厚生労働省労働局長登録教習機関
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リフトとは物を上下に上げ下げする機械のことです。
人を運ぶのがエレベーター、物を運ぶのがリフトです。
高層ビルや地下深くのトンネル工事では、資材の運搬が大きな問題です。
同じ平面の上であれば、トラックなどで運搬できますが、上下な移動はできません。
クレーンも使えるのですが、大きく重い荷物を運ぶのには適しているものの、細々とした材料を頻繁に運ぶのには向いていません。
例えば、家の屋根の上に瓦を何百枚も運ぶのに、クレーンなんて使ってられません。
ある程度の大きさの、細々とした材料を何度も上げ下げして運ぶのに、リフトは向いています。
リフトの中でも、建設工事の時に作業場に設置され、工事資材を運ぶものを、建設用リフトといいます。
建設用リフトは、工事の間だけ使われる仮設の機械です。
仮設とはいえ、一度設置すると、場所を替えることはできません。
数ヶ月から1年以上続く建設工事現場で、上下に資材を運ぶことが多い現場では、とても有用なのです。
しかし建設用リフトは特定機械の分類されます。
つまり使用にあたっては危険があり、注意が必要になる機械なのです。
上下作業であるため、クレーンなどと同じカテゴリに含まれ、クレーン則で様々の規定があるのです。
【クレーン則】
建設用リフトは特定機械です。特定機械とは、取り扱うときに危険を伴うため、最新の注意を必要とする機械です。
特定機械は、製造から廃止まで常に管理されるのです。
建設用リフトも製造時から管理されるため、勝手に製造することができません。
許可を得なければなりません。
建設用リフトを製造する時は、都道府県労働局長の許可を受けなければなりません。
許可は個々のリフト製造で必要ではありません。1つのモデルごとで許可を得れば大丈夫です。
製造許可を申請する時には、必要な書類も出します。
書類は、次のものが必要です。
1.強度計算の基準
2.製造過程での検査設備
3.主任設計者と工作責任者
製造するメーカーは、許可をとってから製造しなければなりません。
(検査設備等の変更報告) 第173条 前条第1項の許可を受けた者は、当該許可に係る建設用リフト又は許可型式建設用リフトを 製造する場合において、同条第2項第2号の設備又は同項第3号の主任設計者 若しくは工作責任者を変更したときは、遅滞なく、所轄都道府県労働局長に 報告しなければならない。 |
建設用リフトは、許可を受けた通りの条件で製造しなければなりません。
もし許可を得たものとは違う条件で製造されると、品質に問題が出てくる可能性があります。
もし品質に問題があると、安全に使用できないかもしれないのです。
製造許可を得た条件と異なる場合は、遅滞なく都道府県労働局長に報告しなければなりません。
第172条2項の申請書類のうち、1号の強度基準が変わることはないのでしょう。変わる可能性があるのは、検査設備か設計主任者、工作責任者です。
これらの内容が変わったら、報告しなければなりません。
製造許可は建設用リフトを製造するメーカーが得なければなりません。
許可は、製造だけではありません。設置し、使用するときには届出が必要です。
建設用リフトを設置しようとする事業者は、設置届を労働基準監督署に提出しなければなりません。
設置届は、建設用リフトの明細書、組立図、主要構造の強度計算書をつけて提出します。
書類には、次の内容も含まなければなりません。
1.リフトを据え付ける箇所の周囲の状況
2.リフトの基礎概要
3.リフトの控えの固定の方法
設置する事業者は、リフトが安全に使用することを示し、届出を出さなければならないのです。
まとめ。
【クレーン則】
第172条 建設用リフトを製造しようとする者は、その製造しようとする建設用リフトについて、所轄都道府県労働局長の許可を受けなければならない。 |
第173条 製造許可を受けた者は、設備又は主任設計者、工作責任者を変更したときは、所轄都道府県労働局長に報告しなければならない。 |
第174条 建設用リフトを設置しようとするときは、建設用リフト設置届を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。 |