飛来・落下○安衛法と仲良くなる

地山の崩壊、トンネルの落盤の危険防止。

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建設業、特に土木工事は、自然を相手にする仕事です。

地面を垂直に掘り、山を削り、川の流れを変え、山腹にトンネルを掘ったりします。
人と機械の力で、地形を変える仕事といえます。

しかし、自然の形を急激に変えるのですから、ほころびが生じるのも確かです。
そのほころびは、作業中に土砂崩れという形で襲ってきます。

土木工事は、地山の崩壊や落盤などとの戦いといえます。

崩壊や落盤事故を防ぐための規定は、安衛則にまとめられています。

index_arrow 地山崩壊の防止

【安衛則】

第2節 飛来崩壊災害による危険の防止

(地山の崩壊等による危険の防止)

第534条
事業者は、地山の崩壊又は土石の落下により労働者に危険を
及ぼすおそれのあるときは、当該危険を防止するため、
次の措置を講じなければならない。

1 地山を安全なこう配とし、落下のおそれのある土石を取り除き、
  又は擁壁、土止め支保工等を設けること。

2 地山の崩壊又は土石の落下の原因となる雨水、
  地下水等を排除すること。

地面や山の斜面を掘ると、安定が崩れて土砂崩れが起こりやすくなります。 土砂崩れ以外にも、土に埋もれていた石が土肌に出てきて、落下したりします。

穴の中での作業中、土砂崩れや落石が起こると非常に危険です。

作業中はこれらを防ぎます。

地山の掘削作業で、土砂崩壊を防ぐため、掘削面に適度な勾配をつけるか、土止め支保工を行います。
また崩壊の原因になる、湧水や浮石、き裂などがあれば、穴の中に入る前に取り除きます。

1メートル以内の浅い掘削であれば、これらの措置は不要でしょう。
しかし人の体がすっぽり入るくらいの深さまで掘る場合は、対策が必要です。
土止め支保工設置の目安は、深さ1.5メートル以上になります。

勾配については、安衛則第355条が目安になります。

地山の掘削では、作業前に掘削穴や周りの点検が大事です。
特に雨の後、地震の後に作業に入る時は、点検を入念に行わなければなりません。

index_arrow トンネル工事の時の落盤防磁
(落盤等による危険の防止)

第535条
事業者は、坑内における落盤、肌落ち又は側壁の崩壊により
労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、支保工を設け、
浮石を取り除く等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

トンネルは、山に横穴を開けて作ったり、地下深くを横に掘り進んで作ります。
いずれの場所であっても、確実なのは天井も側壁といった周囲が土に囲まれた環境で作業するとうことです。

このような環境では、天井が落ちる落盤や側壁の崩壊などの危険があります。
地中での作業ですから、落盤が起こると逃げ場所もありません。
これらの危険を防ぐことが大事です。

トンネル工事では、落盤や側壁の崩壊を防ぐために、ずい道支保工を設けなければなりません。
ずい道とはトンネルのことです。
トンネルにはトンネルのための、支保工があるのです。

また土砂崩壊の原因になる、浮石やき裂、湧水などは取り除きます。

トンネル工事も作業前には、必ず点検が必要です。

土木工事での、土砂崩れや落石、落盤などの危険を防ぐためには、土止め支保工が非常に大事です。
都会であれば、広範囲に掘って掘削勾配もつけられない場所も多いので、浅く掘る場合でも、土止め支保工を設けます。

土をいじる仕事は、土を知ることが必要です。
きちんと土を理解して、この危険をコントロールすることが大事です。

index_arrow 条文の要約

【安衛則】

第534条
地山の崩壊又は土石の落下のおそれがある場合は、防止策をとらなければならない。
第535条
坑内における落盤などのおそれのあるときは、支保工を設けるなどの対策をとらなければならない。