厚生労働省労働局長登録教習機関
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以前の記事では、4Sをやろうとか、5Sをやろうと書いてきました。
私の会社でも、やろうとしてきました。
4Sは安全と品質向上、そして思いやりの活動
4SにプラスされるSは、いわば思いやりの精神です。
4S?5S?8S!?・・・まずはできることからコツコツと
結果。
難しかった。 はっきり言うと、無理そうです。
どうも、浸透しません。徹底されません。
ただのスローガンにしかなりませんでした。
これじゃ「安全第一」と掲げているだけのところと同じです。
誤解がないように言うと、どの会社でも無理というわけではありません。
すでに実現されている会社も多数あります。
ただそれは、トップの意志が強く、全員にしつこく徹底したことがあります。
もしくは、もともとそういう風土を持った会社ならすんなり実施できます。
傾向としては、リコーの例も挙げたように、大企業の方が多いんかなと。
これは中小に身を置く、偏見でしょうが。 (うちの会社はどうも緩すぎです。)
ともかく、今まで何もやっていないのに、いきなり4Sだの5Sだのは難しいと知りました。
やるべきことだと、いきなり多くの課題を目の間に積まれると、うんざりして手を付けないのでは。
夏休み最終日に、全く手付かずの宿題を目の前にしたら、どうしたものかと悩みますよね。 それに似た心持ちがします。
急ぎ過ぎはダメみたいです。 恋と同じで、ステップを踏まないと。
低いステップを1つずつ登る |
いきなり4Sや、5Sを導入した所で、立ち消えになるのはよく分かりました。
しかし、作業場の環境を整えることは、重要だということは誰しも理解しているはず。
近藤麻理恵さんのおっしゃるように、「ときめき」を持たせなければ、何ともならないのかもしれません。
ところが、この場合の「ときめき」とは何か、分かりません。 また、男臭い職場に、ただ「ときめく」かどうかを判断基準にしてもピンと来ないのが正直な所です。
さて、どうしたものか。
ところで、徹底したムダを省き、効率化を図っているトヨタでは、5Sが徹底されているのはもちろんですが、特に重視しているのは2Sだそうです。
2Sとは、「整理」と「整頓」。
これらの言葉は、小学生でも耳にしてたことがあるはず。
この2つをきちんとすることから、始めるのが良いのではないでしょうか。
少し前の私もそうだったのですが、「整理」と「整頓」は、セットにされることが多いですよね。
それぞれ意味が異なるのですが、きちんと区別されていますでしょうか?
案外、ごちゃごちゃに理解してることも多いのでは。
「整理」と「整頓」について、明確にします。
「整理」・・・身の回りのムダなものや不要なものを処分する。
「整頓」・・・どこに何があるがあるのかがすぐ分かり、取り出しやすいように収納する。
こう並べると、意味が違うことがわかりますね。
「整理」「整頓」の効果は、ムダをなくすことにあります。
どんなムダかというと、要らないものがあること、必要な物が見つからず探すことなどです。
掃除もこまめにしてるから、ムダなんてないよ。
そう仰るかもしれません。 しかし、本当にそうでしょうか?
目を家の中に向けてみましょう。
クローゼットの中にある服ですが、もしかして着る服が固定してませんか?
中には、買ったものの着てない服はありませんか?
ハンガーばかり増えてませんか?
本棚に詰まっている本ですが、2度目を読んだりしますか?
DVDやBRは、2度3度見返しますか?
1度クリアしたゲームは、またやりますか?
古いパソコンが残ってたりしませんか?
キッチンには、使わない調味料はありませんか?
家族の人数以上に、また使わない食器がたくさんあったりしませんか?
冷蔵庫の中には、賞味期限が過ぎた食べ物はありませんか?
その他、勢いで買ったものの、扱いに困っているものはありませんか?
全てムダとはいいません。 思い入れがあるものも多数あるでしょうし。
しかし、スペースを占有しているのも事実じゃないでしょうか。
近藤麻理恵さんなら、これらを一度手にとって「ときめく」かどうかを基準に、処分したりするわけです。
捨てるのではなく、感謝の気持を持ってさよならするわけですね。
人一人が生活するだけでも、整理するものがあります。
では、仕事場ではどうか?
