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今年の夏は猛暑になるとか。熱中症の備えは大丈夫?

entry-317今年(平成27年)の5月は、暑い日が続きましたね。

都心では、25℃以上の夏日が、19日もあったとか。
30℃を超えた日も1日や2日ではありません。

「都心、5月の「夏日」最多の19回 2日連続30度超」(日経新聞 平成27年2月25日)

都心だけでなく、全国的に暑い日が続きました。

そこで気になるのが、今年の夏の暑さはどうなのかということです。

index_arrow 今年の夏はどうなるの?

少し前の記事ですが、こんな記事を見ました。

今年は地球的に過去最高の暑さになりそう、と米国NOAAが発表

こちらが、NOAAの元記事です。

どうやら、エル・ニーニョ現象により、熱が大気に供給されているとか。
地球規模で、過去最高の暑さ!?

うへぇ~、うんざりする記事です。

地球規模では、こんな予測が立っていますが、日本ではどうでしょうか?

今年の2月では、こんな予測が立てられていました。

今年の夏はどうなる?! 暖候期予報(日本気象協会・平成27年2月25日)

北海道から東北にかけては、普段並
関東北陸東海は、かなり暑い
関西より西は、普段より暑い

全国的に、普段の年より暑くなる傾向にあるそうです。

現時点(平成27年6月)の時点での、3ヶ月予報でも、暑くなりそうな予報。

予想される向こう3ヶ月の天候(2015年6月~)(日本気象協会)

NOAAが言う過去最高の暑さかどうかは分かりませんが、今年の夏も相変わらず暑くなりそうです。

さらに去年(平成26年)は比較的涼しい夏だったと記憶しています。
雨が多く、それに伴う豪雨災害で各地が被害を受けました。

暑いのと雨が多いのと、どちらの方がいいというのはありません。
できれば、ほどほどにしていただきたい。

index_arrow 夏の敵は、熱中症

ここ何年も熱中症の危険について、よく耳にします。

毎年のように、労災で熱中症により、約30人くらいの方が亡くなっています。

環境省や厚生労働省でも、熱中症の対策ページを立ち上げています。

環境省・熱中症予防上方サイト

厚生労働省・熱中症予防のために

熱中症の怖さや、なぜそんな症状を引き起こすのかについて、知らない人のほうが少ないでしょう。

それでも、かかってしまうのが、熱中症の恐ろしいところです。

何度も耳にし、目にしているでしょうが、改めて熱中症対策をまとめてみます。

重要なポイントは、3つです。

1.何よりも情報が大事。

2.対策は準備することから

3.発症した後は、油断するな。

index_arrow 熱中症対策ポイント1。何よりも情報が大事

熱中症にかかってしまう時は、暑い日です。
夏になると、ほぼ毎日が危険日ですね。

しかし油断してはいけないのが、5月や6月と言った初夏の時期です。

この時期は、体が暑さに慣れていません。 また熱中症に対しても、しっかり心構えができていません。

8月のお盆前、朝から30℃近くまで気温が上昇しているのであれば、気をつけなきゃと思います。
しかし朝晩はやや過ごしやすいという日は、まさか熱中症にかかるなんて思わないものです。

6月の梅雨の時期でも、熱中症になります。
とはいえ、毎日じゃないですけどね。

また夏の真っ盛りであっても、仕事をやらないということは、不可能です。
工場や倉庫もですが、建設業であれば炎天下の中で仕事をする必要もあります。

初夏から初秋にかけては、熱中症になりやすいのです。

倒れる前には、準備が必要です。
準備のためには、まずは危険の有無を確認しなければなりません。

熱中症危険の指標としては、WBGT値というものがあります。
WBGTとは、湿球黒球温度計というもので計測します。
この温度計は特殊で、温度湿度計に黒い球がついています。

この湿球黒球温度計は何を測るかというと、温度、湿度はもちろん輻射熱、気流なども総合して値を出します。
この値がWBGT値というのですが、一定以上になると、屋外作業禁止という目安になるのです。

湿球黒球温度計は市販されているのですが、値段が結構、高いです。
熱中症計として、安価なものもありますが、これは黒球がないものです。
作業範囲が限られているならば、購入するのもありですが、建設業のように現場がいくつもある仕事では、複数購入というわけにもいかないですね。

