○格言でこじつける安全衛生活動

武者小路実篤・ニーチェ・孫子の格言をこじつける

entry-601

格言を使って、安全関係の小話にしていくシリーズです。
朝礼やミーティングなどで、使えたらいいなと思います。

私にとっては、武者小路実篤の言葉は、安全にかぎらず仕事の本質ですよね。
そう考えて日々を過ごすのは、困難かもしれませんが。

  武者小路実篤 の格言
自分の仕事は自分の一生を充実させるためにある。
【解釈】

多くの人にとって、仕事は人生の一部です。しかし仕事だけが、人生の全てでもありません。
その仕事で、自分の人生を損なうのは避けねばなりません。

仕事で引き起こされる怪我や病気は、人生に大きな影響を与え、場合によっては損なってしまうのです。

武者小路実篤は、白樺派の作家ですね。
「仲良き事は美しき哉」と書いた色紙を見たことはあるのではないでしょうか。

私の白樺派作家の印象は、お坊ちゃん気質の理想主義者な感じです。「友情」などを読むと、必ずしもお気楽な思想を持っていたとは思えないですが、それでも根はいい人だったのではないでしょうか。

仕事についての見方も、理想主義的だと言えます。
仕事は生活のため、楽しくないと思っている人がいるのも、あまり見えていなかったのではと勘ぐりたくなる言葉です。

しかし、この武者小路の言葉も真実であることには違いないでしょう。
要は、仕事への見方です。

仕事は人生で大切な要素です。
充実した仕事は、毎日の生活を満たしてくれるのは間違いないでしょう。

仕事が人生を充実させるものであることは間違いないですが、一方でそれが全てでもありません。
家庭や友人、趣味なども人生の一部です。

そのため仕事で人生を奪われてもいけません。
働き詰めで時間を奪われることもですが、事故や病気で人生を損なう必要はないのです。

もし事故で命を失うようなことがあれば、もう人生が終わってしまいます。
しかも、家族などの周囲の人の人生にも影を落とすことになります。

仕事は人生を充実させるものですが、全てを捧げる必要はないのです。

  ニーチェ の格言
いつまでもただの弟子でいるのは、師に報いる道ではない。
【解釈】

いつまでもただ言われるだけ、指示されるだけでは一人前になりません。

安全を守り、一人前に仕事ができるようになり、今度は教えてもらったことを後輩に伝え、継承することも大事なことなのです。

最初は誰でも初心者です。仕事や危険箇所などを教わります。
しかしいつまで経っても仕事を覚えないのはよくありません。またいつまで経っても危険なことをやっているのもよくありません。

教える側にしてみれば、いち早く学び、一人前になって欲しいものです。
ずっとずっと注意し続けるのは嫌なことです。

逆に言うと、成長し注意されなくなることは、教えられる側の人の責任ともいえます。
そして、次は自分が後輩などに仕事や安全の大切さについて、伝えていくのです。

継承することが、自分を育ててくれた人に報いる方法だといえます。

  孫子の格言
彼を知り己を知れば百戦殆うからず 。『謀攻』
【解釈】

仕事上の危険を知り、自分の性格を踏まえて行動する。
そうすることで、多くの事故を回避できます。

無知は危険を招くのです。

これは孫子でも勇名な言葉ですね。
戦争において、相手と自分をよく知るということが、勝利に繋がるというものです。
孫子は二千年以上前の人物ですが、その考え方は現代にも通じ、ビジネスでも活用されています。

安全は、まず知ることからです。
どこにどんな危険があるのかを知ること。そしてその危険を回避するにはどうしたら良いのかを知ることです。

雪の日や地面が凍っている時は、雪の性質や滑りやすい場所を知って、それに応じた歩き方をすると、転倒を防ぐことが出来るのです。

危険について知ると同時に、自分自身も知ることも大事です。
慌てやすい正確なのか、慎重なのか、性格によって注意するポイントが異なります。

原則として、守らなければならない安全対策はありますが、それを実行しなければ効果はありません。
仕事にどのように当てはめるのか、仕事内容や環境、そして作業者自身が自発的に行えるようにすることが大事なのです。

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