厚生労働省労働局長登録教習機関
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建設用リフトは高い場所に物を運ぶ機械です。
そして地上から離れた、高い場所というのは風の影響を受けやすくなります。
(風を遮るものが、地表から離れれば離れるほど少なくなりますからね。)
風の影響を受けやすいということは、高所では運んでいる荷物が触れやすくなると言えます。
そのためクレーンなどの吊り作業は、強風時は禁止です。
建設用リフトを使った作業もこういった天候の影響を受けやすく、禁止事項や対応をしておくものがあります。
こういった建設用リフトの禁止事項や作業時の制限も、クレーン則で規定されているのです。
【クレーン則】
(暴風時の措置) 第189条 事業者は、瞬間風速が毎秒35メートルをこえる風が吹くおそれのあるときは、 建設用リフト(地下に設置されているものを除く。)について、控えの数を増す等 その倒壊を防止するための措置を講じなければならない。 |
屋外での作業は天候の影響を受けやすくなります。
雨や風は作業の中断を余儀なくしたりもします。
建設用リフトは高所に荷物を運ぶ機械なので、当然雨風の影響は避けられません。
台風などの大荒れの天気の時には、作業できないのはもちろんですが、風に吹き飛ばされないような対処も必要になるのです。
建設用リフトは風速が毎秒35メートルをこえる風が吹く恐れがあるときは、倒壊防止の対策をしなければなりません。
基本的にはリフトの両側に柱を立て、ワイヤーロープを巻いたり伸ばしたりする構造です。
縦方向は重量物を持ち上げる力が強いのですが、横からの力には弱いといえます。
ましてや毎秒35メートルの風ともなると台風なみです。下手をすると物が飛び交う可能性があるほどです。弱いトタン屋根程度なら、剥ぎ取られかねません。
そのため、横からの力れ耐えられるように、控え(つっかい棒など)で固定する必要があるのです。
(運転位置からの離脱の禁止) 第190条 事業者は、建設用リフトの運転者を、搬器を上げたままで、運転位置から 離れさせてはならない。 2 前項の運転者は、搬器を上げたままで、運転位置を離れてはならない。 |
建設用リフトは、自動で上げ下げする機械ではありません。
運転者(オペレーター)が、動かしたり、ブレーキを掛けたりします。
基本的にリフトが宙にある間は、安定していません。なぜならただ数本のワイヤーロープで支えられているに過ぎないからです。そのため風の影響などを受けやすく、もしワイヤーに破損があれば、リフトが落下ということもあるのです。
オペレーターは、こういった不測の事態が起こらないように、コントロールしなければなりません。
建設用リフトの運転者は機器を吊り上げたままで、運転席から離れてはいけません。
運転席から離れる時は、地上にリフトを下ろし、落下の危険がないようにしてからです。
これはクレーンなどでも同様ですね。
建設用リフトは機械ではありますが、地上数十メートル以上の高所まで支柱を建てる大きなものです。
それだけ大きなものになると、大型トレーラーで運ぶというわけにもいきません。
部品を運びこんで、現地で組み立てることになります。
大きな機械の組立は危険を伴います。しかも工場などではなく屋外での組立なので、作業条件もよくないことも少なくありません。
建設用リフトを組み立てる時は、安全に配慮した措置をとらなければなりません。
どのような措置かというと次の通りです。
1. 作業指揮者を決めて、指揮させる。
2. 作業場は関係者以外の立入りを禁止する。
3. 大雨、強風、大雪などの悪天候時は、作業を禁止する。
作業指揮者は作業主任者と違い、特に資格などは必要ありません。しかし全くの素人では困りますので、建設用リフトの組立、解体の作業に長年携わってきた人が望ましいです。
作業指揮者の役割は、作業主任者が行なうものに似ていて、次のことです。
1.作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を指揮すること。
2.材料や器具、工具の機能を点検し、不良品を取り除く。
3.作業中、安全帯(要求性墜落制止用器具)等及び保護帽の使用状況を監視すること。
作業主任者の役割ということで、よく見かける内容です。
技能講習などはありませんが、それと同様の能力と管理が必要になるのです。
作業時には注意すべきことは少なくありません。
そのため、天候の確認や作業時の禁止事項は守らなければならないのです。
まとめ。
【クレーン則】
第189条 瞬間風速が毎秒35メートルをこえる風が吹くおそれのあるときは、倒壊を防止しなければならない。 |
第190条 建設用リフトの運転者を、搬器を上げたままで、運転位置から離れさせてはならない。 |
第191条 建設用リフトの組立て又は解体の作業を行なうときは、指揮者を定めるなどの措置を取らなければならない。 |