○ショートストーリー”猫井川ニャンのHH白書”

猫井川、足場材に頭を削られる

entry-215

こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。

犬尾沢と猫井川の今日の仕事は、コンクリートの仕上げ工事に来ました。

コンクリートは打ってから、一定の養生期間をとり、今日は型枠を外していきます。

作業の前に、犬尾沢が猫井川に指示します。

「この一体の型枠を取り外していくからな。
 型枠をとった後は、セパ穴を詰めていってくれ。
 今日は2人で仕事するから、段取りよくやってくぞ。」

はいっと返事をして、猫井川は道具の準備をしていきます。

「猫井川、あとすぐ側で足場を組んでいっているから、気をつけろよ!」

この後の作業のために、今日作業を行う場所をグルッと囲むように、足場組立作業が行われています。

そのため、作業場の周りがごちゃごちゃしています。

「早いこと型枠をばらしていかないと、邪魔になりますね。」

「そうだな。本当はもっと早くに型をバラせたらよかったんだけどな。
 他の現場の都合で、バラすのが遅くなってしまった。
 とりあえず、邪魔にならないようにしていこう。」

そう言うと2人で、ガンガンと型を叩きながら、取り外していきます。

「おい、猫井川!叩くのは型だけにするんだぞ。
 コンクリートを叩くなよ。」

「はい。気をつけます。」

黙々と型枠を外側に叩き、釘を外していきます。
すべて取り外されると、固まったコンクリートが現れました。

「よし、うまく固まったみたいだな。
 それじゃ、セパ穴用のモルタルを準備するから、取り外した型を片付けておいてくれ。」

「はい。」

型枠に使ったコンパネを持ち、猫井川は運んでいきます。

「足場が出来てきてるから、結構歩きづらいな。」

コンクリートの周りにはすでに足場が組み上がってきています。
支柱がいくつも建ち、1層目の作業床も置かれています。

「注意しないと、頭をぶつけそう。」

そんなことを考えながら、コンパネを運んでいきます。

少しガンガンと足場の支柱に、コンパネをぶつけながらも、最初の分を運び終えます。

コンパネを何度目か運んだ時でした。

足場の組まれている場所で、端材を落としてしまいました。

「おっと、いけね。」

猫井川は、落とした端材を拾おうと、片手でコンパネを抱えたまま、しゃがみ込みました。
端材を持ち、上体を起き上がらせた時でした。

ガチーン!

猫井川の耳の側で、びっくりするほど大きな音が鳴り響きました。

「なに?なに!?」

驚いて周りを確認します。

どうやら、足場の一部に頭をぶつけたようでした。
頭はヘルメットを被っていたので、痛みはありませんでしたが、大きな音から察すると、強くぶつけたようでした。

「あぶねー。びっくりした。」

少し驚きはあったものの、猫井川は気にせず、残りのコンパネを運びます。

全ての型枠を運び出してから、犬尾沢の手伝いに戻ります。

「犬尾沢さん、手伝います。」

「おう、それじゃ頼む。
 ・・・て、その頭どうした?」

「え、何がですか??」

「いや、ヘルメット。すごい削れてるぞ。」

「まじですか!?」

そう言うと、猫井川はヘルメットを脱ぎ、確認してみました。

猫井川のヘルメットは、一部がざっくり削れています。

「さっき、足場でぶつけたところですかね。
 何か思ったよりすごいことになってますね。」

「はは、もしヘルメットを被ってなかったら、頭が削れていたな。」

「そ、そうですね。。ヘルメット被っててよかった。。」

犬尾沢の言葉に、ぞっとした猫井川でした。

「ちゃんとヘルメットは被っててよかった。。」

そう思うと、少しあご紐を締め直したのでした。

今回は頭をぶつけてしまうというヒヤリハットですね。

建設工事などでは、ほぼヘルメットを被って仕事します。

そして、そのヘルメットは気づかぬ内に傷がたくさんついていたりします。

それほど頭部に何か接触したり、ぶつけたりすることが多いのです。

ヘルメットは頭部を保護するものです。

足場などでは、縦にも横にもパイプが走っています。
動くたびにどこか体が接触する、頭をぶつけることが多いのです。

注意してもしきれないのが、障害物の多い作業現場なので、ヘルメットは必須ですね。

今回の猫井川のように、思いの外強く衝撃を受けることもあります。

もしヒビが入るほど衝撃を受けた場合、ヘルメットは継続して使ってはいけません。
必ず交換しましょう。

そうでなければ、次に同じような衝撃を受けた時に、ヘルメットは機能しません。

少々もったいない気もしますが、衝撃を受けたら交換が必要です。

それでは、ヒヤリハットをまとめてみます。

ヒヤリハット 足場で頭を強くぶつけた。
対策 1.ヘルメットは必ず着用する。
2.周辺への注意を怠らない。

ヘルメットは、いざという時に頭を守るものです。
きちんとかぶりましょう。

あご紐もきっちり締めないと意味が無いので、注意です。

コメント

  1. 首痛い監督 より:

    足場の規格を高くして欲しい。首のムチウチ、ヘルニアになりそう。

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