厚生労働省労働局長登録教習機関
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ロープ高所作業は、足場を組むのが困難な高所などでロープに吊るされ行う作業です。
空中で行う作業のため、もしロープが外れたりすると、地上まで真っ逆さまです。
使う器具は十分な強度がなければなりませんが、作業方法も十分に検討して進める必要があります。
作業方法の検討は、事前に調査し、作業計画を作るといったことになります。
安衛則では、ロープ高所作業での作業の進め方について規定されています。
【安衛則】
ロープ高所作業はどんな場所で作業するのかを把握した上で、行うことが重要です。
行き当たりばったりで行うことは無謀極まりありませんよね。
ロープ高所作業を行う時は、墜落や落下の危険防止のため、事前に作業する場所を調査し、記録しなければなりません。
調査するのは、次の点です。
1.作業箇所とその下方
2.ロープを固定する支持物
3.作業箇所と支持物の通路の状況
4.ロープを切断するおそれのある箇所の有無<br>
ロープで吊るされるわけですから、安全に作業できるかを把握することが大事です。
作業場の調査を行ったら、それを活かさなければ意味がありません。
事前調査の結果を元に、作業計画を作らなければなりません。
作業計画には、次の内容を盛り込みます。
1.作業の方法及び順序
2.作業者の人数
3.メインロープ及びライフラインを緊結するためのそれぞれの支持物の位置
4.使用するメインロープ等の種類及び強度
5.使用するメインロープ及びライフラインの長さ
6.切断のおそれのある箇所及び切断防止措置
7.メインロープ及びライフラインを支持物に緊結する作業に従事する作業者の墜落防止措置
8.物体の落下による労働者の危険を防止するための措置
9.労働災害が発生した場合の応急の措置
ロープ高所作業での墜落や落下防止の対策が盛り込まれていなければなりません。
また、ロープを支持物に取付ける作業者の墜落防止措置も検討しておく必要があるのです。
(作業指揮者) 第539条の6 事業者は、ロープ高所作業を行うときは、当該作業を指揮する者を定め、その者に前条第1項の 作業計画に基づき作業の指揮を行わせるとともに、次の事項を行わせなければならない。 1)第539条の3第2項の措置が同項の規定に適合して講じられているか 2)作業中、要求性墜落制止用器具及び保護帽の使用状況を監視すること。 |
ロープ高所作業は準備段階から作業中まで危険が伴います。そのため作業場を見渡し、安全に作業できるように指揮する人が必要になるのです。
ロープで高所作業では作業指揮者を選任し、指揮させなければなりません。
この時の作業指揮は、作業計画に基いて行わなればなりません。
作業計画で決めたことが守られているか、作業者は正しく保護具を使用しているかなどを確認しなければならないのです。
安全に作業するためには、器具も大事ですが、準備が大切です。
作業する場所を確認し、効率的で安全に作業する方法を決めなければならないのです。
まとめ。
【安衛則】
第539条の4 ロープ高所作業を行うときは、作業場所について調査し、その結果を記録しておかなければならない。 |
第539条の5 ロープ高所作業を行うときは、調査により知り得たところに適応する作業計画を定めればならない。 |
第539条の6 ロープ高所作業を行うときは作業を指揮する者を定め、作業計画に基づき作業の指揮を行わせなければならない。 |