○ショートストーリー”猫井川ニャンのHH白書”未分類

猫井川、フォークリフトでガタンする

entry-461

こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。

index_arrow 第61話「猫井川、フォークリフトでガタンする」
羊井の現場が少し養生機関には入りし、しばらくストップすることになりました。
そこで、猫井川も犬尾沢の現場に帰ろうとしたものの、犬尾沢の現場も人手が足りているらしく、必要ないと言われてしまいました。
そのため、現場作業からあぶれた猫井川は、犬尾沢の指示で、倉庫の片づけと材料の補充を行うこととになったのでした。

早速、道具置き場をチェックしたところ、工具は本来置くべき棚とは違うところに置かれていたりと散々でした。
中には、猫井川自身が昔、放置した鉄筋の切れ端なんてのも出てきたりしたのでした。

現場作業はまだ再開しません。
猫井川は引き続き、倉庫の片づけを行うことになったのでした。

「道具入れの棚は、だいたい終わったけど、変なところに置かれてたりする。」

ほとんどの道具は、定位置にあったり、近くに置かれていたりしましたが、中にはずぼらな人もいたのでしょうか、全く関係のない場所に置かれていたりしました。

「どうして六角レンチが、鉄管に紛れているんだろう。」

きっとナットを取り外して、そのまま放置したのでしょう。

「誰のかわからないけど、レンチがなくなったら、困るだろうに。なんで気づかないんだろう。」

道具の管理の甘さにがっかりしました。と、同時に、

「オレの道具は大丈夫かな?」

ちょっと気になったりもしました。

「よーし、棚の整理は終わりかな。
 次は、足らない材料をチェックするかな。」

道具の整理もひと段落すると、次は足りない材料を確認して、補充することになりました。

「とりあえず、犬尾沢さんには、コンパネはチェックしておけと言われたから、見ておこう。」

コンパネ置き場を見に行くと、そこには何枚ものコンパネが立て掛けられているものの、一度使ったものもあれば、切れ端もありました。

「なんだよ、ここもかよ。」

道具棚と同じくらいの雑然具合に、がっかりする猫井川。
でも、このがっかり感は、先ほどの道具棚で経験済みなので、ダメージは少しましです。

まずは、新品と使用済みのものとを分けることから始めました。
徐々に片付き始めると、新品のコンパネが案外少ないことに気づきました。

「あれ、もうこれだけしかないのか。
ちょっと買い足さないと、厳しいかも。
 
 でも、まずはこの切れ端を運び出さないとな。
 なんで、こんなとこに置くのかな。意味が分からない。」

自分のことを棚に上げつつ、他の人のいい加減さに軽く腹を立てる猫井川なのでした。

コンパネの切れ端や、もう使い古されたコンパネをまとめていくと、かなりの枚数になりました。
そこで、フォークリフトで持ち出すことにしました。

「よし、フォークリフトを持って来よう。」

フォークリフト置き場に行き、エンジンをかけた猫井川は、コンパネ置き場に向かいました。

フォークリフトのフォークに、パレットを差し込み、その上に切れ端や古いコンパネを載せていきました。 積み重なり、その高さが1.5メートルになったので、一度外に持ち出すことにしました。

フォークリフトのエンジンをかけ、コンパネの山を載せて、ゆっくり動き出しました。
徐々にスピードを上げるフォークリフト。

通路はクリアでしたが、完全に平坦というわけではありません。
ほんの少し段差があるところもあったのです。

そんな段差に気づかず、猫井川のフォークリフトが疾走します。

段差に差し掛かった時でした。
猫井川のフォークリフトは、その段差にガタンと乗り上げ、上下に軽くバウンドしたのでした。

運転席からお尻が浮く猫井川。
運んでいるコンパネも大きく跳ね上がったのでした。

思わぬ振動に驚き、急停止しました。
コンパネの何枚かは、バウンドの勢いで落ちてしまったのでした。

「あっぶねー。何か落ちていたかな?」

運転席から降りて、タイヤ周りを見ても何もありません。
ほんの2~3センチの段差があるばかりです。

「こんな段差でつまづくんだ。」

そうして、落ちたコンパネを元通り載せると、今度はしっかり落ちないように固定しました。
そして、今度はゆっくりスピードを出さないように走り出したのでした。

index_arrow ヒヤリ・ハットの補足と解説

今回は、ずっと猫井川の独り言だけになってしまいました。
1人での作業は、こんな感じになることもありますね。

工場や倉庫では、フォークリフトを頻繁に使います。
フォークリフトのタイヤは、乗用車などに比べて小径です。
小径タイヤだからこそ、狭い工場でも小回りが効きます。

小回りが効くメリットはありますが、メリットだけではありません。
デメリットもあります。

小径車のデメリットは、段差や障害物に弱いということです。 自動車などのタイヤでは難なく乗り越えらえる段差も、小径タイヤでは、乗り越えられません。段差に差し掛かると、ガタンと大きくはねてしまいます。

この小径タイヤは折り畳み自転車等を乗ると実感できるでしょう。

フォークリフトは段差や障害物に弱いとはいうものの、それほどスピードが出ていなければ、衝撃は少ないです。 猫井川がガタンと跳ね上がり、コンパネを落下させてしまったのは、スピードを出しすぎていたことも理由にありそうです。

それでは、ヒヤリ・ハットをまとめます。

ヒヤリハット フォークリフトを走らせていたら、段差で跳ね上がり、コンパネを落とした。
対策 1.フォークリフト通路の段差や障害物をとりのぞく。
2.フォークリフトのすぴーどを出しすぎない。

フォークリフトを使う状況は多いと思いますが、利用にあたっては計画を作り、守ることが大事です。 あまりスピードを出しすぎると、跳ね上がるだけでなく、横転することもあります。

猫井川の1人作業は、監視がないだけに、自分自身でルールを守る意識が大切なようですね。

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