厚生労働省労働局長登録教習機関
北海道・宮城県・岩⼿県・福島県・東京都・⼤阪府・福岡県
事件は会議室で起こってるんじゃない!現場で起こってるんだ!
建設業の事故は現場だけじゃない、現場への行き帰りでも起こるんだ!
建設業の事故で、最も多いのが墜落・転落です。
この事故は現場での事故です。建設機械の事故や、土砂崩れも現場の事故です。
このように建設業は、仕事自体が危険を伴っているものが少なくありません。
ところが、事故の危険は、何も現場だけではありません。
意外と見過ごされるのですが、現場以外の事故もあるのです。
現場以外の事故というと何があるか?
それは、交通事故です。
交通事故は運送業やタクシーなど、車に乗る仕事では身に迫った事故です。
建設業の作業現場は、不特定です。一箇所にとどまりません。場合によっては県外まで足を伸ばします。
会社までの出勤時間より、会社から現場までの移動時間のほうが長いなんてことも少なくありません。
私も今現場を担当していますが、事務所に行ってから30分かけて移動します。
以前の現場は、高速を使って1時間半かけて通っていました。
現場に出勤する時間がだけではありません。
ダンプに残土を載せて持ち出す、砕石などを現場に持ち込む時も車で移動します。
建設業では現場だけでなく、路上で過ごす時間も多いのです。
路上で過ごす時間が長いのですから、事故に遭う確率も少なく無いというわけです。
どうしても見過ごされがちな建設業の交通事故の実態について、労働新聞社「安全スタッフ」NO.2244(2015年10月15月号)のニュースの中で取り上げられていました。
建設業の交通事故の実態は |
平成26年度における建設業の死亡事故で最も多いのは、冒頭でも書きましたが、墜落・転落です。
次いで多いのが交通事故なのです。死亡者数は45人で、12.2%も占めます。
どういう時に事故に遭うのかというと、「現場と事務所間の往復の時」が一番多いようです。死亡者数は3年間で67人で、63%も占めています。その次に多いのが、「道路作業中の事故」で15人で、14%になります。
やはり、現場と事務所との移動中が多いようです。
事故原因では、雪や雨によるスリップ、長距離移動が多くなります。
スリップも危険ですが、遠い現場になると移動だけで長時間で疲れて事故になるケースがあるようです。特に現場作業で疲れているところに、1時間2時間の運転となると居眠りの1つもするかもしれません。
実は以前1時間半かけて、現場に通っていた時、高速に乗っていてうつらうつらしたことがあります。遠い現場だし、早く帰りたくて、急ぎたい気持ちがありましたが、さすがにSAで少し仮眠しました。あのまま運転してたら、危なかった。
私もそんな経験をしたくらいですから、現場への移動時間は、意外と危険があるようです。
移動時間も安全に |
事故は現場だけでなく、移動の時もあることをよく理解したうえで、どうするかを考えるのが重要です。
当然ですが、交通ルールを守ること。これは大事です。
その上で、事故を防ぐためにできる対策をとりましょう。
現場には乗り合いで行くこともあるので、長距離移動になる場合は運転を交代をするといいですね。例えば50キロで交代というように、ルール化しておくと、みんなやりやすいかもしれません。
眠気覚ましのガムやドリンクなども、必要に応じて使うといいですけど、疲労がある場合は、仮眠をとらせましょう。
これらのことは会社で、きちんと作業者が理解するように教育する事が大事です。
安全教育は足場などの危険作業だけで行うのではなく、移動時間のことについても行いましょう。
以前の記事で、シートベルトを締めるのがルールを守る基本と書きましたが、小さなことからコツコツです。
積極的に仮眠させる、運転手交代など、言葉で伝える、実行して、路上での事故を防いでいきましょう。