厚生労働省労働局長登録教習機関
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このブログは原則として、労災事故を減らすための安全管理についてのみ書いています。私が日々仕事で安全に関心を持っているのは間違いないのですが、当然の事ながらそれ以外のことも興味があります。
時々、安全という枠から外れて書きたいこともあるのですが、テーマがブレてはいけないと考えているので、抑えています。
とはいえ、何かテーマから外れて書くときには、何とか安全にこじつけてと考えています。
今回は、そんなこじつけた内容です。
人は必要に迫らされない限り、変化を好みません。現状維持が心安らぐものです。
ダイエットが常に高い関心を持たれるのは、逆に言うと、それだけダイエットできない人が多いからではないでしょうか。今の体型を変えるのは大きな労力が必要なのです。
例えば、体重が100キロ以上ともなると、その体型を維持するためには、標準体型の人が1日に摂取するカロリーの1.5倍から2倍を摂取する必要があります。これは通常の3食で一品増やすなどだけでなく、菓子パンやスナック、清涼飲料水などの補給が欠かせません。
太ってない人にとって、そんなに食べられないと思うでしょう。太った体型を維持するのも努力が必要なのです。
客観的に考えると、体型維持のために、ハイカロリーを摂取し続ける生活を続けるよりも、平均的なカロリーの生活をする方が、楽ですし、体にも財布にも優しいと思います。
しかしそれが簡単ではないのです。例え減量に成功しても、維持し続けるのはもっと難しいのです。
体験的にその大変さは、身にしみています。
もしすんなり生活習慣を変えられるのなら、リバウンドなんてないはずです。
ダイエットが好例ですが、新たな習慣を身につけるのは簡単ではないのです。
掃除が嫌いな人が、きっちり整理整頓する習慣になるのは並大抵のことではないのです。
さて私事ですが、年明けから新しい習慣形成、スキルを身につけようとしています。
以前、どこかの記事でも書いたかと思いますが、キーボードの入力をローマ字から親指シフトというものにしています。
これがなかなか大変です。
きっかけは、この本を読んだことです。
文字を書くことは多いのですが、今までキーボードの入力方法など考えたことはなかったのですが、より効率的な方法があるなど考えたことはありませんでした。
しかも、旧世代然としたかな入力は慣れると、ローマ字入力よりも早く文字が打てるようになるとか。
目からウロコでした。
親指シフトという入力方法がどんなものかと言うのは、こちらを参考にしてください。
先に紹介した本では、親指シフトは日本語を入力するのが非常に効率的になるけれども、キーボードのエミュレータなどが必要だったり、あまりに入力方法が違うため、かな入力を勧めていました。
しかし私は親指シフトに手を出そうと決めたのでした。
そう決めたのは1月2日。一年の計を決める日から1日遅れで、新たな習慣、スキル形成を目指したのでした。
仕事始めは1月5日です。幸い数日の休みがあります。まずはこの間である程度の基礎を身につけようと考えました。
とりあえず、五十音から覚えていきました。
しかしこれがかなり大変です。
キーの位置が違うのはもちろんですが、文字によっては、「かな」などと同時に押さないと表示されないものが大半です。句読点の位置も違います。
覚えられるんだろうか、覚えたところで本当にキーの入力が早く効率的になるのだろうか、不安になりました。
しかし結果にコミットした私は、練習を続けます。
五十音から親指シフトを紹介しているサイトで紹介されている例文を書きました。
ローマ字入力なら数秒で終わる文が、その何倍もの時間がかかってしまいます。
そんなこんなで練習を繰り返し、休みの間でなんとなくキー配列を覚えたのでした。
そして、仕事始めの日。
ここで1つの選択をしなければなりません。
それは、仕事でローマ字入力でいくのか、親指シフトでいくのかです。
親指シフトを紹介しているサイトでは、完全に親指シフトに移行してしまうことを勧めています。一方で、親指シフターでもある勝間和代さんは、毎日練習し、ある程度実用に耐えるレベルに達してから、完全移行したようです。つまりしばらくは、ローマ字入力と平行して使っていたようです。
完全に親指シフト入力だけにすると、慣れるまで、とにかく入力が遅くなり、仕事に支障が出ます。ストレスも溜まります。
ローマ字入力と併用すると、仕事への影響は少ないのですが、習得に時間がかかります。
考えた末、結果にコミットしている私は親指シフトへの完全移行しました。
それからは文章を書くのが遅いこと、遅いこと。
メールの返信に倍の時間がかかります。
これを少しでも解消するために、辞書登録を多用するようになりました。これはいい発見だったと思います。
何より困ったのが、ブログです。今までは1つの記事は1時間もかからず書いていたのに、倍以上かかります。頭のなかで文章が浮かぶスピードと、書くスピードにギャップがありすぎて、嫌になります。
親指シフトにシフトして、1ヶ月半。
今は多少早く書けるようになってきましたが、それでもローマ字入力時の半分くらいのスピードです。 まだ「と」はどこだったか分からず、プチパニックになることも、しばしばです。
打ち間違いも少なくありません。
また弊害として、ローマ字入力がやりづらくなってきました。アルファベットの位置が考えないと、分からなくなってきています。
まだまだローマ字入力と同等までにはなりませんが、少しずつスキルは身につき、新たな習慣形成になってきています。
そして、この些細のキーボードの入力方法の変更だけでも、身に付けるのは大変なのが分かります。
それでは、取ってつけたように、安全にこじつけていきます。
安全意識は習慣づくり |
安全を意識した仕事や作業というのは、場合によっては効率を損なうことが少なくありません。
そのため作業を優先しようとすると、安全のことなど後回しになったり、疎かになったりします。
また現在は、10年、20年以上前に比べたら、安全管理は厳しくなりました。法的にも、世間的にも厳しくなりました。50歳以上の長年仕事に携わっていた人にとっては、息苦しさを感じるとの話を聞いたりします。
個人の気持ちはともかく、安全に対する要求は年々高くなっています。
しかしその要求は、不当なものではありません。事故に会わないため、怪我をしないため、命を守るために必要なものともいえます。
妥当とはいうものの、安全を意識した行動は、今までの作業の仕方をチェンジすることを求めます。
それは、私がキーボードの入力方法を変えるので四苦八苦していることよりも大変なことかもしれません。
私の場合は自発的なチェンジですが、安全行動は周囲から求められてのチェンジです。
周りから強いられるチェンジは、気乗りのしないものです。しかし会社や元請業者といったところから、やれと言われれば従わざるを得ません。
仕事のやり方を変えるのは、習慣を変えていくことともいえるので、大変なことです。
自発的なチェンジでも大変なのに、時代や会社から求められてのチェンジは、一層大変です。
しかし、今後はより多くを求められてくるのは間違いないでしょう。
その要求は苦痛かもしれませんが、何を目指しているかというと、事故を減らし、命を守るためであるのは間違いありません。
私は今あたふたしながらキーボードの入力をしていますが、目指す先にはより効率的で手に負荷の少ないタイピングという目的があります。一応、目的があります。
作業者に作業の仕方などの変革を求める時、要求する立場の人はちゃんと目的と理由を伝えられているでしょうか?
ただやれでは、なかなか変わらないのではないでしょうか。
習慣を変えるのは難しいです。
そして変えるためには、目的が明確で、納得する理由を必要とします。
安全な仕事を実現するときには、まずその目的と理由の理解に時間を使うのが、結果的に一番の近道かもしれません。
このエントリーを書くのに2時間~3時間かかってしまいました。
ローマ字入力の時なら、1時間くらいでかけていたのに。。