厚生労働省労働局長登録教習機関
北海道・宮城県・岩⼿県・福島県・東京都・⼤阪府・福岡県
金属はリサイクルが進んでいるため、回収された金属くずは、再度溶かされ、製品に生まれ変わります。溶かした金属に、金属くずを加える場合、水分などの不純物が含まれていると、場合によっては火災や爆発の原因になります。
そのため、金属精製のように、溶融高熱物を取り扱う場合は、水の取り扱いが何よりも大事といえます。 金属リサイクル業者も、溶融施設に送る前の分別が重要になるでしょう。
金属くずを溶かす場合の注意についても、安衛則で規定されています。
【安衛則】
(金属溶解炉に金属くずを入れる作業) 第254条 事業者は、金属の溶解炉に金属くずを入れる作業を行なうときは、 水蒸気爆発その他の爆発を防止するため、当該金属くずに水、火薬類、危険物 (令別表第1に掲げる危険物をいう。以下同じ。)、密閉された容器等が はいっていないことを確認した後でなければ、当該作業を行なってはならない。 |
金属くずをリサイクするために、溶鉱炉で溶かす作業の注意です。金属くずはそれまでに何かの製品の一部でした。そのため、不純物が付着していることが多いのです。
不純物で多いのは、プラスティックやゴム等でしょう。ところが中には、溶鉱炉に入れてしまうと危険なものもあります。
その代表が、水、火薬、危険物です。水槽のような容器は、中に水が溜まったままのこともあります。水が入った容器を、気づかないまま溶鉱炉に入れてしまうと、爆発しかねません。
金属くずを溶鉱炉に入れる前には、水や爆発物、危険物が含まれていないことを確認しなければなりません。
容器になっているものは、中に何もないことを確認してから、溶鉱炉に入れましょう。
高熱物、高温物を取り扱う場合、水と接触させないことは大事ですが、それよりも大事なことがありますね。 それは、火傷への注意です。
高熱のものが体の触れると、火傷になります。誰でもわかることかもしれませんが、きちんと理解しておく必要があります。
溶鉱炉などの高熱を取り扱う場合は、高熱物の飛散や流出を防がなければなりません。また作業者には耐熱の保護具を使用させなければなりません。
ほんの1滴の溶融物や火花であっても、触れると服には穴が開き、皮膚を焦がします。体に触れないようにすることが大事なのです。
とはいえ、長年高熱物を取り扱っている人は、皮膚が厚く硬くなっているのか、素手で平然と触る人もいます。私の会社でも、指先の川が象の皮膚のようになって、少々の熱さには平然としています。しかし、これはベテランだからこそのものです。誰でもできるものではありませんので、きちんと保護具を使用させましょう。
高熱物を取り扱う場合は、火傷と爆発に注意しなければなりません。
冷えるからといって、水をかけたりするのは避けます。熱と水は相容れないものといえますね。
まとめ。
【安衛則】
(金属溶解炉に金属くずを入れる作業) 第254条 金属の溶解炉に金属くずを入れる作業を行なうときは、 水蒸気爆発その他の爆発を防止するため、確認しなければならない。 |
第255条 高温を扱う場合は、熱傷を防ぐ措置を執らなければならない。 |