建築物の組立○安衛法と仲良くなる

木造建築物の組立て等の作業を行う時の危険防止

entry-527

住宅で、鉄筋コンクリート製も多いですが、まだまだ多いのが、木造建築でしょう。
さすがに、作業方法は昔通りではなく、どんどん変わってきていますが、大工さんが家造りをしている姿はよく見かけます。

屋根や梁の上を身軽に動きまわる姿を見ると、さっそうとしていて、頼もしい感じはします。
しかし、どんなに立ち居振る舞いがかっこよくとも、やはり作業中の危険はあります。
中でも、家の建築は高所作業を伴います。例え平屋であっても、屋根作業があるので、墜落やモノが上から降ってくる危険が伴うのです。

他の建築作業と共通したものが多いのですが、木造建築についても、安衛法で規定があるのです。

【安衛則】

第4章の4 木造建築物の組立て等の作業における危険の防止

(木造建築物の組立て等の作業)
第517条の11
事業者は、第6条第15号の4の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。

  1)作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。

  2)強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、
   当該作業を中止すること。

  3)材料、器具、工具等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。

鉄骨や鋼橋架設作業でも同様の条文がありましたね。

第6条第15号の4は、安衛令の条文です。

【安衛令】

第6条
15の4 建築基準法施行令 第2条第1項第7号に規定する軒の高さが5メートル以上の
木造建築物の構造部材の組立て又はこれに伴う屋根下地若しくは外壁下地の取付けの作業

木造建築で、軒の高さが5メートル以上の場合、これ以降の条文が適用されます。
高所での作業になるため、それに備えた対策が必要になるのです。

軒の高さが5メートル以上になる木造建築では、立入禁止や悪天候時の作業の禁止、材料や道具を上下に吊り袋などを使うといった措置をとらなくてはなりません。

屋根で道具が必要になったからといって、放り投げて渡すのなどはダメなのです。縄付きの袋などに入れ、上からたぐり寄せる方が、途中で落ちる可能生か低くなります。

目安になっているのは、5メートルですが、それよりも低くとも、同じようにする必要があるのは、言うまでもありません。

(木造建築物の組立て等作業主任者の選任)
第517条の12
事業者は、令第6条第15号の4の作業については、木造建築物の組立て等作業主任者技能講習を
修了した者のうちから、木造建築物の組立て等作業主任者を選任しなければならない。

木造建築も高所作業なので、安全に作業を進める責任者が必要になります。
しかし全ての木造建築作業ではなく、前条の条件の時のみです。

軒の高さが5メートル以上の木造建築作業では、木造建築物の組立て等作業主任者技能講習を修了した作業主任者を選任しなければなりません。

寺社だけでなく、2階建て、3階建てでは作業主任者が必要になるのです。

(木造建築物の組立て等作業主任者の職務)
第517条の13
事業者は、木造建築物の組立て等作業主任者に次の事項を行わせなければならない。

  1)作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。

  2)器具、工具、要求性墜落制止用器具等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

  3)要求性墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

作業主任者の仕事は、安全に作業を進めることです。そのための確認や現場の管理が求められるのです。

木造建築物の組立て等作業主任者は、必要な措置をとらなければなりません。

どのようなことをするかというと、次の通りです。

・作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮する。
・器具や工具、保護具の点検する。
・安全帯(要求性墜落制止用器具)や保護帽などの保護具の使用状況を監視する

建築の専門的知識も必要ですが、作業者が安全に作業するように現場を取り仕切るのが、重要な仕事といえますね。

家を建てるのは、最大級に大きな買い物です。そうポンポンと建て、住み替える人はいないはず。

買う人にとって、一生ものになるのですから、もし建築作業中に事故でもあろうものなら、気のいい話ではありません。
事故を起こさず、死傷者を出さずに引き渡しをするのは、当たり前のことかもしれませんが、最低限提供すべきサービスともいえそうですね。

まとめ。

【安衛則】

第517条の11
事業者は、木造建築の作業を行うときは、作業区画の立入禁止などの措置をとらなければならない。
第517条の12
木造建築作業を行うときは、、木造建築物の組立て等作業主任者を選任しなければならない。
第517条の13
木造建築物の組立て等作業主任者は、作業手順を定める、器具等の点検などを行わなければならない。

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