厚生労働省労働局長登録教習機関
北海道・宮城県・岩⼿県・福島県・東京都・⼤阪府・福岡県
化学設備は、取り扱い物質の漏えいや火災、爆発などを防ぐために、日々監視しなければなりません。
もし緊急事態が起こった場合には、大事故にならないように対処することが必要です。
不測の事態は、いつどんな事が起こるか想定できません。
準備が必要なのです。
日々の監視や緊急事態に対する備えも、安衛則では規定されています。
【安衛則】
(計測装置の設置) 第273条の2 事業者は、特殊化学設備については、その内部における異常な事態を早期に 把握するために必要な温度計、流量計、圧力計等の計測装置を設けなければならない。 |
設備の異常は、何らかの変化を伴います。その変化は、温度や圧力、流量などで見て取れます。
異常にいち早く気づくためには、これらの状態を常に計測して、チェックする必要があります。
特殊化学設備では、内部の異常を早期に発見するために、温度計、流量計、圧力計などの計測装置を備えなければなりません。
これらの計測設備が故障すると、正確な状態を把握することができないので、常に正常に動くことを確認しなければなりません。
異常な状態は計測装置で監視しますが、常にチェックするのは難しいです。計器から目を離さずいるより、もし異常があった時に、お知らせしてくれる方がいいですね。
異常があった時には、早期に知らせる警報装置を備えなければなりません。
もし警報装置が備えられない場合は、監視人を置きます。
この人には、ずっと状態を監視しておいてもらいます。
異常事態が発生しているのに、原材料や燃料を送り込み続けると、異常を促進させてしまいます。反応を止めるためには、すぐにストップしてやる必要があります。
事態は緊急性を要するので、バルブを手で閉めるなど悠長なことは言ってられません。
一瞬で、原材料の送給をストップするバルブは、緊急しゃ断弁と呼ばれます。
特殊化学設備では、異常事態に対処し、原材料の送給などを止めるため、緊急しゃ断弁を備えなければなりません。緊急しゃ断弁は、いざというときに役に立たないと意味がありませんので、常に正常に作動するよう点検しなければなりません。
不測の事態への対処です。これら対処の設備も大事です。
化学設備は、電気で制御されています。もし停電になると、化学物質の反応が制御できず、異常事態を招きかねません。そのため、停電にも備えておく必要があります。
特殊化学設備と附属設備については、予備動力を備えなければなりません。予備動力のスイッチやバルブは、誤操作を防ぐために、はっきりと区別されていなければなりません。
第271条では、バルブも明確に区別することを義務付けていましたが、これと同じといえます。
電源のオン、オフのスイッチと、その他制御のスイッチは、はっきりと形が違うものにしておきます。燃料を送り込むバルブと、排水ドレンの形状も色もはっきりと区別されている必要があります。
同じ形で、色違いというのではダメです。
化学設備は、日々の管理が大切です。そして、いつ異常事態が起こっても対処できるように準備しておく必要があります。
まとめ。
【安衛則】
第273条の2 特殊化学設備については、その内部の温度計、流量計、圧力計等の計測装置を設けなければならない。 |
第273条の3 特殊化学設備については、その内部における異常な事態を早期には握するために必要な自動警報装置を設けなければならない。 |
第273条の4 特殊化学設備については、異常な事態の発生による爆発又は火災を防止するため、原材料の送給をしや断するなどの装置を設けなければならない。 |
第273条の5 特殊化学設備等の使用する動力源については、予備動力源を備えるなどの措置をとらなければならない。 |