厚生労働省労働局長登録教習機関
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ここ数年、夏場雨が降ると、集中豪雨になるんじゃないかと心配になります。
先日も、フェーン現象で新潟や秋田で38℃近くまで高温になったかと思うと、北海道や熊本では大雨に見舞われ、床上浸水などの被害があったそうようです。
台風ならまだしも、それ以外の時でもゲリラ豪雨などで、洪水や土砂崩れなどを引き起こしてしまいます。
非常に困ったものではありますが、防ぎようがないので、何とかしてかなければなりませんよね。
私の会社も10年以上前の台風の時に、床上浸水になり、かなりの量の書類がダメになったことがあります。
私はその時は別の会社だったので、直接体験していないのですが、水が引いた後、しばらく臭かったそうです。
おそらく今年も豪雨災害があります。
しかも、どこで起こっても不思議ではありません。
また、早速台風も近づいているので、雨に対する備えを考えておく必要がありそうです。
大雨が降っている時は逃げること |
豪雨になり、土砂崩れや洪水ともなると、もはやできることはありません。
唯一できることは、安全な場所に避難することです。
最近は、自治体も早めの避難を呼びかけていますが、他人に判断を預けすぎると災害に巻きこまれてしまうこともあります。 避難勧告が出た時には、もはや道が水没して分からないなんてこともあります。
ちょっと危ないかもと思ったら避難する。 それくらいでも、よいかもしれません。
もちろん空振りになることがほとんどでしょうが、万が一がありますからね。
会社も帰宅時間に、大雨が予想される場合は、早めに帰宅させるなどの対応も重要です。 もし帰宅時に水害にあってしまったら、場合によっては事業者の責任も問われることもあります。
従業員の安全を守るのが、会社の使命だということを忘れてはいけません。
浸水に備える |
しかし、お店や工場などであれば、ただ逃げればよいとはいきませんね。
浸水してしまうと大きな被害になり、その後の仕事に多大な影響が出ます。
なるべくなら、水の侵入を防ぎたいですよね。
特にもうすぐ台風が来ると予想されているのであれば、早めに備えをしておくこともできます。
水の侵入を防ぐためにできることは、堤防を作ることです。
入口や玄関の前、シャッターの前などに堤防を作ることで、ある程度の浸水を防ぐことができます。
この堤防作りのために、最も利用されるのが、土のうではないでしょうか。
土のうとは、袋の中に土や砂を詰めたものです。
形を自由に変えることができるので、重ねたり並べたりすると隙間のない壁になります。 工事現場では、川の堰き止めなどでも使われるほど、水の侵入を防ぐのには効果的です。
土のうは確かに効果的ですが、2つ問題があります。
まず、入れる土や砂をどうしたらいいのか、という問題です。
家に砂場がある家などありませんよね。
もう1つの問題は、後の処理です。 土のうを作って、何とか浸水を防げたとします。
残った土のうはどうしたものか。 ごみの日に出せません。処理先がないのです。
土のうは、効果的ですが、準備や使用後の処分が大変です。
じゃあ、土のうに代わる、浸水を防ぐ方法はないのか。
以前ニュース番組を見てて、これだ!というのがありました。
それは、土のうならぬ、「水のう」というものです。
小牧市や名古屋市など一部の自治体でも、水のうを紹介しているようです。
水のうとは、袋の中に土や砂の代わりに、水を詰めたものです。
袋は、土のう袋ではなく、家庭にあるゴミ袋でも使えます。 土はなくとも、水はとりあえず蛇口から出るので、すぐに作れるところもいいところです。
この際、水道代は目をつぶってください。
水のうは、土のうよりも自由に形を変えられるので、よりピタッと堰き止めできます。 また、水が引いた後は、中の水を流せばいいので、後処理も楽です。
いいこと尽くめのようですが、欠点もあります。
ゴミ袋などで作った場合は、強度がないのですぐに破れてしまう恐れがあります。
袋を2重にすると多少は強度は上がりますが、木の枝が流れてきたら、すぐに穴が開いてしまいますね。
水のう専用の袋は強度があるようですが、ゴミ袋程度では何枚重ねてもしれています。
強度を増すために、ダンボールに水のうを入れる方法もあるみたいですので、こんな方法も効果的ですね。
またレジャーシートやブルーシートで、水のうを包んでしまうのも、強度アップに効果的です。
水のうが足りない場合は、木の板などを使い、堰を作ることもできます。
強度は弱いかもしれませんが、少々の水なら防いでくれるはずです。
材料が少ないので、後片付けも楽そうです。
台風により、被害が考えられる場合、工場や店舗では各入り口に水のうの堤防を作る。 備えとしては、こんなことが出来そうですね。
では、建設業の現場ではどんな対策ができるでしょうか。
河川で仕事をしている場合は、ショベルカーなどの機械や材料を岸に上げ、安全な場所まで避難させましょう。
そのまま放置していたら、流されてしまったり、浸水して使いものにならなくなります。 ショベルカーなどは、1台数百万から数千万します。 かなりの被害になりますので、早めに決断し避難をしましょう。
山の裾野などの現場で、土砂崩れのおそれがある場所でも、機械や材料を安全な場所まで避難させましょう。
その他、屋外の現場であれば、資材はブルーシートで覆います。 ブルーシートは杭などでしっかり打ち付けると、風に飛ばされる可能性が低くなります。
何より持って帰れそうなものは、持って換えるのがいいですね。
土木の現場では、現場に砂や砕石を仮置きしていることもあります。
これもしっかりブルーシートで多い、流出を防ぎましょう。 場合によっては、土のうでぐるっと囲いを作るのも効果的です。
ショベルカーなどの内、小型のものも持って帰るのがよいかもしれません。
大型のものは、簡単に持ち出せないので、なるべく高所に置きましょう。 運転室の扉や窓は確実に閉めることを忘れずに。
建築現場で、建物内への浸水を防ぐのは、土のうが使えそうです。
建築現場であれば、土もたくさんあるので、水のうより土のうが使いやすいのではないでしょうか。
これは大雨というより、強風の備えになりますが、倒れたり、風に吹き飛ばされたりするものは固定しましょう。
足場は建物にしっかり繋ぎ止めを行なうか、杭などを打ちたて控えとします。 屋外クレーンも建物に固定しないと、勝手に動いていくこともあります。
豪雨は降りだしてからは、ほとんど何もできません。
大雨が予想されている場合、事前に準備できるかが、被害を小さくする鍵となりそうです。
嵐の後で |
いくばくかの被害を残したしても、必ず大雨は過ぎ去ります。
備えによって多少は被害を小さくすることが出来たとしても、大雨の後はやることがあります。
掃除や片づけはもちろんですが、足場などは被害状況を点検してから出ないと使用してはいけません。
また土止め支保工や型枠支保工も同様に点検を行う必要があります。
掘削現場であれば、地盤の緩みなども点検します。
これらについては、こちらの記事も参考にして下さい。
今年もゲリラ豪雨や台風による被害は避けられません。 雨そのものを防ぐことはできませんが、被害は小さくすることができます。
いかに雨の前に備えができるのか、これにつきます。
最後に、雨の備えをまとめます。
○工場、店舗 水のうを作り、堤防を作る。
○建設現場 河川や山裾の現場では、安全な場所に避難させる。
ブルーシートで材料などを覆い、固定する。
現場に仮置きする砂や砕石は、ブルーシートで覆い流出を防ぐ。
足場やクレーン等倒れたり、風で動いたりするものはしっかり固定する。
夏は大雨が付きものですので、なるべく穏便に付き合いたいものですね。