厚生労働省労働局長登録教習機関
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グラインダーの事故では、回転する歯部、つまりディスクが作業中に破損し勢い良く飛び出すというものがあります。
これは本人だけでなく、周囲で働いている人にも危険を及ぼしてしまうものです。
しかし回転しているディスクは破損してなくとも危険な状態であるのは間違いありません。
ディスクは1分間に約7000回転しています。この回転数と機種などによるので、一概にいえませんが、金属を切断するほど硬いものが高速回転しているのですから、体に接触すると危険なのは想像できますよね。
今回は、ディスクに接触する事故を取り上げ原因を推測し、対策を検討します。
事故の概要 |
今回は厚生労働省の労働事故事例かち参照にしています。
労働事故事例
手持ち式グラインダーで鋼板切断面のバリ取り作業中、回転中の研削といしが当たり死亡
この事故は、鋼板の切断面のバリ取り作業を手持ち式グラインダーで行っているときに発生したものである。
災害発生当日、鋼板の切断面のバリを手持ち式電気グラインダーで除去する作業を開始した。 午後2時半頃、悲鳴が聞こえたので、他の場所にいた別の作業者が駆けつけてみると、作業台の傍らで血を流し、倒れているのを見つけた。その後、被災者は病院に搬送されたが、数日後に死亡した。 災害は、グラインダーを使用したバリ取り作業中に、何らかの原因によりグラインダーが跳ね、その拍子に体に回転中の研削といしが当たったものであった。被災時、長袖・長ズボンの作業服を着用し、安全靴と軍手を使用していたが、それ以外の個人用保護具は使用していなかった。なお、使用していたグラインダーの研削といしには破損個所はなく、研削といしには開口角180度の金属製の覆いが取り付けられていた。 また作業していた作業台の周囲には材料や道工具が積み上げられており、作業スペースは最も狭い個所では巾70cm程度であった。そのため、グラインダーが跳ねたとき、かわすことができなかった。 |
NO.10117
この事故の型は「切れ・こすれ」で、起因物は「グラインダー」です。
この事故は、ガスで切断した鋼材のバリ取りをしていた時に起こりました。
作業をしていた場所は周りに荷物があり、非常に狭くなっていました。こうした中で作業をしていたところ、グラインダーが跳ね、体に接触ました。体は回転するディスクに切られてしまったのでした。
それでは、原因を推測していきます。
事故原因の推測 |
この事故はグラインダーのディスクに接触することで起こりました。
ディスクは何かに跳ねてしまったようですが、グラインダー作業をしているときには、バリの状態などにより跳ねることもあります。
作業場所が十分に確保されている場合は、多少跳ねても体に届かなかったり、かわすこともできます。しかしグラインダーと体が近かったら、かわしきれません。
さらに接触の恐れがあるのに、十分な保護具を身につけていなかったことが、被害を大きくしたのでした。
機材に問題はなくとも、作業の仕方に問題があると、大きな事故になるのです。
それでは、原因を推測をまとめてみます。
1 | 作業場が狭かったこと。 |
2 | 保護具を身に着けていなかったこと。 |
3 | 安全教育やKYがされていなかったこと。 |
それでは、対策を検討します。
対策の検討 |
グラインダーに限りませんが、作業する場所は整理整頓されていなければなりません。
物が積まれ、手狭な場所では、安定した姿勢も機械から十分な距離もとれないのです。
どうしても狭い場所で作業する場合で、機械に接触する可能性があるならば、保護具を身につけなければなりません。今回のケースでは、軍手や保護メガネなどでは不十分です。ディスクの回転に耐えられるものでなければなりません。
また安全教育やKYなどを行うことで、作業での危険を予測し、対応を考えられる可能性がありました。
対策をまとめてみます。
1 | 作業場の整理整頓を行う。 |
2 | 保護具を身につける。 |
3 | 安全教育やKYて危険を予測する。 |
作業場は整理整頓されていなければなりません。
乱雑な場所では、つまづくなどの危険があるだけでなく、今回の事故のような危険もあるのです。