仕事では、自分だけでなく共用する部分がたくさんあります。
勝手に整理するわけにもいかないでしょう。
そこで、まずは自分の身の回りから「整理」「整頓」を実施することから始めようと、社内キャンペーンを始めました。
社内キャンペーン始めます。 |
自分の身の回りのことから「整理」「整頓」キャンペーンを始めます。
身の回りというと、どんなところからでしょうか。
まずは、机の上、引き出しの中、よく使う棚、社用車の中、使う道具などからスタートです。
机の上には不要な書類はないか、ペットボトル等がないようにする。
(机にAKBの写真を貼っている人はいますが、これは残してもOKでしょう。)
引き出しの中の使えなくなったボールペンを捨てる。
なぜホッチキスが何本もあるの?
もう終わった仕事の書類は棚に置かず、書庫に入れるか、捨てる。
車の中の道具で、使わないものは降ろす。吸い殻を捨てる。
腰回りの道具も、よく使うものを見直し、編成し直す。
建設業なので、個人個人が道具を持っています。
これらの見直しと、不要品の処分、取り出しやすいようにしていきます。
なんだ、その程度のことしかやらないのかよ、と思われるかもしれませんが、私の会社はこの程度なのです。
5Sなんて無謀でした。
そして、大事なことは、一度「整理」「整頓」したら、その状態を維持させることです。
少し話は逸れるのですが、私も御多分に洩れず、「ジョジョの奇妙な冒険」が好きです。 特に第4部が好きです。
第4部には、虹村形兆という人物が登場します。
ジョジョ好きな人ならわかると思うのですが、私は彼がスタンドを含め、最も好きです。
私が「整理」「整頓」のことを思う時、彼のことを思い出してしまします。
彼は言います。
「おまえは一枚のCDを聞き終わったら、
キチッとケースにしまってから次のCDをきくだろう?
誰だって、そーする、おれもそーする。」
ジョジョの奇妙な冒険 18~29巻(第4部)セット (集英社文庫―コミック版)18巻より
私もそうします。
昔はまったく「整理」も「整頓」はおろか、ゴミが床に落ちていても気にならなかった私は、どんどん片付けすることに快感を覚え、虹村形兆のこの言葉にいたく共感するようになったのでした。
それはさておき、一度「整理」「整頓」したら、維持することが大事です。
維持するためには、「CDを聞き終えたら、キチッとケースにしまう」ように、出したものは元の場所に戻す。しかも速やかにを徹底しなければなりません。
「整理」「整頓」された状態は、きっと心地よく、ストレスがない状態でしょう。
その状態を維持することが、結果的に怪我などを防ぐことにつながるのです。
安全活動と4S、5Sが結び付けられているのは、散らかった作業場は、危険要素が多くなります。
またその状態を良しとする考えは、危険も見逃してしまうことになりかねないのです。
失敗から学ぶこと。 |
血気盛んに目標を立てたはいいが、現在位置を見ていないと失敗します。
今回の例で言うと、「整理」「整頓」も全然なのに、5Sだのと掲げることですね。
目標だけ高くて、実行が伴わないなら意味がありません。
実現の見込みが無い、目標は意味がありません。
結果として、ただがっかりするで終わってしまいます。
しかし、これもPDCAサイクルの一貫。
再度、現状を見つめ、目標を変更するのもありではないでしょうか。
よく目標を定めたら、絶対に達成するとあります。
それも大事です。
しかし、ただがっかりするだけの結果が見えているならば、少しばかり修正するのも有りではないでしょうか。 当初の目標が間違っていたわけですから。
目標は達成してなんぼです。 5Sは無理だったんだから、2Sの実現を行っていきます。 習慣化なので1年、2年がかりになるでしょうが、地道にやっていこうと思います。
2S、4S、5Sなどについては、こちらの本で勉強しました。
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