厚生労働省労働局長登録教習機関
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私も安全パトロールに回ることがあるのですが、安全対策が徹底されているところもあれば、そうでないところもあります。
これらの違いは会社として、事業者としての安全に対する力の入れようの差が大きいように思えます。
安全意識のトップダウンです。ほとんどの場合はそうです。
経営者が安全に対して重要視していると、現場を指揮する人、現場で働く人たちまでその意識まで浸透するようです。
しかし人間の心理上、ダメ出しばかりもらうは気持ちが沈みます。
これは私自身、工事の検査などを受けている時に感じるのですけれども。
改めるは改めるとして、良いところは良いと認められる、評価するところは評価してもらいたいとも思うのではないでしょうか。
私は褒めてもらいたい人です。
やったことに対して一言もなく、スルーされるとガッカリしてしまいます。
これは私の本音ですが、結構同じような思いを持っている人も少なくないのではと思います。
別に何でもかんでも褒め言葉くれというのではなく、やったことに触れて、一言あると報われる気持ちがするってことです。
このことについて、以前 「書評「褒める文化がヒューマンエラーを減らす!」」という書評を書きました。
安全指導は新人教育に似ています。そのため褒めるは安全指導においても必要ではないでしょうか。
さて、海外のブログにこんな記事がありました。
Give Your Employees the Benefit of the Doubt on Safety (December 22, 2015)(リンク切れ)
「安全において労働者に対しては、とりあえず褒めろ」ということだそうです。
作業者の現場安全意識は、コミニュケーションから |
社内の巡視やパトロールでは、作業者と接します。
この時、「パトロール員だい!」と偉そうにしてはいけません。きちんと「こんにちは。お疲れ様です。」と挨拶しましょう。
挨拶1つできない巡視員は、それだけで失格です。
しかしパトロールだからといって、過度に話しかけたりして、作業の邪魔をしてはいけません。
会話に気に取られてしまい、手元や足元をおろそかになってしまいます。
もちろん明らかに危険作業や法に抵触するような作業をしていた場合は、直ちに改めさせる必要はあるのですが。
作業の邪魔にならない程度に、作業者の安全意識を高揚させる。
これが、フィードバックになるのです。
フィードバックには2種類あります。
1つはポジティブ・フィードバックです。もう1つが是正のフィードバックです。
先に紹介した記事では、これらのフィードバックの仕方に注意が必要ということだそうです。
まずはポジティブ・フィードバックです。
ポジティブ・フィードバックとは、良い点を評価、つまり褒めることです。
ポジティブ・フィードバックを行うときには、大切なポイントがあります。それは、良いことろを見たら、すぐに褒めることです。すぐに行うことで、その良い行動を続けようと言う気になるのです。
褒めるときのポイントは、なるべく具体的な良い点を褒めることです。
「安全に仕事してますね。」でも効果は大きいのですが、「その作業姿勢は、とても安全な作業方法ですね。」といった具合です。
ただし何でもかんでも無理やり褒めればいいってものでもないことも注意しましょう。
あまりトンチンカンのことを褒めたり、こいつ何でもかんでも無理やり褒めようとしているなと思われたら、作業者にひかれます。
次のフィードバックの仕方が、是正のフィードバックです。
しっかり区別しなければならないことは、ネガティブフィードバックではないということです。
是正を促すので、確かに良くない作業方法を発見してのフィードバックです。しかし否定ではないのです。
否定となると、相手は反発を抱きます。
それが例え作業方法に対するものであっても、指定された方は自分自身を否定されている気にもなるのです。
もし良くない作業方法を見かけた時、「それはダメだよ。」というのではなく、「どうして、そんな作業の仕方をしてるの?」と聞いてあげるのがよさそうです。
この時、いきなり答えを言うのではなく、問いかけることで自ら気づかせてあげるのが、理想です。
自ら気づき、自ら改させるのが、パトロール員の腕の見せ所でしょうね。
こうしたら、やらせれたんだという意識を持たれにくくなります。
自ら気づかせたしても、作業者は指摘に対してあまりいい気はしていないでしょう。
その場合は、私はこういうことを懸念しているんだと、きちんと伝えることが大事です。
中には、「俺は今まで怪我なんかし事ない!」と、反発する人も少なくありません。これに対してムキになってはいけません。冷静にこんな危険が考えられることを具体的に話しましょう。
そして対策としては、他では、こんな対策していることも紹介しましょう。
安全な作業場を作りたい思いはパトロール員と作業者も同じはず。
その思いを形にするのが、パトロールであり、フィードバックであるといます。
事故のない現場は、フィードバックが作るのです。