○コラム

雑な現場は、気にするポイントを増やすだけ

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今回も作業場の4S、5S、もっと絞るなら整理整頓についてになります。

今、担当している現場を見ていると気になることがあります。
それは、作業場に材料などが散乱していることです。

その全てが不要品というわけではありません。
しかし、次の作業で必要だけども、今すぐ必要じゃないというのも少なくありません。

丁張で使う杭や桟木、ブルーシートなど、必要に応じて使うものもあります。

現場に材料が溢れているのはしかたがないとは思いますが、一方であまりに散乱しているのもいかがなものかと思うのです。

特にこのことを感じたのが、型枠作業の後始末具合を見たからです。
これが、ここ最近見た中でも、なかなかのものだったのです。

1つの擁壁の型枠が終わると、コンクリートを打設し、次の型枠作業までしばらく間が開くことがありました。
この間、型枠屋さんは別の現場に行っていたのですが、残材の整理がさっぱりでした。

次の型枠作業のための材料を保管しておくのは構わないのですが、コンパネ以外の角材や止め金具などが散らばっている状態でした。
そのような材料の置き方をするので、コンパネ材も整えられているはずもなく、雑然としているのでした。
多少は作業場の隅っこに置いているとはいえ、何とも無残なもので、通路を塞ぐような状態だったのです。
その辺りを歩くときには、足下に注意しなければならないほどです。

直接仕事に影響はなく、第三者が通る場所ではないとはいうものの、気になります。
年末年始で作業を中断する際に、一度片付けてもらったのですが、足りない材料を探したりと、時間がかかってしまったのでした。

建設業の現場は、常に変化しているので、日々必要な物が変わります。
そのため、常に整理整頓しておくことは難しいです。

しかし、雑然とした現場だと、歩くときに注意したり、物が無くなってしまったりと気を使うことが増えるのです。

index_arrow 作業中も整理整頓

今回の型枠屋さんは、相当だなと思ったものの、珍しくはありません。
作業通路を塞ぐほどのものはないとしても、作業中に工具やショベルなどを放置したりすることはあるのではないでしょうか。

掘削穴の周辺にショベルを置きっ放しにしていることも、よく見る光景ではないでしょうか。

こういった状態では、やはりショベルが穴の中に落ち来るのではなどと、気を遣います。
工具を地面に放置していると、踏まないように、つまづかないようにと、気を遣います。

でも、よく考えてみると、この気遣い必要でしょうか?

足下、通路に何もなければ、つまづきに注意しようなどと考える必要はありませんよね。
穴の周りにショベルがなければ、落ちてくるかもと気にする必要もありません。

作業中の仮置きで、ある程度の工程が終わったり、その日の仕事が終われば、片付けられるものではあります。
とはいうものの、作業中に作業以外の不要な気遣いを行う必要はありません。

できる対処は、作業中もほんの少し片付けをしていくことです。
片付けや整理整頓に時間をとられすぎる必要はありません。

ただ材料や工具を置く場所を決めて置くだけでも、随分違います。
次に使うとき、取りに行くのが面倒だという位置に置く必要もありません。

作業している場所で、差支えのないところに、材料工具置き場を決めるとよいのではないでしょうか。

臨時であっても材料、工具置き場がはっきりしていると、通行の邪魔をしません。
そうなると、足下への余計な注意を払う必要もなくなります。
レンチをどこに置いただろうと、探す手間も解消されることでしょう。

ほんのちょっとした整理整頓で、安全性や作業効率があがるはずです。

整理整頓は、気を遣うポイントを減らす効果があります。
気を遣うポイントが減ると、本来集中すべきことに、集中できるようになります。

頭で考えられることには、限りがあります。
限りがあるので、考えることを少なくし、集中するのがいいのではないでしょうか。

安全管理にとって、よりよいことは、気にするポイントを減らすことです。
機械の安全装置は、まさにこの役目をやっているといいいでしょう。機械が安全を確保してくれるから、作業に集中することができるのです。危険極まりない機械を使っていると、安全確保に意識が取られ、本来やるべき作業に集中しきれなくなります。

作業場が散乱しているということは、仕事以外のことに気を逸らしてしまいます。
しかしこれはほんの少しの工夫で、ずいぶん解消することができます。

作業中もほんの少し整理整頓する。
そのルールを決めて、全員で共有すること。
これによって作業が効率化し、転倒する恐れがなくなるのであれば、やってみる価値はあると思います。

整理整頓は安全の第一歩になります。
それは、仕事終わりだけでなく、仕事中も行っていくといいですね。

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