厚生労働省労働局長登録教習機関
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可燃性のガスは爆発や火災の危険があり、取り扱いに注意が必要です。
しかしガスは全て可燃性ではありません。
窒素や二酸化炭素のように、不燃性のガスもたくさんあります。
しかしガスが充満すると、空気中の酸素濃度を変化させます。
実は恐ろしいのは、このガス充満による窒息なのです。
窒息は、酸素濃度の低下によって起こります。
つまりガスが満ち満ちた空間では、酸欠が起こりやすいのです。
ガスを取り扱う場合には、酸欠防止が必要です。
ガス取り扱い時の、酸欠防止の規定は、酸欠則にまとめられています。
【酸素欠乏症等防止規則】
ボイラーやタンクなど四方を覆われた場所の内部は、通気が悪く、空気が循環しません。
ボイラー等の内部で不活性ガスの配管があり、仮に配管から気体が流出すると、酸欠になってしまいます。
そして閉塞している場所なので、逃げようにも、簡単に逃げることができない場所です。
このような場所では、配管からの漏出を防ぐことが大事です。
このような場所では、不活性ガスが流出しないように、バルブやコックを閉止したり、閉止板を取り付けて、流れを止めておきます。
バルブなどで閉止した場合は、誤って開けてしまわないように、注意を掲げておきます。
またバルブなどの操作時には、操作間違えを防がなければなりません。
閉めるつもりが、開けてしまっていたということを防ぎます。
誰も間違えないように、バルブ開閉の方向や、どんなガスが通っているのかなどが分かるようにしてきます。
誤操作や、確認ミスを防ぐことが大事なのですね。
(ガス排出に係る措置) 第22条の2 事業者は、タンク、反応塔等の容器の安全弁等から 排出される不活性気体が流入するおそれがあり、 かつ、通風又は換気が不十分である場所における作業に 労働者を従事させるときは、当該安全弁等から 排出される不活性気体を直接外部へ放出することが できる設備を設ける等当該不活性気体が当該場所に 滞留することを防止するための措置を講じなければならない。 |
もしタンク内部にガスが流入する場合、排出する設備を備えます。
配管には、溜まった水を排出するドレーン弁や安全弁などが備えられています。
弁は開閉するものなので、開けていればガスは通ります。
こういった弁類からガスが入り込み、タンク内部などに溜まると、中で作業している人は、酸欠になってしまいます。
このような場合は、漏れてきても、ガスを外に出し、新鮮な空気が送り込まれるような設備が必要になるのです。
(空気の稀薄化の防止) 第23条 事業者は、その内部の空気を吸引する配管(その内部の 空気を換気するためのものを除く。)に通ずるタンク、 反応塔その他密閉して使用する施設又は設備の内部に おける作業に労働者を従事させるときは、労働者が 作業をしている間、当該施設又は設備の出入口の ふた又は扉が締まらないような措置を講じなければならない。 |
保管するものによっては、真空に近い状態にするものもあります。
そのような保管を行う場合は、内部の空気を吸い出します。
もしこのような部屋内部で作業している時に、真空になってしまうと、中の人は危ないですよね。
空気と一緒に酸素も吸い出されてしまいます。
空気を吸引するような部屋内部で作業を行っている場合、出入口が塞がれないようにしなければなりません。
どこか一部が空いていれば、空気は吸いきれませんし、もし何かがあった場合には避難できるルートを確保しておく必要があるのです。
今までは、ガス配管以外の作業を行っている場合、漏出に備えるものでした。
しかし、ガスが通る配管そのものを取り替えたりする作業もあります。
屋外であれば、空気に希釈されますし、少し体を動かせば、新鮮な空気を吸うことができます。
しかし、地下室やタンクの中など、ガスが溜まってくると、酸欠になる場所での配管工事も行う場合は、より慎重さが求められます。
通風が不十分な場所で、不活性ガスの配管工事を行う場合は、ガスを止めるとともに、換気や空気呼吸器の着用が必要です。
まず何より、ガスの流れを止めなければなりません。
取替を行う箇所より、前の段階で、バルブ等を閉めたりします。
流れを止めても、配管に残留しているガスがあります。
これらをきちんと換気で、排出します。
また換気が十分に行えない場合は、空気呼吸器などで、呼吸を確保しなければなりません。
ガスが流る配管を取り扱うのですから、十分に対策を行う必要があるわけです。
可燃性ガスは慎重に取り扱う必要がります。
しかし可燃性でなくとも、不活性ガスも取り扱いは注意が必要です。
特に通気が悪い場所で、たまりやすい場所であれば、十分な対策が必要です。
ガスは目に見えません。
そのため溜まっているかどうかが、判断できないのです。
徐々に室内にガスが充満し、気がついたら気を失っていたという事故は多発しています。
ガスの配管の取り扱い、ガス配管付近での作業時は、ガスの漏出を止め、換気することが、安全な作業のために大切なことです。
まとめ。
【酸素欠乏症等防止規則】
第22条 ボイラー、タンク等の内部で不活性気体を送給する配管があるところでの作業では、バルブを確実に閉める、第三者が開けさせないなどの措置をとらなければならない。 |
第22条の2 タンク、反応塔等の安全弁等から排出される不活性気体が流入するおそれがある場所での作業では、安全弁から気体が流出するなどの換気措置をとらなければならない。 |
第23条 その内部の空気を吸引する配管に通ずるタンク等の施設や設備で作業させる場合は、出入口が閉まらないような措置をとらなければならない。 |
第23条の2 地下室等の通風が不十分な場所において、ガス配管工事を行う場合は、酸素濃度を保つ他、換気や空気呼吸器を備えなければなららない。 |