掘削面に傾斜の異なる部分が |
(点検) 第358条 事業者は、明り掘削の作業を行なうときは、地山の崩壊 又は土石の落下による労働者の危険を防止するため、 次の措置を講じなければならない。 1)点検者を指名して、作業箇所及びその周辺の地山について、 2)点検者を指名して、発破を行なった後、当該発破を行なった |
(地山の掘削作業主任者の選任) 第359条 事業者は、令第6条第9号 の作業については、地山の掘削 及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、 地山の掘削作業主任者を選任しなければならない。 |
(地山の掘削作業主任者の職務) 第360条 事業者は、地山の掘削作業主任者に、次の事項を 行なわせなければならない。 1)作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。 2)器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。 3)要求性墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。 |
(地山の崩壊等による危険の防止) 第361条 事業者は、明り掘削の作業を行なう場合において、地山の崩壊 又は土石の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、 あらかじめ、土止め支保工を設け、防護網を張り、 労働者の立入りを禁止する等当該危険を防止するための措置を 講じなければならない。 |
(埋設物等による危険の防止) 第362条 事業者は、埋設物等又はれんが壁、コンクリートブロツク塀、 擁壁等の建設物に近接する箇所で明り掘削の作業を行なう場合に おいて、これらの損壊等により労働者に危険を及ぼすおそれの あるときは、これらを補強し、移設する等当該危険を 防止するための措置が講じられた後でなければ、 作業を行なってはならない。 2 明り掘削の作業により露出したガス導管の損壊により 3 事業者は、前項のガス導管の防護の作業については、 |
(掘削機械等の使用禁止) 第363条 事業者は、明り掘削の作業を行なう場合において、掘削機械、 積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管、地中電線路 その他地下に存する工作物の損壊により労働者に危険を 及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用してはならない。 |
(運搬機械等の運行の経路等) 第364条 事業者は、明り掘削の作業を行うときは、あらかじめ、 運搬機械、掘削機械及び積込機械(車両系建設機械 及び車両系荷役運搬機械等を除く。以下この章において 「運搬機械等」という。)の運行の経路並びにこれらの 機械の土石の積卸し場所への出入の方法を定めて、 これを関係労働者に周知させなければならない。 |
(誘導者の配置) 第365条 事業者は、明り掘削の作業を行なう場合において、運搬機械等が、 労働者の作業箇所に後進して接近するとき、又は転落するおそれの あるときは、誘導者を配置し、その者にこれらの機械を 誘導させなければならない。 2 前項の運搬機械等の運転者は、同項の誘導者が行なう |
(保護帽の着用) 第366条 事業者は、明り掘削の作業を行なうときは、物体の飛来 又は落下による労働者の危険を防止するため、当該作業に 従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。 2 前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を |
(照度の保持) 第367条 事業者は、明り掘削の作業を行なう場所については、 当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない。 |
掘削作業を行うには、何を差し置いても、まず現地調査を行います。
調査では、掘削箇所や周辺の地山についても行います。
作業場所周辺も、影響があるからです。
調査内容は、次のとおりです。
形状、地質及び地層の状態
き裂、含水、湧水及び凍結の有無及び状態
埋設物等の有無及び状態
高温のガス及び蒸気の有無及び状態
作業時に危険になりうる要素です。
必要に応じて、本格的な掘削作業の前に、試掘も行います。
地中の土質や地下水、埋設物などは、図面などの資料だけでは分からないことも多いですからね。
この調査によって、知り得た情報は、施工計画、作業計画に反映します。
安全な掘削作業は、まず現地調査からになるのです。
さて、いざ掘るとなると、掘削方法にも注意が必要です。
地山を垂直に掘り下げていく方法を、明かり掘りといいますが、掘削作業の大半は明かり掘りといっていいでしょう。
掘り方としては、ショベルカーで掘るというのが一般的です。
しかし、狭い範囲の掘削などでは、まれにショベルなどで手掘りすることもあるかもしれません。