湿球黒球温度計がなければ、危険度は測れないか。

もちろん、そんなことはありません。

今は、スマホのアプリでもWBGT値を測ることができます。
また市町村単位や地域単位でも、熱中症危険情報を得ることができます。

仕事の前や途中では、スマホでチェックです。

午後の暑い時間帯、WBGT値を見てみると、屋外作業禁止とか警報が出てることもあるでしょう。 しかし仕事の手を止める訳にはいかないかもしれません。

そのような場合は、別の手をとりましょう。
休憩を1時間に1回から40分に1回の頻度にする、15分おきに水分と塩分を摂らせる、30分に1回は濡れタオルなどで体を冷やすなどで、作業者の体を気遣うことはできるはず。

何をするにしても、まずは情報を得ることからです。

index_arrow 熱中症対策ポイント2。対策は準備することから

熱中症対策は、起こったらどうするではなく、起こらないようにすることが大事です。
つまり、しっかり備えて、予防です。

予防には、主にこんなものがあります。

1.水分
2.塩飴など塩分
3.日陰や涼しい休憩所
4.冷たいお絞りなど体を冷やすグッズ

だいたい、毎年目にしたり、耳にしたりするもので、知っているのではないでしょうか。

これらは作業の時に必要な準備です。

しかし熱中症の備えは、これだけではありません。
事業者としても、各作業者としても、備えなければならないこともあります。

まず事業者が行わなければならないこと。

1.作業時間、休憩の時間、水分補給の頻度などのルールを決める
2.熱中症発症後の処置方法

作業時間や休憩時間などは、各作業員の裁量で、決めれらません。
1時間につき10分休憩する、水分は20分に1回摂るなどのルールを決めてあげると、作業者は従うことができます。

ただ、こまめに休憩を取るんだぞといっても、作業者は分かりません。
こまめってどれくらい?となります。
具体的な目安を与えることは、大切です。

熱中症が発症した場合の取り決めも大事です。
現場で処置した後、病院で診察を受けるといったことも、決めておくといいでしょう。
自発的に受信しようという人は、ごく少数です。
事業者として受診をルール化するのが、後々大事にならずにすみます。

作業者、個人個人で備えなければならないことは、体調管理です。
寝不足、深酒、夏バテ、食欲減退はなどは、体力を奪い、熱中症にかかりやすくなります。

日常生活を、なるべく健やかにするのが、一番の熱中症対策になります。

index_arrow 熱中症対策ポイント3。発症後も油断するな

どんなに備えをしていても、熱中症によって倒れる時は倒れます。
こればっかりは、頑張りようがありません。

熱中症を発症したら、ケアが大事。
ケアには3段階あります。

最初の段階は、初期症状でのケア。

熱中症の初期段階では、様々な症状が出ます。
例えば、汗の量が減る、足元がふらつく、言動が怪しくなるなどです。
本人は大丈夫と思っていても、明らかにおかしいと思ったら、すぐに休憩させるなどします。
つまり、症状が重くならないためのケアです。

次の段階は、熱中症発症時のケア。

へたり込んだり、明らかに熱中症になっていると思われたら、すぐに日陰などに避難させ、休憩させます。
同時に体を冷やします。

熱中症は、時間が経てば経つほど、体内に熱がたまり、危険になります。
迅速な対応が求められる段階です。

その場でのケアが終わったら、次の段階。
これは、休憩をとらせ、体を冷やすなどの処置をとった後のケアです。

意識を失うなど重い症状があるならば、迷うことなく救急車を呼びます。
車で運んだ方が早いと判断した場合でも、必ず119に一報を入れておくと、病院の受入もスムーズに進みます。

症状は重い物の、救急車で運ばれるなどは、まだいいのです。

問題は、しばらく休んでいたら回復したので、自力で帰宅する場合。
じつはこれが一番怖い。

回復したので、病院に行くこともありません。
しかし症状は体内で進行し、夜中眠っている間に亡くなってしまう。
ということも、毎年何件もあります。

これってかなり怖いですよね。

一度熱中症を発症したら、必ず病院で診察してもらいましょう。
軽い症状だから大丈夫と、自己判断は禁物です。
そんなのは所詮、素人判断です。 命に関わる判断なのですから、医師に任せましょう。

対策2でも書きましたが、事業者としては、熱中症発症後は、必ず診断を受けさせましょう。
これをルール化して、作業者に徹底させれば、夜中に亡くなるリスクが減らせます。

熱中症は、早めに準備するのが大事です。
特に6月などは、体が慣れていないので、準備が怠ってしまいます。

熱中症対策と紫外線対策はセットで行うのがよいでしょう。

昨年の夏、社内での安全教育用に、こんな資料を作りましたので、最後に紹介しておきます。

熱中症予防このPDF版はこっちです。
熱中症予防

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