厚生労働省労働局長登録教習機関
北海道・宮城県・岩⼿県・福島県・東京都・⼤阪府・福岡県
4Sや5Sは仕事の環境をきれいにするだけでなく、事故の防止になります。
すっきりした場所で、足を引っ掛けたり、刺さったりするものがなければ、怪我をしないからです。コストもかからないので、どの会社でもできることです。
4S、5Sで最初にやることは、整理すること。
つまり不要なものを捨てることです。
しかし、この「捨てる」というのが苦手な人が多いのではないでしょうか。
モノを捨てられないという人はいますよね。モノを捨てないのは、必ずしもモノを大切にしているとイコールではありません。
ある種、決断力がないというか、そういった類です。
最近、ミニマリストといった最小限のモノしか持たないという人もいるでしょうが、ここまでやる必要はありません。
整理とは、必要と不必要を区別して、不必要なモノを捨てることです。
では、必要と不必要の区別はどうやって付けるのでしょうか?
整理できない人、捨てられない人は、この区別がつかないのです。
とはいえ、何もかも区別できないわけではないですよね。
毎日使っているし、間違いなく必要な物は分かります。逆に、壊れていたり、もうはっきりと使わないと分かるものもあります。
これは、すぐに整理できますね。
問題は、必要かもしれないし、必要かもしれないという曖昧な境界を漂っているものです。
そして、これが占める割合がかなり多かったりします。
曖昧なものは残しておく。
後で判断するを残し続けて、いつまでも残り続けて、場所を占有しているのです。
整理することが、4S、5Sの基本。そして職場安全の基本です。
悩んでいるなら、ちょっと判断の助けになるかもしれないのが、今回の安全教育のテーマ「様子見ボックス」です。
必要か不必要かの判断に期限を設ける |
捨てられないのは、必要か不要かの判断基準が不明確で、決断力がないからです。
自分だけのものならばともかく、会社のものとなると、勝手に捨てていいのかの判断もつかないでしょう。
そんな時に、いいなと思ったのが、様子見ボックスというものを設けるというものでした。
これは誰かが実施していて、使えるなと思ったのですが、出処がどこか忘れてしまいました。
家の中の片付け方法だったかな?
様子見ボックスというのは、今判断がつかないものに対して、保険期間を設けるとともに、意図的に判断基準を設ける方法といえます。
つまり一定期間、ボックスに収納し、その間全く使わない、なくとも支障がなければ、捨てるというものです。
もし、ボックスから取り出す機会があれば、きちんと保管に移します。
不必要の判断基準として、使用頻度も関係します。
例えば、数年に1回出番があるような道具や機械などであれば、維持費をかけて持っておく必要はないかもしれません。使うときに、レンタルするほうが安くあがることもあります。
これはレンタル料と、維持費との照合して判断になりますね。
私はどちらかというと、どんどん捨てるタイプです。
しかし、捨ててしまってから、必要に迫られ後から買うこともしばしばあります。
まあ、それはちょっとしたお茶目なことだと思うんですけど。
様子見ボックスを設ける目的は、整理を進めていくことです。
様子見ボックスをいっぱいにして、そのままにしていたら意味がありません。ちゃんと半年なり、1年なり期限を設けることが必要です。ここの区別はちゃんとつけておきましょう。
私の会社で、今様子見ボックスに入れているのは、実は4トンダンプです。
4トンユニック車などは、古いものの使用する機会はあります。
4トンダンプも古く、使用頻度はそうありません。でもどうしても必要があります。
しかし何週間も使わない期間が続くことも多いので、車検などの費用を考えると、必要なときにレンタルするほうがコストはかからないんじゃないかと考えるのです。
とはいえ、なければきっと不便だし、社員も嫌がるでしょうね。難しいところです。
今は、使用頻度の統計をとって、判断材料にしようとしています。
このように判断に迷うものがあります。
即断即決もいいのですが、迷いがあるときは、期限を決めて様子見するのも、考え方の一つではないでしょうか。
少なくとも、捨てることへの心理的負担は軽減するのではないかなと考えます。
もしどこから整理すればいいのか、手のつけようがないと思うならば、一度そのような整理もおすすめします。