効率を考えると、1、2メートルでも手掘りをするのは効率的と言いがたいですが、機械が入り込めない場所の掘削では、人の手で行います。
ショベルカーなどの機械を使わず、手で掘削していく場合、地上から穴の底にかけて、適切な勾配をつけます。
断面で見ると、穴の底が短い辺の台形になるようにするのです。
ただし、これも土質と掘削高に応じます。
上記の条文の中にありますが、次の表のとおりですね。
地山の種類 掘削面の高さ(単位 メートル) | 掘削面のこう配(単位 度) |
岩盤又は堅い粘土からなる地山 | 5メートル未満 90° 5メートル以上 75° |
その他の地山 | 2メートル未満 90° 2メートル以上5メートル未満 75° 5メートル以上 60° |
硬く崩れ落ちる可能性が低い地盤であれば、ほぼ垂直に掘り下げることができます。
しかしショベルだけで、硬い地山を掘ることは、昔ならともかく、今は滅多なことでは、やらないでしょうね。
2メートル掘るなら、ショベルカーを使うでしょう。
なぜ手掘りの場合は勾配が必要かというと、必ず人が穴の底で作業するからでしょう。
穴の底で作業するのですから、土壁が崩れ落ちないようにする必要があるのです。
一方ショベルカーは、地上から掘り下げていくので、土砂崩れに巻き込まれることはありませんので、勾配については、規定されていません。
とはいえ、ショベルカーで掘削しても、穴の底で作業することはあります。
基本、掘削は地中で何か設置するなどの目的があるわけですから、当然なのですけども、
掘削後、崩壊に巻き込まれないようにする措置は、別途必要になるのです。
さて、掘削する地質が、砂や発破で緩んでいて、普通よりも崩れやすい場合も勾配をつけます。
この場合の勾配はより小さく、高さも低くしなければなりません。
地山の種類 掘削面の高さ(単位 メートル) | 掘削面のこう配(単位 度) |
砂からなる地山 | 5メートル未満 又は 35°以下 |
発破等により崩壊しやすい地山 | 2メートル未満 又は 45°以下 |
5メートルで35°以下となると、ものすごく広い範囲を掘らなければなりません。
ただしこちらは、明かり堀の掘削勾配とは、少し条件が異なるのが注意点です。
明かり堀の場合は、高さと勾配のいずれの条件も満たす必要がありましたが、崩壊しそうな地山では、勾配角度もしくは高さのいずれかを満たす必要があります。
砂からなる地山では、勾配が35°以下であれば、5メートルよりも掘削面が高くなることは構いません。
また掘削面が5メートル未満であれば、勾配角度は35°よりも急でも構わないということです。
混同しそうですが、少し条件が異なるのです。
角度が急になればなるほど、崩れるリスクも高くなるので、仕方ないのですが、ものすごく作業量は増えますね。
さて、掘削作業は1日で終わることもあれば、長期間掘ったままにする場合もあります。
水道やガス管を埋設する作業であれば、その日の内に埋め戻しまでやってしまいます。
しかし、建物の基礎などであれば、長い時は数ヶ月も掘削した状態にすることもあります。
2日以上の掘削した状態を維持する場合には、作業前に掘削穴や周辺の地山について点検を行わなければなりません。
点検内容は、掘削部や周辺地山のき裂、浮石、含水・湧水・凍結、ガスの発生状態などです。
昨日までなかったき裂が、突然現れていることや、地下水が湧いてきていることも、よくあります。
これらを放っておくと、後々に倒壊の原因になるのです。
もし異常があれば、き裂や浮石箇所は先に崩して、取り除いたり、湧水などはポンプで汲み上げたりする必要があります。
地下水が上がっているようならば、別途地下水を組み上げる仮設も必要になります。
点検したら、必ず記録を残しましょう。
記録は少なくとも、一連の作業が完了するまでは、保管しておきましょう。
あと、点検時期として忘れてはいけないのが、大雨や地震の後です。
震度4以上を中震といいますが、これ以上の場合は、作業を中断して、まずき裂などが生じていないかを確認しましょう。
大雨の時は、作業は行わないでしょうが、地盤を緩めていることも多いです。
また発破作業も地盤を緩めてしまいます。
これらの地震、悪天候、発破の後は、必ず点検しましょう。
掘削で2メートル以上の深さを掘る場合は、作業主任者を選任しなければなりません。
2メートルとなると、ジャンプして飛び込めない深さですし、足を滑らせて転落すると怪我をしてしまいます。
土の地面でも、たいしたクッションにはなってくれず、落ちれば怪我をしてしまいます。
そのような事故を防ぐためにも、作業主任者が、全体を監督し、指揮するのです。
作業主任者の職務は次のとおりです。
作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。
器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。
安全帯(要求性墜落制止用器具)等及び保護帽の使用状況を監視すること。
作業方法、道具、作業者の保護具を把握し、指揮します。
なお、作業主任者の資格要件は、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者の技能講習を修了する必要があります。 掘削と土止め支保工はセットになるのです。
