厚生労働省労働局長登録教習機関
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事故は日本以外の国でも日々起こっています。
特に経済発展が著しい国では、建設ラッシュのため数多くの工事が行われています。そして数多くの労働者が働いています。
多くの工事、労働者が働いていると必然的に事故も多くなります。
この傾向は、中国でも同じで、時々とんでもない大事故が起こったりしています。
深センの大量土砂崩れは記憶に新しいきではないでしょうか。
その中国の広東省で、クレーンが倒れる事故がありました。
クレーンは作業者がいた宿舎を潰し、多数の死傷者が出ました。
今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。
事故の概要 |
事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。
建設工事用のクレーンが倒壊、18人死亡(平成28年4月13日)
中国南部の広東省で、建設工事用のクレーンが倒れ、これまでに18人が死亡した。 広東省東莞市の建設現場で13日未明、工事用のクレーンが倒れ、作業員の宿舎を押しつぶした。 地元の消防隊が救助活動を行ったが、国営の新華社は、これまでに18人が死亡、4人の重傷を含む33人が負傷したと伝えている。 |
この事故の型は「倒壊・崩壊」で、起因物は「クレーン」です。
この事故はクレーンが強風にあおられて、倒れてしまった事故です。
クレーンが倒れた先には、作業者の宿舎がありました。未明の事故なので、数多くの作業者が宿舎で休んでいたため、多数の死傷者が出たのでした。
事故工事の天候は、暴風雨でした。
それでは、原因を推測していきます。
事故原因の推測 |
この事故は建設現場で起こりました。映像を見るに、おそらくビルの建設であったろうと思われます。
建設現場には、クレーンが配置されていました。
事故当時の天候は暴風雨でした。しかしクレーンは暴風対策はされていなかったようです。
また暴風で倒れる先に宿舎があったことも被害を大きくしてしまったのでした。
さらに危険があるかもしれないと警戒して、監視人がないのも避難を遅くしたのではないでしょうか。
それでは、原因を推測をまとめてみます。
1 | クレーンが暴風雨時の養生がされていなかったこと。 |
2 | 暴風雨時に監視体制がとられていなかったこと。 |
3 | 宿舎の配置がクレーンの倒れる先にあったこと。 |
それでは、対策を検討します。
対策の検討 |
クレーンは背の高い機械ですので、強風などに弱いものです。
当然、悪天候時の作業は中止ですが、強風に対する養生を行う必要があります。80トンもの巨大なものですが、先に一部解体するなども考えられたしもしれません。
また悪天候ではクレーン以外の問題が出てくるかもしれませんので、監視人を配置するなどして、万が一の場合は避難させる必要があります。
避難訓練することも大事な命を守るための対策であったと思われます。
対策をまとめてみます。
1 | 暴風時はクレーンの倒壊対策を行う。 |
2 | 避難訓練を行う。 |
3 | 監視人を置く。 |
クレーンを建設現場で使用する時は、風の影響を考えなければなりません。
巨大なクレーンが倒壊することは、それだけで大きな損害が出てしまうのです。
固定できない場合は、避難することも重要な命を守る行動になるのです。
違反している法律 |
この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。
【クレーン則】
第74条の4 事業者は、強風時に移動式クレーンの転倒を防止する措置をとらなければならない。 |
これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。