厚生労働省労働局長登録教習機関
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格言を使って、安全関係の小話にしていくシリーズです。
朝礼やミーティングなどで、使えたらいいなと思います。
今回は、カーネギー、フランクリン、パスツールの格言です。v いい言葉そろっていますよ。
D・カーネギー の格言 |
命令を質問の形に変えると、気持ちよく受け入れられるばかりか、相手に創造性を発揮させることもある。 |
【解釈】
ただ「保護具をつけろ」、「安全に注意しろ」と命令しても、ハイハイと返事はしても、あまり行動に変化はありません。 |
D・カーネギーは、「人を動かす」などの名著がたくさんありますね。書店で必ずと言っていいほど並んでいるので、見かけたり、読んだ人も多いのではと思います。
このカーネギーの言葉も、なるほどなと思ってしまいますよね。
どんなに強権を発動しても、他人の心を変えることはできません。 命令で従わせても、その場だけのことになります。 人が変わるのは、自分にとって意味があると判断した時です。
もし作業者などに安全活動をさせたいのならば、安全活動が自分たちにとって意味のある、メリットのあることだと分かってもらう必要があります。そして、我が事として、考えてもらうのです。
我が事として、考えもらうためには、どうしたらいいのか。
カーネギーは、「命令を質問に変える」というのです。
誰しも質問を受けると、答えようとします。答えるためには、一度言われたことを受け止めなければなりませんね。
受け止めるということは、まず受け入れること。否定や拒否もあるかもしれませんが、一度は受け止められるのです。
命令だけだと、感情的に拒否感が先立ち、受けてめるどころか、スルーされることもあります。 質問の形にするだけで、相手の受け止め方が大きく異なるのです。
また質問に対して、答えを出そうとするとき、考えますよね。 それが相手に創造性を発揮させることになるのです。
命令や指示を聞いてくれないと嘆くのならば、その命令を質問に変えてみてはいかがでしょうか。
フランクリン の格言 |
起てる農夫は座せる紳士よりも尊い。 |
【解釈】
一番偉いのは、実際に行動する人です。理屈だけをこねている人では、実際に安全を守ることはできません。 |
安全は理屈ではありません。行動と実践によって作られます。
ああした方がいい、こうするべきだなどと言ったところで、行動が伴わなければ、机上の空論てやつにすぎません。
確かに何をやるかを決めるのは大事です。
しかし大事なのは、実際に行うことです。これは現場で作業する人によるものです。
実際に保護具を着ける、指差呼称などを行う人が偉いのです。
もし理屈をつけるならば、実際に行動する人にわかりやすく、意味のあることなのだと理解してもらうことが大切なのです。
パスツール の格言 |
偶然は準備のできていない人を助けない |
【解釈】
事故は、いくつもの条件が重なり、不意に起こります。事故に対する備えがなければ、その事故で大きな被害を受けてしまいます。しっかりとした準備は、身を助けてくれるでしょう。 |
日常的に慣れている作業でも、たまたま悪い条件が重なることで事故が起こります。それは本当に不幸な偶然といえます。
この偶然は、いつ起こるかわかりません。そして誰の身に降りかかるかも予想ができません。
安全活動は、この偶然に備えるものです。 安全帯は、高所でありえないような足の踏み外しで墜落するのを防ぐためのものです。 ヘルメットは、たまたま頭上から物が落ちてきたときに、頭を保護するためのものです。
保護具以外にも、安全装置や点検なども、この偶然の確率を下げるためのものです。
備えあれば憂いなし。これは事故防止についても同じです。
事故を防ぐためには、事故が起こらない日が続いていても安全活動を続けることが大事なのです。