厚生労働省労働局長登録教習機関
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家や公共施設では、基礎工事、外壁工事、内装工事など様々な工事があります。
電気工事も重要な仕事の1つです。
今や電気がなければ、生活も仕事もほぼ不可能といえるでしょう。
電気は電柱を通して、家やビル、施設などに引き込まれます。
引きこまれた電気は、照明やコンセントなどに電線をつなげ、通電できるようにします。
これらの電線はどこにつなぐかを間違えてはいけません。
間違えた所につないでしまうと、電気が通った途端にヒューズが飛んだり、機械の故障を招いてしまったりするのです。
電線の接続を確認するために、テスターを使用したループテストなどがあります。
こういった方法で、チェックを行います。
電気を流す前には、チェックが大切です。
とはいえ、仮につなぎ先を間違っていたとしても、本格稼働の前であれば、修正すればいいので、深刻ではありません。
しかしすでに出来上がっている電気設備に対して、修理や改造を行う場合は、すでに稼働しているので、誤った電線の接続が、機械の故障やショートを招いてしまうこともあります。
もっともっと注意し、確認しなければなりません。
ここしばらく現場では、電気工事屋さんと一緒に仕事をしていました。
休憩時間などに、この人に今までどんな事故とか起こしたかを聞いてみました。
今まで、いくつか事故経験があったそうです。
本人は大きな怪我はないようですが、同僚で感電したというのはあるそうです。
この時、聞いた電気の事故をまとめてみたいと思います。
【ケース1】 「間違えたブレーカーを切ってしまった」
つい最近、別の現場で、別の会社が起こしてしまった事故だそうです。
学校の改修工事の一環で、電気工事を行っていた時に起こりました。
停電作業が必要になったため、ブレーカーを切りました。
ところが、切るべきブレーカーを間違えてしまったのです。
ブレーカーには、動力用と照明用があります。
単相、3相の違いがあるのですが、そういったのを省き、極めて簡単に説明すると、次のとおりです。
動力用とは、機械などを動かすためのもので、大きな電圧の電流を流します。
もう一方の照明用は、一般家庭や事務所などで使用される低い電圧の電流が流れます。
名前の通り、照明やパソコンなどは照明用から電気をとっています。
作業の時に、停電しようとしたのは動力側でした。
しかし、実際にブレーカーを切ってしまったのは、照明側でした。
当然、照明は切れる、パソコンは突然オフになるといったことが起こります。
「停電か!?」と、職員の方が走って調べに来たそうです。
突然、電源が切れてしまったので、パソコンに入力中だったデータは消えてしまいました。
強制終了し、保存前のデータが全部消えてしまったという経験は誰しもあるのではないでしょうか?
この停電によって、この減少が引き起こされてしまったのです。
思い込んでしまっていたのか、どのブレーカーを切るかを確認を怠ったがゆえに、起こった事故と言えますね。
【ケース2】 「電線のつなぎを間違えてしまった」
このケースは、本人が引き起こしてしまった事故だそうです。
この事故も新築ではなく、電気の修繕工事で起こったものです。
電気の配線を間違えてしまい、本来機械に流れるはずの大電流が、事務所のコンセントに流れてしまったそうです。
大電流が流れてしまったことで、パソコンが落ちてしまいました。
データが消えたどころではなく、パソコンそのものの調子が悪くなるという被害が出てしまいました。
もう使えなくなったので、パソコンを交換しなければならなくなりました。
最終的には、保険を使うことになったそうです。
ちょっとした確認の怠りが、大きな損害を生み出してしまった事故ですね。
【ケース3】 「電柱工事で感電」
これは会社の同僚に起こった事故で、人的被害が起こりました。
電柱の工事を行っていた時に、材料の一部が電線に近づきすぎたそうです。
電線に近づきすぎると、直接触れていなくとも、電気が流れてくるのです。
材料を通じて、体に電気が流れ、感電してしまいました。
しかし、幸いなことに、電流は心臓を通らず、腕だけを通ったのでした。
強い痛みを感じたのですが、安全帯のお陰で、転落を免れたのでした。
これはの数ミリ、数センチ電気が流れる経路がずれただけで、死に至ったはずです。
近くに電線がある場合は、接触だけでなく、近づき過ぎないこと、絶縁用防具や保護具などを着用するなどの対策が必要です。
慣れた作業員だったそうですが、慣れが事故の背景にあったのかもしれません。
今回、現場で聞けた事故については以上ですが、ヒヤリハットなども含めればたくさんありそうです。
仕事を続けていくと、多かれ少なかれ事故を経験します。
軽微なものが多いのですが、時として大きな事故になることもあります。
事故を招く原因の1つに、確認不足ということがあります。
確認不足については、ヒューマンエラーといいでしょう。
ほんの少し確認の時間を取るだけで、大きな被害を防ぐことになるのです。
慣れれば慣れるほど、思い込みが強くなります。
自分だけではなく、他の人とも確認するダブルチェックも有用でしょう。
完全にミスを防ぐことはできないでしょうが、少し確認しなければという意識を持つだけでも、ずいぶん事故防止に役立ちます。
作業者同士の会話の中で、こんな事故があったやヒヤリハットがあったなどの話題があると思います。
できれば、それを会話のネタだけですますのではなく、どうして防ぐかも考えられるといいですね。
次に同じような事故を起こさないためには、どうしたらいいかという反省と改善は、事故防止には重要な事ではないでしょうか。