厚生労働省労働局長登録教習機関
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化学物質を取り扱うときは、慎重さを必要とします。注入量を間違えたり、バルブの開閉を誤ったりすると、思わぬ事故を招いてしまいます。
操作するバルブ自体も上部で腐食に強いものにする必要もありますが、操作者が誤解を生まないようにすることがもとめられます。
そのためには、誰が見ても確実に操作を誤らないようにしておく工夫が必要です。
バルブ操作等についても、安衛則で規定されています。
【安衛則】
(バルブ等の開閉方向の表示等) 第271条 事業者は、化学設備のバルブ若しくはコック又はこれらを操作するためのスイッチ、 押しボタン等については、これらの誤操作による爆発又は火災を防止するため、 次の措置を講じなければならない。 1)開閉の方向を表示すること。 2)色分け、形状の区分等を行うこと。 2 前項第2号の措置は、色分けのみによるものであってはならない。 |
化学物質を注入する、配管に流すなどは、バルブやコックの操作で行います。
バルブを電動で開閉するものもありますが、手動で行うものもあります。
バルブは、ハンドルを回して開閉するのですがが、この回転方向は左回りもあれば、右回りもあります。
この開閉方法が曖昧だったり、場所によって左回りと右回りが混在していたら、操作者は混乱し、ご操作につながります。
電動バルブを操作するスイッチも、丸ボタンを押すタイプだったり、コックひねるタイプが混在していると、混乱しますね。
バルブやコックは開閉方向を表示し、取り扱う物質ごとに色や形状を区別します。
バルブには、ボール弁やバタフライ弁などの種類があるので、これらを使い分けたりします。
色分けするのも重要ですが、色分けだけの対処ではダメです。色を塗っているだけだと、剥げてしまったらわかりません。安易な区別で逃げるのではなく、明らかに区別することが大事です。
バルブやコックは、開閉作業によって、流れをせき止めたりします。動きのある設備のなので、単純なパイプに比べ、複雑な構造になっています。また開閉作業によって、使用箇所が摩耗したりもします。バルブやコックは、長年の使用に耐えるものでなければなりません。
バルブは開閉頻度や、物質の温度や濃度に十分耐えられる材質で造らなければなりません。
また、頻繁に取り外すストレーナーなどは、二重に設けなければなりません。
取り外した時に、漏れだすことを防ぐためです。ただし、別途バルブなどで確実に流出をストップできるのであれば、二重にする必要はありません。
(送給原材料の種類等の表示) 第273条 事業者は、化学設備(配管を除く。)に原材料を送給する労働者が当該送給を 誤ることによる爆発又は火災を防止するため、当該労働者が見やすい位置に、 当該原材料の種類、当該送給の対象となる設備その他必要な事項を 表示しなければならない。 |
化学物質を取り扱うときに大事なことは、何を取り扱い、使用上どのような注意が必要なのかを理解する必要があります。
これは、現場ではっきり明示する必要があります。取り扱い方法を間違えると、爆発や火災などの事故を引き起こすこともあります。
化学設備に原材料を送球する場合は、作業者の見やすい位置に材料の種類、どの施設に送るのかなどを表示します。
取り扱い方を誤らせない表示が大事になります。
化学物質は取り扱い方に慎重さを要します。そのため物質の送ったり、止めたりするバルブやコックの使い方に誤解を生まないようにします。
また、今何を取り扱っているのかも、ハッキリと作業者に伝える必要があるのです。
まとめ。
【安衛則】
第271条 化学設備のバルブ若しくはコック又はこれらを操作するためのスイッチ等については、これらの誤操作による爆発又は火災を防止するための措置を講じなければならない。 |
第272条 化学設備のバルブ又はコックについては、耐久性のある材料で造る、二重に設けること等を措置を取らなければならない。 |
第273条 化学設備に原材料を送給で誤操作による爆発を防ぐため、見やすい位置に、原材料の種類、当該送給の対象となる設備その他必要な事項を表示しなければならない。 |