厚生労働省労働局長登録教習機関
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労働新聞社の安全スタッフNO.2255(平成28年4月1日)の編集長のコラムで、なるほどなと思うことがありました。
その内容は、新入社員はまず挨拶からといったものです。
4月は新年度の始まり。新入生、新卒の新入社員がスタートを切る時期です。
新入社員が初めての職場で、初めての仕事を始めます。
誰でも最初は右も左もわからない初心者です。仕事のやり方はわかりません。そして何が危険かもわかりません。
そのため新入社員には新人研修を行います。
新人研修では、会社の理念や商品、報告書の書き方などのルーチンワークなどを学ぶことになります。
会社ごとにどんな商品を扱っているのか、どんなサービスを行っているのかを知るのは、大事なことです。
また安全衛生に関する内容としては、次の内容も教育します。
【安衛則】
新人は何が危険かということを知りません。
刃物に触れたら切れるとか、高さ10メートルもの高さから落ちると命を落とす程度ならば、何となく分かるでしょう。
しかし初めて入る作業場で、どこにどんな危険があるのかは、ほぼ知らないと言っても過言ではありません。
無知は死を招きます。
知らないことには、対応することは出来ないのです。
また教育したからといって、もう安心ということもありません。
頭でわかっていても、慣れない現場では、上手く動けません。受け取る情報も多すぎて、細かいところまで注意が行き届かさるのも困難です。
そのため、新人時代には事故が多いのです。
以前のエントリーでも書いたのですが、新人は最初の1週間で事故に遭う確立が高くなるそうです。
そこで使ったデータを引用すると、こんな感じです。
入場からの日数 | 事故発生率 |
2日目 | 約11% |
1~7日目 | 約61% |
建災防「現場入場経過日数別・災害の種類別死亡災害発生状況(平成22年)」
7日めまでの事故発生率が約61%と、かなり多いといえます。
新人に注意しろと言っても、効果は薄いです。
その間は先輩やベテランがみっちり着いて、教育役をするのが望ましいのではないでしょうか。
とにかく最初の1週間、そして1ヶ月。
この間の事故は、本人だけでなく、周りの作業者が一緒になって防いで行く必要がありそうです。
社会人としての基本も学ぶ |
新人教育では、会社、商品、仕事の方法、安全衛生関係だけでなく、その他のことも教育します。
それは、社会人としての当たり前のこと、常識などです。
最近は、バトミントン選手の裏カジノや、プロ野球選手の賭博などのニュースが取り上げられていました。
反社会的な行動についても教える機会になります。
建設業では公共工事を行う際に、反社会的組織と関係はないと誓約書を提出しなければなりません。
この誓約書は役員についてですが、もし1人の社員が関わりがあっても、影響は少なからず出てくる可能性があります。
そんなの当たり前、常識ということと考えがちですが、新社会人は知らないという可能性もあるのです。
そして常識で特に大切なことは、挨拶に関することです。
挨拶を相手にわかるようにすることは、とても大事です。
挨拶1つで、雰囲気がガラリと変わります。
工事の現場で、ときおりまともに挨拶ができない人がいます。
一度など下請けの作業者が、現場に来た時に首を少し上下させて、小さな声で「ウィッス」と言われことがあります。
さすがにこの時は、少しイラッとしてしまいました。
イラッとしたものの、注意するってほどではなかったのですが。
こういった対応をすると、本人にも良くないだろうにと思うんですけども、私も含め誰も何も言わないんですよね。
挨拶はコミニュケーションの基本です。
そして難しい技術を必要としません。やり方も知っているはず。
コミニュケーションがいまいちだと、打合せなく足場の上下作業をしてしまうなど、その気はなくとも危険行動をしてしまうこともあります。
一声
かければ済む話ですが、何となく出来ないという可能性もあります。
また合図などがうまく機能しなかったりしないかもしれせん。
人は気分に左右されます。
不愉快な気分だと、注意力も散漫になります。
挨拶したのに、返してくれなかったというのは、結構気分を害してしまいます。
確かに挨拶1つで気分を劇的に良くすることはありませんが、しかし心に引っかかりは作りません。
事故の起こりやすさは、結構職場の人間関係、コミュニケーションの円滑さが関係してきます。
コミュニケーションの基本は挨拶から。
挨拶を徹底させるのは、新人の教育だけでなく、ベテランを含めた全員に対して行いたいですね。
その意味では、新人教育は当たり前を身につけさせ、全員が当たり前のことを見なおす機会になりそうです。