厚生労働省労働局長登録教習機関
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「君は少し片付けることを覚えたほうがいいかも。」
私は、思わずそう言ってしまいました。
先日、下請け業者の作業を見ていた時のことでした。
何人かの作業者が、作業を行っていたのですが、その中の1人にまだ若い人がいました。
今の会社に入って1年くらいの、若手です。
まだ必要資格も持っていないこともあり、作業内容は雑用や他の作業者の手伝いなどが主でした。
とてもハキハキしていて、こまめに動き、真面目に仕事をします。
一生懸命に動く姿は、非常に好感の持てる青年です。
しかし、あれやこれやと、次のことに目が移るのか、何かをやれば、やりっ放しという状態でした。
例えば、脚立を使ったら、その場で置きっぱなしで、次の仕事にとりかかる。
ペンキを塗ったら、ペンキ缶と刷毛をその場で置いたままにする。
片付けをしていて、ゴミを一箇所にまとめたら、捨てずにその場に置いておくなど。
それが、通路上にあったりするので、他の人の作業のじゃまになったりするのです。
私も気がついたら、片付けたりしていたのですが、あまりに多いので、冒頭の言葉になりました。
性格的に片付けられないという人もいます。
最近では、汚部屋という言葉あるくらい、部屋の中に荷物やゴミが溢れかえり、足の踏み場もないという状態にする人もいるようです。
私も、以前は片付けられない人でした。
さすがに汚部屋とまではいかないですが、床にものがあっても気にならないタイプでした。
しかし、さすがにそれではダメだと思い、片付けるということを意識するようになりました。
とはいえ、まだまだ完璧にとはいきません。
それに、何か1つのことをやっていると、他のことに気を取られ、そちらについ手を出してしまうことも多々あります。
とっ散らかることも多々あります。
そんな時に思い出すのは、ジョジョ4部の虹村形兆。
「CDを聞いたら、きちんとケースにしまう。」
確かこんな感じの台詞があったと思うのですが、これが頭に浮かべ、1つ1つのことをきっちり終わらせることを心がけています。
彼の有り方が、ある種理想になっているのです。
それはさておき、片付ける。掃除する。きれいにする。
これらのことは、事故防止のためには、とても大切なことです。
使った工具や材料、脚立などを置いたままにしていると、足に引っ掛けたり、ぶつけたりすることがあります。
時には、つまづき転倒の原因になります。
転ぶ程度であれば軽傷でしょうが、もし高所の作業床でも同じようにしていると、それが原因で墜落するかもしれません。
さらに、作業床から材料が落ち、下を歩いている人に当たるかもしれません。
ほんのちょっと片付けを後回しにした結果、起こり得る事故なのです。
工場などでは、決められた場所に決められた物を置くことが徹底されます。
もし雑然とした環境であれば、製品に異物が混入したり、部品を紛失したりと品質に影響が出ます。
当然、転倒事故などの安全面でも影響があります。
建設業は、現場ごと、作業ごとなど、全て状況が異なります。
工場とは条件が異なります。
それでも、1つ1つの作業をきっちり終わらせ、片付けることは品質と安全に対して、大切なことなのです。
これをないがしろにしていると、ボルトがしっかり締められていなかったり、ネジが止められていないなど、仕上がりにも影響が出てきます。
やったらやりっ放しにしない。
これは性格の問題ではなく、意識と習慣の問題では無いでしょうか。
私も昔はひどいものでしたが、意識するようになってから、気づくことも増えてきたように思います。
今では、近藤麻理恵さんの著書を参考に、家の片付けもするようになりました。
コンマリさんのときめく片付けはいいですね。
それもさておき、片付けることは、4Sの基本です。
安全活動の最も基礎的なことです。
雑然とした作業場は、事故原因が多くなります。
逆にきちんと片付いている作業場は、事故も少なく、品質も向上します。
私が苦言を呈した彼の一所懸命さは、仕事の質を成長させていくと思います。
片付けの重要性も、その過程で気付き、実行できるものだと思います。
きちんと整然とした作業場にときめきを感じると、そうせざる得なくなると思うんですけどもね。