ショベルカーで掘ろうと、手掘りで掘ろうと、何かしらの作業を掘削した穴の底で行います。
作業者が穴の底で作業すると、常に付きまとうのが、土壁の崩壊の危険です。
この危険を防ぐには、勾配をつけるくらいでは、全然足りません。
崩壊の危険から、作業者を守る対策が必要になります。
崩壊を防ぐのに、効果的なものが、土止め支保工です。
土止め支保工は、土壁の前に壁を作るとともに、内側から力をかけて、壁の崩壊を防ぐのです。
土止め支保工については、また改めてまとめたいと思います。
土止め支保工以外の手段としては、土壁の表面にネットを掛けるなどがあります。
これで多少は崩壊の影響を軽くしようとするものです。
また関係者以外は掘削面への立入りを禁止するのも大切です。
作業関係であっても、危険な箇所へは立ち入らせず、土止め支保工など、対策してから立ち入らせるようにしなければなりません。
掘削する場所は、あらかじめ設計時に検討されていることが多いです。
時には、コンクリート塀のすぐ側であったり、擁壁に沿って掘削ということともあります。
こんな状況で、注意しなければならないのが、コンクリート塀などの構造物の倒壊です。
事故事例でもいくつか取り上げたのですが、構造物に近接して掘ると、片側の支えを失ってしまい、ちょっとしたきっかけで倒れこんでしまうのです。
構造物に近接して掘削する場合は、倒壊防止措置をとらなければなりません。
倒壊防止措置としては、土止め支保工で固定したり、支えになる部分は残して掘削するなどの工法の工夫が必要になります。
少しの時間だからと油断していると、崩れ落ちてしまうので、必ず対策しながら作業しましょう。
また地下埋設物がある場合も注意が必要です。
特にガス管を破損させてしまうと、ガスの供給がストップするだけでなく、火花で爆発したり、作業者が中毒になったりする危険があります。
ガス管以外にも、水道管、下水道管、電気・通信ケーブルなども注意が必要です。
掘削箇所にガス管などがあれば、囲いや防護管などの傷つけないようにしたりします。
長期間掘削しままである場合は、ガス会社と相談して、一時的に移設することも検討します。
ガス管の防護措置をとる場合は、慎重に行わければなりません。
そのため、作業指揮者を指名し、指揮者は全体の作業を把握して、作業を進めます。
万が一もあるので、必ずガス会社とは事前に相談しておきましょう。
さて、ガス管や電線ケーブルが埋設されている付近を掘削する場合ですが、機械で掘ってはいけません。
機械だと慎重にしても、少し手元が狂うと、ガス管を破損してしまいますね。
必ず周辺は、ショベルなどの人の手で慎重に掘りましょう。
掘削作業は、主にショベルカーで行います。
掘り返した土は、不整地運搬車やダンプカーに載せ、仮置き場や作業場外に運び出します。
作業場は機械と人が、入り乱れている状態なのです。
そうなると、常に機械に接触する危険があるわけです。
ショベルカーがあちこちで作業していたり、ダンプカーが好き勝手に走り回っていたら、作業者は危険極まりありません。
作業計画では、機械の作業範囲、運行経路を定めて、運転者と作業者に周知しましょう。
ショベルカーで土や石をダンプに積む場所は、決まった場所で行う。
ダンプ運転手は、定められた経路以外を走らない。
作業者は、安易に運行経路を入らないなど、住み分けを行います。
この運行経路は、不同沈下、つまりワダチ掘れが深くなり、機械の転倒を引き起こさないルート、または日によって経路を変えるなどの工夫も必要だと、念頭に置いておくといいですね。
特に雨の後など、地盤がぬかるんでいる時は、ワダチが深くなるので重要です。
対策としては、砕石などを敷いて、地表を固めるという手もあるので、場合によっては検討してもよいいかもしれません。
掘削作業現場は、機械と人が入り乱れているのですから、作業範囲を分けたり、運行経路を決めても、接触の危険性は残ります。
どうしても機械の近くで仕事しなければならない状況もあるでしょう。
また土を載せるために、ダンプカーが荷台を向けて、ショベルカーに近づくことも、よくあります。
バックで進むのですから、運転者は掘削部が見えておらず、穴に転落する危険もあります。
機械との接触事故や、機械が開口部に後進して転落の危険がある場合は、誘導者を定めて、機械を誘導させます。
誘導者がオーライとかストップと言うだけで、かなりの危険が減らせるので、危険かなと思ったら、誘導者を配置しましょう。
さて作業者も、掘削作業を行うにあたって準備するものがあります。
何より大切なものが、保護帽、つまりヘルメットです。
ヘルメットをかぶっていれば、岩とかは無理ですが、小石程度が落ちてきても、頭を守ってくれます。
この場合の保護帽は、飛来・落下用です。
墜落・転落用のように、衝撃吸収ライナーは必要とされていません。
しかし、2メートル以上の深い穴に入るのであれば、墜落転落と共用の保護帽を使用するに越したことはありませんね。
掘削作業は、明るいところで行う必要があるので、必要な照度は確保しましょう。
昼間ならともかく、夕方から夜の作業、また日陰になって、掘削開口部が見えにく場合は、照明を点けます。
