厚生労働省労働局長登録教習機関
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こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。
第85話「猫井川、アタッチメントにがたんする」 |
猫井川は、今日も犬尾沢の現場での作業に向いました。 犬尾沢が向かう現場は、河川敷での工事です。 「よし、ここは今日だけの作業になるけれども、川床を掘るぞ。 「うん。ダンプに積んできてるよ。」 保楠田が乗ってきたダンプを指差すと、その荷台には大きなバケットが積まれていました。 スケルトンのバケットを見て、猫井川が保楠田に訪ねました。 「俺、このバケットを使うのは初めてですよ。どんなときに使うんですか?」 「これは見ての通りなんだけど、細かい砂とかは網目から落ちるんだよ。だから大きな石とかだけをすくうことができるわけ。」 保楠田は答えました。保楠田の言葉に続けて犬尾沢が、 「そうだぞ。スケルトンのアタッチメントに替えて、河川敷の石を運ぶわけだ。 と言いました。 「いい機会だ。猫井川は保楠田さんを手伝って、アタッチメントの取り換えをしてくれ。」 と続けました。 「それじゃ、アタッチメントの取り換えと準備をしていきましょうか。」 そして保楠田と猫井川は、ショベルカーのアタッチメント取り換えを行うことにしたのでした。 「アタッチメントの取り換えってやったことある?」 「いや、自分ではやったことないです。 「そうか。じゃあ今回はしっかり手伝ってもらおうかな。 保楠田はショベルカーに乗ると、アタッチメントにワイヤーを掛け、吊り上げたのでした。 「よし、まずは今のバケットを外そう。猫ちゃんその2箇所のピンを外して。」 保楠田自身はショベルカーに乗ったままで、猫井川に指示するのでした。 ショベルカーのジブの先端には、アタッチメントを取り付けるピンが2箇所付いてます。 「そのままじゃ取れないから、まずはそのロックピンを外す。 猫井川は、指示通りに取り外しました。 「取り付けは基本的に今と逆の手順だよ。 保楠田がショベルカーを操作して、ジブの先端を取り付け部に差し込みました。 「まずは1本目のピンを差し込んで。 猫井川はバケットの先端に近い方のピンを差し込みました。 「大丈夫?ちゃんと差し込んだ? 保楠田は、ジブを1メートルほど持ち上げました。取り付けたばかりのバケットは、ダランと垂れています。 「角度を調整するから、2本目のピンを差し込んで。」 猫井川は、2本目のピンを持つと穴に差し込みました。 「穴の位置が合っていないみたいです。 なかなか微調整ができません。シノをさして穴の位置を固定していますが、ピンが入りません。 「ダメか〜。一度上げてみるよ。」 そう言って保楠田がジブを持ち上げた時でした。 「おっと危ない! 「ええ、大丈夫です。少しびっくりしましたけど。 今のがたつきで、ようやく位置の合った穴にピンを差し込むことができたのでした。 「OKです。差し込みました。」 「じゃあ、ピンを差し込んで。」 猫井川がピンを差し込み終えると、保楠田はショベルカーを降りてきました。 「もしボルトのネジが緩かったら、ぺしゃんこになっていたね。 保楠田は、笑えない冗談を言いながら、ケーブルなどを取り付けていくのでした。 猫井川は今更ながらゾッとしつつ、ボルトの増し締めをするのでした。 |
ヒヤリ・ハットの補足と解説 |
今回のヒヤリ・ハットはバショベルカーのアタッチメントの取り換えを行うときのものです。
ショベルカーのバケットは、用途に応じて取り替えます。アタッチメントはかなりの重量物です。もし落下して、足など体の一部が下敷きになると、ひとたまりもありません。
猫井川のピン止めが緩かったら、落ちていたかもしれません。
初めての作業でしたが、猫井川は大事にならずに終わらすことができたようです。
それでは、ヒヤリ・ハットをまとめます。
ヒヤリハット | ショベルカーのアタッチメントを取り替える際に、落ちそうになった。 |
対策 | 1.アタッチメントの取り付けピンを確実に取り付ける。 2.アタッチメントを持ち上げる際には、安全距離を保つ。 |
ショベルカーのアタッチメント取り換えは日常的に行われます。
しかし手順を誤ると、大きな事故になるのです。