○安衛法と仲良くなる製造機械・工作機械

機械による危険の防止 共通一般その2

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機械共通の安全対策や危険防止対策の続きです。

工場などの加工用機械では、物を加工します。
加工の方法は、品物や工程によって様々ですが、多くの場合は、切る、伸ばす、穴を開ける、曲げる、絞るなどを、精密に行っていく事が多いでしょう。

とても大きなものから、小さなものまで部品によって行うわけですが、その力は人に力を遥かに越えます。

材料の加工を行う場合、切りくずや端材などが出てしまいます。
それらの端材などは、別途集められる、別ルートに流れていくなどの取り扱われ方をしますが、早く力強い機械のことなので、時として飛び散ることもあるでしょう。

小さな切れ端といえども、そんなものが勢いよく飛んできたら、近くで作業している人は危ないですよね。

そういった、機械加工時の安全対策についても、安衛則でまとめれらていますので、まとめていきます。

【安衛則】

(加工物等の飛来による危険の防止)
第105条
事業者は、加工物等が切断し、又は欠損して飛来することに
より労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、
当該加工物等を飛散させる機械に覆い又は囲いを
設けなければならない。
ただし、覆い又は囲いを設けることが作業の性質上困難な
場合において、労働者に保護具を使用させたときは、
この限りでない。

2 労働者は、前項ただし書の場合において、保護具の
  使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

加工品の一部が何かの拍子で欠けたりし、その一部が作業者に飛んでくると危険ですね。
加工品が飛んでくることを防ぐため、囲いや覆いを設けなければなりません。

何かの危険がある場合は、囲いや覆いでガードすることが原則ですね。

しかし作業スペースが非常に狭く、囲いや覆いが付けられない場合や、性質上中を見なければならないので、覆いを付ける訳にはいかないという場合もあります。

そういった場合は、囲いや覆いを付ける代わりに、作業者に保護具を着用させます。
ヘルメットやゴーグルなど、危険に応じた対策をしなければなりません。

(切削屑の飛来等による危険の防止)
第106条
事業者は、切削屑が飛来すること等により労働者に危険を
及ぼすおそれのあるときは、当該切削屑を生ずる機械に
覆い又は囲いを設けなければならない。
ただし、覆い又は囲いを設けることが作業の
性質上困難な場合において、労働者に保護具を
使用させたときは、この限りでない。

2 労働者は、前項ただし書の場合において、保護具の
  使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

こちらも似たような状況ですが、加工品そのものではなく、切断用機械の場合、切りくずが飛び散ることもあります。

切りくず等が飛んで、作業者に当たることを防ぐために、囲いや覆いを設けなければなりません。
ただし、囲いや覆いをつけることが困難な場合は、作業者に保護具を着用させます。

(掃除等の場合の運転停止等)
第107条
事業者は、機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、
修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に
危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を
停止しなければならない。ただし、機械の運転中に
作業を行わなければならない場合において、危険な箇所に
覆いを設ける等の措置を講じたときは、この限りでない。

2 事業者は、前項の規定により機械の運転を停止したときは、
  当該機械の起動装置に錠を掛け、当該機械の起動装置に
  表示板を取り付ける等同項の作業に従事する労働者以外の
  者が当該機械を運転することを防止するための措置を
  講じなければならない。

車を毎日乗っていると、汚れてきますよね。
燃料も減りますし、タイヤも磨り減ります。
そしてエンジンオイルも劣化してきます。
長く車と付き合うためには、洗車やパーツ交換、オイル交換が欠かせません。
そういったメンテナンスを行うことが大切です。

工場の加工用機械も使えば使うほど、加工くずやほこりなどで汚れてきます。
またあちこちのグリスも劣化したり、汚れたりして、スムーズに動きができないようになります。

機械は時々メンテナンスをしてあげ、状態を維持してあげなければならないのです。

機械の掃除や給油、検査、修理、調整を行う場合は、機械を停止させた上で行わなければなりません。
ただし、運転中に行わなければならない場合の例外措置もあります。
その場合は、回転している部分など危険な箇所に覆いなどを設けます。

機械を停止して、メンテナンスを行っている時に、注意しなければならないことがあります。
それは、別の人が、メンテナンスをやっていることを知らず、スイッチを入れてしまうことです。

機械の中に入り込んでいる時に、スイッチを入れられると怖いですよね。

そのため、作業中には第三者がスイッチを入れることを防止しなければなりません。
具体的には、スイッチ部に鍵を掛ける、「作業中につき、スイッチをいれないで下さい」といった掲示をする、または監視人を立てるなどです。

機械のメンテナンス中は、機械に接触しますので、注意が必要なんですね。

(刃部のそうじ等の場合の運転停止等)
第108条
事業者は、機械の刃部のそうじ、検査、修理、取替え
又は調整の作業を行なうときは、機械の運転を
停止しなければならない。
ただし、機械の構造上労働者に危険を及ぼすおそれのない
ときは、この限りでない。

2 事業者は、前項の規定により機械の運転を停止したときは、
  当該機械の起動装置に錠をかけ、当該機械の起動装置に
  表示板を取り付ける等同項の作業に従事する労働者以外の
  者が当該機械を運転することを防止するための措置を
  講じなければならない。

3 事業者は、運転中の機械の刃部において切粉払いをし、
  又は切削剤を使用するときは、労働者にブラシ
  その他の適当な用具を使用させなければならない。

4 労働者は、前項の用具の使用を命じられたときは、
  これを使用しなければならない。

機械の清掃、点検などで、刃部の時は、別で条文を設けられています。
刃部というのは、物を切ったり、穴を開けたりするものです。

機械の刃部の清掃、検査、修理、取替、調整を行う場合は、機械を停止させなければなりません。

ただし刃部が完全に隠れており、作動中であっても、危険がない場合は、止めなくても構いません。

とはいえ、刃部を直接手で触ると危険極まりありません。
そのため、作動中の刃部の掃除を行う場合は、必ず専用の治具や用具を用います。

刃部の作業中でも、第三者が知らずにスイッチを入れることを防ぎます。
こちらも同様に、スイッチ部に鍵を掛ける、掲示する、監視人を立てるなどの方法があります。

機械はメンテナンスが必要です。
メンテナンスの時は、直接機械に触れます。

直接機械に触れる時は、機械に巻き込まれる危険性が高まります。

機械を停止することは、危険そのものを除いてしまうことといえます。

メンテナンス時の原則は、機械を止めることです。
どうしても、止められない場合は、確実に安全に作業できる方法を取らなければなりません。

機械の取り扱いは、慎重にすること。
これが危険防止のために重要なことと言えますね。

まとめ。

【安衛則】

第105条
加工物等の切断、欠損したものが飛来して、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、覆いや囲いを設けなければならない。
第106条
切削屑が飛来すること等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、覆い又は囲いを設けなければならない。
第107条
機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止させなければならない。
第108条
機械の刃部のそうじ、検査、修理、取替え又は調整の作業を行なうときは、機械の運転を停止しなければならない。