○安衛法と仲良くなる粉じん則

粉じん障害防止規則 その7。除じん装置の要件

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粉じんが発生する場所での作業は、発生と同時か、空気中に漂う前に吸い込んでしまうと人体に取り込む危険を減らすことができます。
しかしただ吸い込んで外に吐き出すというのでは、いけません。

掃除機でゴミやホコリを吸い込んだものの、排風口から全部そのまま吐き出していたら意味が無いですね。
掃除の前より、部屋の中が汚くなります。当然ホコリも吸い込んでしまいます。

これと同じように、局所排気装置などで吸い込んだものを、処理せず吐き出すtお、粉じんを撒き散らして、大気汚染になるだけです。
屋外にも人がいますから、吸い込んでしまう恐れがあります。

高度成長期前などでは、工場からの煙は垂れ流しで、光化学スモッグやぜんそくなどの公害の原因になっていましたが、現在ではそのようなことは一切出来ません。

吸い込んだ粉じんは取り除き、空気だけ外に排出しなければなりません。

このような除じんについても、粉じん則では規定しています。

【粉じん障害防止規則】

(除じん)
第13条
事業者は、第10条の規定により設ける除じん装置については、次の表の上欄に掲げる
粉じんの種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるいずれかの除じん方式
又はこれらと同等以上の性能を有する除じん方式による除じん装置としなければならない。

粉じんの種類 除じん方式
ヒューム ろ過除じん方式
電気除じん方式
ヒューム以外の粉じん サイクロンによる除じん方式
スクラバによる除じん方式
ろ過除じん方式
電気除じん方式

2  事業者は、前項の除じん装置には、必要に応じ、粒径の大きい粉じんを
  除去するための前置き除じん装置を設けなければならない。

除じんとは、吸い込んだ空気中から、粉じんを取り除くことです。
掃除機で例えるならば、フィルターとダストケースの役割をすることです。
そして粉じんは種類によって、除じん方法が異なるのです。

除じん装置は、粉じんの種類に応じた方法で行わなければなりません。

除じんの方法は、大きく分けて2つあります。
それは、ヒュームがそうでないかというものです。

ヒュームとは、金属の溶接などで発生した蒸気が、空気中で化学変化を起こし、固まって眼に見えないほど小さな粒子になったものです。溶接時に発生するので、溶接ヒュームとも呼ばれます。
粉じんはもともと細かい粒子になって、空気中に漂っているものです。

どちらも、呼吸時に取り込まれると、肺に定着し、病気の原因になります。

ヒュームの除じんは、ろ過式か電気式を使います。

ろ過式とは、一般のマスクのようにフィルターで濾し取る方法です。
電気式は、原理を説明すると難しいので、省きますが、電位差を利用して異なる極性にくっつけるものです。
私なりの解釈ですが、粒子がマイナスの電荷を帯びていたら、フィルターをプラスの電荷を帯びさせればくっつくということでしょうか。

ヒューム以外の除じん方法は、ろ過式と電気式に加え、サイクロン式、スクラバ式というものがあります。

サイクロン式は、ダイソンの掃除機を大型で強力にしたようなものです。回転する気流を起こし、遠心力で粉じんを分離するものです。
スクラバ式とは、粉じんを含んだ空気に水などの液体をかけて、粉じんを取り除くものです。

粉じんの種類によって、収集方法が異なるので、局所排気装置などとセットで除じん方法を検討しなければなりません。

(除じん装置の稼働)
第14条
事業者は、第10条の規定により設ける除じん装置については、当該除じん装置に係る
局所排気装置又はプッシュプル型換気装置が稼働している間、有効に稼働させなければならない。

除じん装置を設置するだけでは意味がありません。動いてこそ意味があります。

除じん装置は、局所排気装置やプッシュプル型排気装置が稼働している間は稼働していなければなりません。

必ず排気装置と除じん装置はセットで動いてこそ、粉じん対策になるのです。

まとめ。

【粉じん障害防止規則】

第13条
第10条の規定により設ける除じん装置については、粉じんの種類に応じ、除じんを行わなければならない。
第14条
第10条の規定により設ける除じん装置については、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置が稼働している間、有効に稼働させなければならない。

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