危険物・有害物○安衛法と仲良くなる

化学設備の取り扱いの注意。その5

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どんなに設備の安全性を高めても、時間が経つと壊れますし、劣化してきます。そのため修理する必要が出てきたりします。また製造工程が変わったりすると、改造することも必要になります。

日常的に行われる作業では、よっぽどのことがなければ事故は起こりません。しかしいつもと違う作業の時は、慣れていないので事故が起こりやすくなります。

いつもと違う作業の時は、慎重さが必要になります。

安衛則でも、いつもとは違う作業、非定常作業の時についても規定しています。

【安衛則】

(改造、修理等)
第275条
事業者は、化学設備又はその附属設備の改造、修理、清掃等を行う場合において、
これらの設備を分解する作業を行い、又はこれらの設備の内部で作業を行うときは、
次に定めるところによらなければならない。

  1)当該作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これを関係労働者に周知させること。

  2)当該作業の指揮者を定め、その者に当該作業を指揮させること。

  3)作業箇所に危険物等が漏えいし、又は高温の水蒸気等が逸出しないように、
   バルブ若しくはコックを二重に閉止し、又はバルブ若しくはコックを閉止するとともに
   閉止板等を施すこと。

  4)前号のバルブ、コック又は閉止板等に施錠し、これらを開放してはならない旨を表示し、
   又は監視人を置くこと。

  5)第3号の閉止板等を取り外す場合において、危険物等又は高温の水蒸気等が流出する
   おそれのあるときは、あらかじめ、当該閉止板等とそれに最も近接したバルブ又はコックとの間の
   危険物等又は高温の水蒸気等の有無を確認する等の措置を講ずること。

化学設備の改造や修理をするのは、通常の作業とは異なります。常に行われる作業ではないので、慣れている仕事ではありません。そのため残念ながら事故も多いなのです。

化学設備などの改造、修理、清掃で分解するとき、設備の内部で作業する場合は、必要な措置をとらなければなりません。

必要な措置としては、次のことを行います。

1.作業方法を決定し、作業者に周知する。
2.作業指揮者を決める。
3.危険物の漏えいを防ぐために、バルブやコックなどを確実に閉止する。
4.バルブやコックを閉止したら、作業中に開放しない旨を掲示するか、監視人を置きます。
5.危険物等が漏えいする恐れがある場合は、閉止板等とそれに近接したバルブなどの間で漏えいを確認できるようにします。

細かい規定ですが、危険がないようにしなければなりません。
万が一の事故を防ぐために体制が大事です。特に作業手順を定めて、守らせることは非常に重要です。

第275条の2
事業者は、前条の作業を行うときは、随時、作業箇所及びその周辺における引火性の物の蒸気
又は可燃性ガスの濃度を測定しなければならない。

改造や修理、清掃を行うときの体制作りが大事です。しかし万全の体制を整えていても、事故が絶対怒らないかというと、そんなこともありません。
時には、作業中に危険物が漏えいしたりすることもあります。可燃性のガスなどが漏れたりすると、火災や爆発があります。

改造や修理、清掃などの作業を行う場合は、周辺の引火性の上記や可燃性ガスの濃度を測らなければなりません。

前条の第5項では、危険物の漏えいのチェックでしたが、可燃物のチェックもしなければなりません。

非定常作業は事故が増えています。手順書を定めたりしているところも多いのですが、事故を防ぐためには、十分に体制を作り、守ることが大事です。

まとめ。

【安衛則】

第275条
化学設備又はその附属設備の改造、修理、清掃等を行う場合において、これらの設備を分解する作業を行う場合は、手順を定めるなどの措置をとらなければならない。
第275条の2
前条の作業を行うときは、随時、作業箇所及びその周辺における引火性の物の蒸気又は可燃性ガスの濃度を測定しなければならない。