○安衛法と仲良くなる製造機械・工作機械

木材加工機械の安全。

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建築材料や、日用品などで、木材は多く使われます。

杉やヒノキは、優れた建築資材ですので、日本全国の山で植えられ、何十年か経つと伐採されます。

安い輸入木材に圧され、日本では林業は斜陽傾向にありますが、木材そのものの需要は低くありません。

木材は、原木そのままで使えません。
適切な大きさに加工し、様々な用途に使えるようにしなければなりません。

木材は、主に切る、表面を削るなどの加工を行います。

木材加工用機械とは、原木や原材料を加工するものです。
自動で加工するものもあれば、人が手をかけるものもあります。

多くの機械は、刃物を備えています。

そのため、取り扱い方を誤れば、大怪我になります。

今回より木材加工用機械の条文をまとめていきます。

【安衛則】

第3節 木材加工用機械

(丸のこ盤の反ぱつ予防装置)
第122条
事業者は、木材加工用丸のこ盤(横切用丸のこ盤その他
反ぱつにより労働者に危険を及ぼすおそれのないものを除く。)には、
割刃その他の反ぱつ予防装置を設けなければならない。

木材加工用の機械として、最もイメージしやすいものは、丸のこ盤ではないでしょうか。

丸のこ盤とは、作業台に円形の刃物が取り付けられており、この刃が高速回転します。
この刃に木材を当てて、切断するものです。

自動的に木材を送り出すものもあれば、作業者が手で押し出すものもあります。

特に手で押し出す場合に注意しなければならないことがあります。
それは木材の反ぱつです。

反ぱつとは、木材が羽の回転で跳ね上げられてしまうことです。
特に木材と刃が接触する瞬間に多いようです。

跳ね上がった木材が、あたってしまうこともあり、作業者に危険を及ぼします。

木材の半ぱつを防ぐため、丸のこ盤には割刃などの反ぱつ予防装置を設けなければなりません。

割刃とは、回転する刃を覆うカバーのようなものです。
仮に木材が跳ね上げられたとしても、カバーが押さえつけ、持ち上がるのを防ぐのです。

反ぱつ予防装置は、丸のこの直径によって、異なります。

61センチ未満の丸のこであれば、鎌形式となりますが、61センチ以上の刃となると懸垂式の反ぱつ予防装置になります。

鎌形式とは、丸のこを覆うようにカマのようなカバーで覆うものです。
これは固定されています。

懸垂式とは、カバーを上から覆いかぶせるようなものです。
可動式になっています。

反ぱつ予防装置ですが、作業者に害を及ぼさない木材を自動で送り出すタイプや横引きタイプは、不要です。

(丸のこ盤の歯の接触予防装置)
第123条
事業者は、木材加工用丸のこ盤(製材用丸のこ盤及び
自動送り装置を有する丸のこ盤を除く。)には、
歯の接触予防装置を設けなければならない。

丸のこ盤は、高速で刃が回転するのですから、うっかり触ってしまうと大怪我になります。

作業中、うっかりということは避けられません。
そのためには、刃に接触しないような対策が必要です。

丸のこ盤は、回転する刃に接触しないような装置が必要です。

木に接触する必要最小限だけ刃が露出する構造にするのが望ましいのです。

ただし、そもそも刃に人が近づかない、自動で木材を送るような機械には、こういった予防装置は不要になります。

(帯のこ盤の歯及びのこ車の覆い等)
第124条
事業者は、木材加工用帯のこ盤の歯の切断に必要な部分
以外の部分及びのこ車には、覆い又は囲いを
設けなければならない。

木材を切断するのは、丸のこ盤だけではありません。
丸のこ盤以外にも、帯状ののこを使った、帯のこというものもあります。

帯のこは、側面に刃をつけ、これが高速で往復することで、木材を切断します。
ちょうど、手でのこぎりを使って切るのと同じです。

当然ですが、高速で往復する刃に接触すると危険です。

帯のこ盤なども、切断に必要な部分以外は覆いや囲いを設け、接触しないようにしなければなりません。

のこ車というのは、調べてみたのですが、いまいちよく分かりませんでしたので、割愛します。

(帯のこ盤の送りローラーの覆い等)
第125条
事業者は、木材加工用帯のこ盤のスパイクつき送りローラー
又はのこ歯形送りローラーには、送り側を除いて、
接触予防装置又は覆いを設けなければならない。
ただし、作業者がスパイクつき送りローラー
又はのこ歯形送りローラーを停止することができる
急停止装置が設けられているものについては、この限りでない。

帯のこ盤は、木材を手で押し、刃に当て、木材を切断します。

木材を送り出す、前に押し出すためには、台の上にローラーなどが備わり、送り出す力を軽減します。

送り出しローラーには、木材をしっかり掴むようにスパイクが付きのものも少なくありません。

このようなスパイクに体が触れると危険なので、送り側を除いて、接触予防装置を備えなければなりません。

送り側を除くのは、そこから、木材の入口になるからです。
入口も覆ってしまうと、加工そのものができなくなりますからね。

この覆いは、例外として設けなくてもよい時もあります。
その例外とは、緊急停止装置が備わっている場合です。

もし作業者が危険を感じたら、すぐに緊急停止ができるのであれば、覆いや囲いはなくても構わないということです。

木材加工のための機械は、切断するものが多いです。
切断は、鋭く尖った刃を使います。

刃に体の一部が触れると、危険この上なしです。
刃と体には、遮るものが必要なのです。

そのための覆いや囲い、カバーです。

危険な箇所は覆う。

これが機械の原則と言えますね。

まとめ。

【安衛則】

第122条
木材加工用丸のこ盤には、割刃その他の反ぱつ予防装置を設けなければならない。
第123条
木材加工用丸のこ盤には、歯の接触予防装置を設けなければならない。
第124条
木材加工用帯のこ盤の歯の切断に必要な部分以外の部分及びのこ車には、覆い又は囲いを設けなければならない。
第125条
木材加工用帯のこ盤のスパイクつき送りローラー等には、送り側を除いて、接触予防装置又は覆いを設けなければならない。