穴が見えないと、転落してしまいます。
また穴の底は、地上よりも暗くなるので、照明は必要になります。
さて、掘削作業においての条文をまとめてきました。
少し条文としては、離れるのですが、これも関係するので、あわせて紹介します。
第2節 飛来崩壊災害による危険の防止
(地山の崩壊等による危険の防止) 1)地山を安全なこう配とし、落下のおそれのある土石を取り除き、 2)地山の崩壊又は土石の落下の原因となる雨水、 |
地山の崩壊や落石の防止対策をとらなければなりません。
この条文は掘削以外の墜落や飛来落下、崩壊防止の条文と並んでいます。
掘削時には崩壊しないように勾配や土止め支保工、点検等で発見した落石は除去し、あらかじめ危険要素は排除するなどの対策を行います。
また土壁が崩壊する原因となりうる、地下水や雨水は排除します。
方法としては、ポンプで吸い上げることが一般的です。
地下水のためには、井戸を掘り、ポンプで吸い上げるウェル工法などが行われます。
対処としては、いくつかの方法があります。
最も大事なことは、事前に作業場所について調査し、土質や地層の状況に応じた作業計画を立てることです。
崩れやすい場所もあれば、粘土質の場所もあります。
同じ掘削でも、同じ方法というわけにはいかないのです。
そして作業が始まると、ほとんど機械での作業になるわけですから、機械との接触事故などに注意しなければなりません。
もちろん、機械自体も転倒したりすることは防がなければなりません。
掘削場所では、崩壊を防ぐ必要があります。
掘削作業は、ほとんどの建設現場で行われており、作業経験者もたくさんいます。
経験は慣れになり、時として油断になります。
経験者が多数いるのに、土砂崩壊事故は、跡を絶たないのです。
土砂崩壊のための技術や手段はあれこれ開発され、改良されています。
最終的に行うのは、事業者であり現場作業者に関わります。
慣れた仕事なので、これくらいの逸脱は平気だろうと思っていると、事故になる。
掘削作業にかぎらず、事故の原因は、慣れと油断が少なくありません。
とても基本的な作業としての掘削作業ですから、安全に作業するためにはということを今一度考え、作業方法を見直すと、安全性だけでなく、実は作業効率も向上するのではないでしょうか。
次回は、倒壊防止措置として、土止め支保工をまとめます。
まとめ。
【安衛則】
第355条 地山の掘削の作業を行う場合において、地山の崩壊等の危険を及ぼすおそれのあるときは、あらかじめ、作業箇所などを調査し、その結果をもとに、掘削の時期及び順序を定めなければならない。 |
第356条 手掘りにより地山の掘削の作業を行なうときは、掘削面のこう配を地山の種類や高さに応じたものしなければならない。 |
第357条 手掘りにより砂からなる地山又は発破等により崩壊しやすい状態になっている地山の掘削の作業を行なうときは、高さに応じた勾配としなければならない。 |
第358条 明り掘削の作業を行なうときは、地山の崩壊等の危険を防止するため、作業前や悪天候後に点検を行わせなければならない。 |
第359条 2メートル以上の深さを掘削する場合は、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、地山の掘削作業主任者を選任しなければならない。 |
>第360条 地山の掘削作業主任者は、必要な措置をとらなければならない。 |
第361条 明り掘削の作業を行なう場合において、地山の崩壊等の危険を及ぼすおそれのあるときは、 あらかじめ、土止め支保工などの措置をとらなければならない。 |
第362条 埋設物等又はれんが壁、コンクリートブロツク塀、擁壁等の建設物に近接する箇所で明り掘削の作業を行なう場合において、損壊等の危険を防止するため、これらを補強し、移設する等当該危険を防止するための措置が講じられた後でなければ、作業を行なってはならない。 |
第363条 明り掘削の作業を行なう場合において、掘削機械、積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管などの損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械を使用してはならない。 |
第364条 事業者は、明り掘削の作業を行うときは、運搬機械、掘削機械などの運行の経路、土石の積卸し場所への出入の方法を定めて、関係労働者に周知させなければならない。 |
第365条 明り掘削の作業を行なう場合において、運搬機械等が労働者の作業箇所に後進して接近するとき、又は転落するおそれのあるときは、誘導者を配置し、誘導させなければならない。 |
第366条 明り掘削の作業を行なうときは、物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するため、保護帽を着用させなければならない。 |
第367条 明り掘削の作業を行なう場所については、必要な照度を保持しなければならない。 |
第534条 地山の崩壊又は土石の落下により労働者に危険を防止するため、土止め支保工や地下水の排除など必要な措置をとらなければならない。 |