厚生労働省労働局長登録教習機関
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熊本地震が日本中に大きな衝撃を及ぼしている最中に起こったこの事故も、かなり大きな衝撃をもたらしました。
神戸の高速道路で鉄骨製の橋の工事の最中、橋桁が落下しました。
新名神橋桁落下事故 死亡2人重軽傷8人に (元記事リンク切れ)
落下の瞬間は、防犯カメラなどで捉えられており、ニュース番組でも繰り返し放映されていたので、ご覧になった人も多いと思います。
ただ映像だけを見ていると、何というか遠くの出来事のように思います。
しかしとても身近なところで起こった事故なのです。
落下した箇所の下は国道が横切り、事故当時も車が行き交っていました。
本当に奇跡的にというか、下敷きになった車はなかったようです。
下敷きになった車はなかったものの、残念ながら作業者に犠牲が出てしまいました。
2名の方が亡くなり、8名の方が重軽傷を負われたのです。
亡くなられた方についての記事もありましたが、とても身につまされる内容です。
子どもの様子などは、かなり読んでてきついものです。
事故の原因は、今度詳細に調査されるでしょう。
断片的に報道されている内容を統合すると、どうやら橋を支えていたジャッキが崩れたか、滑ったかしたのが一因のようです。
現場では大きな地震も強風もなかったようなので、原因は人為的なところにありそうです。
今後は作業手順書が適切だったか、手順書通りに作業が進められていたかなども調査されるでしょう。
この事故の報道を見た時、頭に浮かんだのは1991年に起こった広島の事故です。
広島の事故もジャッキのバランスが崩れ、橋桁が落下してしまいました。しかも建設現場は道路にそっており、事故当時も車が走っていました。巨大な橋は、信号で停車している車の上に落ちたのです。車はペシャンコでした。そして車に乗っていた人たちの多くが命を落としたのでした。
この事故は徹底的に調査され、以後の同様の工事に活かされていったはずでした。
しかし今回のような事故が起こってしまったのです。
大きな工事での事故はそれだけ大きな被害をもたらします。
大きな被害は多くの命を奪うことにもなるのです。
神戸の橋桁落下事故は、この記事を書いている時点では2人の命を奪ってしまいました。
お二方には家族がいらっしゃいました。
事故は家族を奪ってしまうのです。
今回の工事を請け負っていた会社は過去にも、同様の事故を起こしたとのことですから、調査取り調べでは、その点も追求されるのではないでしょうか。
現時点で、漏れ聞く情報によると、作業手順に問題があったのではとのことですが、真相が明らかになり、以後の事故防止になってほしいものです。
なお労働基準監督署が安衛法違反で捜査に入ったのですが、これは第24条などが抵触するのでしょう。
第24条 事業者は、労働者の作業行動から生ずる労働災害を予防するため 必要な措置を講じなければならない。 |
もちろん他にも引っかかる条文はあるでしょうが、最も大事なことは、事業者の一番の責任は、作業者の生命と健康を守ることです。
今回の衝撃的な映像は、事故の怖さを思い知らせてきたのでした。