厚生労働省労働局長登録教習機関
北海道・宮城県・岩⼿県・福島県・東京都・⼤阪府・福岡県
LRB Health and Safety Solutionsというサイトで「安全とコミュニケーション不足」という記事がありました。
原文は英語なのですが、なかなか興味深い記事でしたので、この記事をもとに、あれこれ考えてみたいと思います。
LRB Health and Safety Solutions 「Safety and lack of communication」
記事の内容を簡単に紹介すると、こんな感じです。
場所はイギリスのとある工場での出来事です。
2人の作業者が、それぞれ天井クレーンを使って、荷物を運んでいました。
荷物の大きさは、3.5トンもの鉄のコンテナです。
荷物を運ぶこと自体は通常の仕事の範囲です。
問題は、クレーンの使用方法にありました。
2人はすぐ近くのクレーンを使っていました。
しかもお互いがお互いが何をやっているかを把握していませんでした。
この結果、2人が運んでいた荷物は衝突し、落下しました。
そして荷物は作業者の上に落ち、亡くなってしまったのです。
この事故の原因は、互いが互いの仕事を把握していなかったことです。
しかもこの工場では、以前も同じような事故が起こっていたのでした。
会社の積ンとして、クレーンが接触する事故を過去に起こしていながら、クレーンの配置を変えていなかったこと、そして仕事のやり方の改善を行っていませんでした。
事故を起こした会社の体制に問題が合ったようです。
この記事はコミュニケーション不足が事故を招くという趣旨のものです。
コミュニケーションとは、意思疎通のことですよね。
事故の直接的な原因は、事故を起こした2人の作業者が、お互いの作業内容を把握していなかったことです。
それぞれが自分の作業しか見ていなかったことが問題でした。
すぐ近くでいるのだから、少しは話していたら、衝突事故を防げたのにと思います。
ちょっとした言葉の不足が、このような悲劇を産んでしまったのでした。
コミュニケーション不足は、これだけではありません。
会社と従業員との間でも不足していました。
過去に起こった事故を繰り返す。
会社が従業員のことを理解しようとしていなかったのではと思います。
1人で行う仕事もありますが、多くの場合は、そうではありません。
何かしらのことで、周りと影響し合います。
時には天井クレーンを衝突させるような影響があります。
近くで仕事して、影響しあうのですから、お互いが何を行おとしているのかを把握するのは、それこを命にかかわると過言ではありません。
複数の関係請負人が仕事を行う作業場では、作業間の連絡調整が必要になります。
会社が異なるとコミュニケーションが取りづらくなります。
そのため、連絡調整は現場を統括管理する元方事業者が主導しなければなりません。
同じ社内でコミュニケーションが十分でなかったとなると問題ですね。
社内でコミュニケーションが不足していると、人間関係もギスギスしていそうです。
挨拶もない、会話もあまりないのであれば、居心地も悪いのではと思うのですが。
何より、仕事に関係することで、伝えることも伝えないと、今回紹介した記事のように、事故になりかねません。
コミュニケーション不足は、安全のために非常に重要です。
実は私の会社も、今年度の目標の1つは、現場コミュニケーションを行うことでした。
朝、作業現場に入ったら、何となく流れで仕事を始めるというのが、よく見受けられました。
もちろん何をやるかなどは、事前に把握しています。
しかし、作業前に改めて、何をするのか、どんな危険があるのかを把握することで、安全意識を高めることができます。
作業前のコミュニケーションにかかる時間は、ほんの数分です。
たかが数分。省略しても支障がなさそうな時間ではあります。
されど数分。この数分で、危険を回避することができるのです。
人間関係で好き、嫌いなど、あまりコミュニケーションをとりたくない人もいるでしょう。
だからといって、伝えるべきことも伝えないのは、危険ですよね。
安全に対する義務は、自分自身だけでなく、周りの人に対してもあります。
円滑とまではいかなくとも、最低限のコミュニケーションは安全のために大切なことですね。