○安衛法と仲良くなるクレーン作業

クレーンの安全その15。クレーンの臨時点検と点検後の扱い

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クレーンをいつも正常な状態で使えるようにするためには、点検が大事です。

点検は毎年1回、毎月1回というサイクルで行なうものと、作業前に行なうものがあります。

クレーンの定期点検については、こちら。

クレーンの安全その14。クレーンの定期点検と日常点検

点検は、これだけでありません。 臨時に行わなければならないものもあります。

また点検もただ行えばよいかというと、そうでもありません。

点検後にもあれやこれやと行う必要があります。

クレーンにかぎらず、機械を使用する時には、色々必要になるのです。

今回は、クレーンの臨時点検と点検した後に必要になることについて、まとめます。

index_arrow 悪天候後の臨時点検

【クレーン等安全規則】

(暴風後等の点検)
第37条
事業者は、屋外に設置されているクレーンを用いて
瞬間風速が毎秒30メートルをこえる風が吹いた後に
作業を行なうとき、又はクレーンを用いて中震以上の
震度の地震の後に作業を行なうときは、
あらかじめ、クレーンの各部分の異常の有無に
ついて点検を行なわなければならない。

クレーンは、悪天候、特に風が強い時には作業を中止しなければなりません。

クレーンの安全 その12。悪天候時は使用禁止

台風の時の強い風は、場合によってはクレーンを動かすほどの力を発揮します。
風に流されないように固定はするものの、ワイヤーが千切れたりなど、破損することもあります。

また地震もクレーンにダメージを与える可能性があります。
地上に固定されているクレーンであれば、基礎の部分が割れてしまったりします。
天井クレーンも、揺らされてしまい、レールからズレてしまうことも考えられます。

暴風や地震がの後、作業を行う時は、異常がないか点検しなければなりません。

破損していたり、異常があるままで作業をしてしまうと、事故になる可能性があります。

なお暴風の目安は、毎秒30メートル以上です。
地震は中震以上、つまり震度5以上が目安になります。

相当大きめの天災の後には、必ず点検して、異常箇所をチェックします。

index_arrow 点検記録の作成と保管
(自主検査等の記録)
第38条
 事業者は、この節に定める自主検査及び点検
(第36条の点検を除く。)の結果を記録し、
これを3年間保存しなければならない。

自主検査の結果は記録に残し、3年間は保管しなければなりません。

年1回、月1回の自主検査は、実際にやったとしても、何の記録もなければ、後から確認できません。
また故障箇所や、異常があった箇所は、以降のメンテでも特に注意しなければなりません。
そのためには記録を見直すことも必要になります。

記録を残すのは、年次自主点検と月次自主点検、暴風地震後の臨時点検の記録です。
作業前の点検は対象になっていません。
とはいえ、事業所によっては、作業前点検の記録も残しているところもあります。

index_arrow 異常箇所の補修
(補修)
第39条
事業者は、この節に定める自主検査又は点検を行なった
場合において、異常を認めたときは、直ちに
補修しなければならない。

点検で異常を発見した場合、どうしたらよいのか。

当然ですが、放置はなしです。

自主検査や点検で異常箇所を発見したら、直ちに補修しなければなりません。

特に、安全装置やワイヤー、ブレーキなど重要な箇所については、異常のまま使うと事故につながりかねません。
塗装が剥がれているとか、少しサビが出ている程度であれば、何かの機会にまとめて補修でも構わないと思いますが。

過負荷防止装置や巻過防止装置などの安全装置は、なくてもクレーン作業は可能です。
しかしこれらの機能が失われていると、危険作業にストップがかからなくなります。

主動作に影響がないから、故障が放置され、使い続ける。
そして、ある日事故になるというケースは、案外少なくありません。

異常箇所、特に重要な部分は、いち早く対応することが、安全対策になります。

index_arrow 条文の要約

【クレーン等安全規則】

第37条
瞬間風速が毎秒30メートルをこえる風が吹いた後に作業を行なうとき、中震以上の震度の地震の後に作業を行なうときは、クレーンの各部分の点検を行なわなければならない。
第38条
自主検査及び点検の結果を記録し、3年間保存しなければならない。
第39条
自主検査又は点検を行なった場合において、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。