厚生労働省労働局長登録教習機関
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こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。
第88話「鼠川、脱水手前で冷や汗タラリ」 |
猫井川が担当することになった工事は、手付かずのまましばらく経ちました。 「今度の工事の件だけどな、あれ計画書と手順書も必要だからな。 と言われました。 「えっ!?そうなんですか? 「そうか。まだ焦るほどじゃないけど、そろそろ考えていけよ。 今週はまだ都合がつきやすいし。」 「そうですね。明日もし行ってもいいなら、現地見てきます。」 「そうしろ。鼠川さんにも話して、一緒に行くんだぞ。」 「分かりました。とりあえず、野虎さんに連絡してみます。」 猫井川が野虎に連絡すると、現地調査はいつでもOKとのこと。 「・・・それで、悪いんだけど私は行けないので、現地調査は任せていいですか? 「えーと、地図を見ていたら、大体わかりますので、明日行ってみます。 「そうですか。頼みます。 「はい。それでは、よろしくお願いします。」 電話を切ると、鼠川のところに行き、明日の現地調査について話しました。 「それじゃ、明日は現地だな。」」 鼠川は言いました。 「そうですね。まだ測量ってほどでもないですけど、一応トランシットとかは持って行きましょうか?」 「出来るなら、少しくらいはやっておこう。 「そうですね。 「何を言っておるか、若いくせに。 「それはきつい。熊とか蛇とかも出そうですね。」 「マムシがいたことなんて、しょっちゅうだったぞ。 「明日の現場は山の近くですけど、山奥にまで入りませんので安心ですよ。」 「とにかく、現場を任されたからには、しゃきっとしてやるんだということだ。」 「よくわからない締めですけど、明日はそんな予定なのでよろしくお願いします。」 こうして、初の現場に向かうことになったのでした。 猫井川の運転で、現地に向かいました。 今回の現場は山際です。 猫井川たちが任されているのは、伐採と土木工事、建物の基礎コンクリート、そして最終的な場内整備です。 途中の建築工事の間は仕事がありませんが、かなりのボリュームだと言えます。 現地に到着し、車から降りると、猫井川は図面を広げながら言いました。 「だいたいこの辺りから奥にかけてが範囲ですね。」 「なかなか広いな。それに木も結構切らなければならんな。」 「そうですね。木を切って仮設道を作らないとです。」 「元請けはどの辺りに現場事務所を置くんだ。」 「まだわかんないですけど、近々置くんじゃないでしょうか。また聞いておきます。」 「まあ、細かいところの打合せは、事務所ができてからだな。 こうして、猫井川は車からトランシットを取出し、測量していくことにしました。 鼠川は猫井川の指示に従い、あちこち移動するのでした。 まだ梅雨前なのに、うだる暑さ。 「それにしても、周りにこんなに木があるのに、この場所は日差しがきついな。」 汗を拭いながら、鼠川が言います。 「そうですね。鼠川さん大丈夫ですか? 「わかってる。そんなにヤワじゃないぞ。 「そうですか。でもこまめに飲まないのだめって言ってますよ。」 「大丈夫。わかってる。 こうして急ぎ測量を進めていきました。 しばらく作業を続けていると、鼠川の様子がおかしいことに気づきました。 「鼠川さん、大丈夫ですか?」 「大丈夫。」 と、答えるものの、どうもだるそうな雰囲気です。 「鼠川さん、もしかして熱中症になりかけているんじゃないですか?」 そう言って、鼠川のもとに近づきました。 「この前、脱水症状かをチェックする方法を教えてもらったんですけど、試していいですか?」 猫井川はそう言うと、鼠川の手を取り、爪をギュッと押しました。 「あー、やっぱり。脱水ぽいですね。 「いやまて、大丈夫だから。」 自覚症状もないのに、脱水とされ、作業をストップすることに、うろたえる鼠川。 「このままやっていても倒れるだけです。 「そこまでじゃないだろう。それにわしはお前と一緒にお茶とか飲んでたぞ。」 確かに休憩時には、2人とも水分補給をしていました。 「量がすくなかったんじゃないですか? ぐぅの音も出ないほど、言い負かされてしまう鼠川でした。 こうして最初の現地調査は、途中で中断となったのでした。 事務所に帰り、強制的に病院に向かわされた鼠川は、診察を受け、 「熱中症の一歩手前でしたね。 今日は点滴しましょうか。」 と言われたのでした。さらに、 「熱中症で亡くなるのは、高齢の方が多いので、注意ですよ。」 との念押し。 もし猫井川が早々に切上げなかったらと思うと、この暑さの中のに少しヒヤッとした汗が背中を使うのでした。 |
ヒヤリ・ハットの補足と解説 |
今回は熱中症です。
去年、今年と5月で30℃を超える日が出てきました。
急に暑くなる日は、熱中症の危険があります。
なぜなら体がまだ暑さに慣れていないからです。
急に暑くなった日は、こまめな休憩と水分・塩分補給が大事です。
こまめにといっても、人それぞれで解釈が違うので、大体30分から1時間にコップ1杯から2杯の水分補給が目安です。
この時合わせて塩飴なども摂りましょう。
休憩も水分補給と合わせて取るくらいがいいのではと思います。
それでは、ヒヤリ・ハットをまとめます。
ヒヤリハット | 水分補給を怠っていたら、脱水症状になってきた。 |
対策 | 1.水分・塩分補給をこまめにする。 2.暑い場所では、こまめに休憩する。 |
梅雨時期から熱中症で倒れる人が増えてきます。
油断せず、暑くなった日は休憩を取るようにしてください。