厚生労働省労働局長登録教習機関
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こんなヒヤリハットがありましたので、対策とともにご紹介したいと思います。
第89話「猫井川、落ちる枝が鼻をかすめる」 |
猫井川と鼠川が最初に行った現場調査では、鼠川の熱中症により、あえなく途中で終えることになりました。 その後、嫌がる鼠川を病院に連れて行き、診察させたところ、軽い熱中症とのことでした。 病院からの帰りに、鼠川の義理の父がやっているスペイン料理屋に行くと、奥さんから病院に言ったことを問いつめられることになったのでした。 次の日の朝、鼠川が出社すると、 「俺はもう熱中症にはならん。 と、ぼやくのでした。 それを聞いた猫井川は、昨日鼠川が問いつめられている様子を思い出し、 「そうですね。おちおち病気も怪我もできませんね。」 と同情するのでした。 「これから、一層気をつけましょうか。」 と、後ろ向きな理由で、決意するのでした。 昨日の測量はまだ全て終わらなかったため、残りは改めてとなったのでした。 「今度いつ行きます?」 猫井川が鼠川に聞きました。 「うーん、急ぐほどでもないが、図面を描かなきゃならないしな。 そこで、犬尾沢に相談してみると。 「明日だったら、俺も手が空くから、一緒に行けるぞ。 こうしてまた翌日に、調査に行くことになったのでした。 翌日。今回は犬尾沢も含めた3人での調査です。 「なるほど、作業前にかなり準備しなければだな。 測量は少しはやったんだよな。今日は残りをやって、伐採する木の範囲も抑えていこう。」 こうして3人で測量を行うことになりました。 この日も先日来た日と同じくらいの暑さです。 今回は少し山の奥まで入り込んで、測量することになりました。 ある程度拓けた場所を見つけると、そこにトランシットをセットすることにしました。 「それじゃ猫井川は覗いて、測ってくれ。」 犬尾沢はそう言うと、自分は計測地点まで箱尺を持って向かいました。 しばらく測量は順調に進みました。 猫井川がトランシットを覗くと、 「ちょっとぶら下がってるツタが邪魔ですね。」 と言いました。 ドサッ。 ツタと一緒に枝を落ち、猫井川の目の前に落ちたのでした。 しばらく沈黙した空気が流れなた後、猫井川の背中に冷や汗が流れ、鳥肌が立ちました。 「やっべー。」 出てきた言葉はそれだけ。 その様子を見ていた犬尾沢と鼠川が近づいてきます。 「どうやら、根本が折れて腐っていたようだな。」 と、分析しました。 「とりあえず、直撃しなくてよかったな。 猫井川に怪我がないことを確認すると、犬尾沢はあっさり本の場所に戻っていくのでした。 あと数センチ前に立っていたらと思うと、この暑さの中寒気を感じつつ、トランシットに戻ろうとしました。 すると、鼠川が、 「おい、いい加減そのツタを離したらどうだ。」 と言いました。 あわててツタを捨てると、その手には青臭い匂いだけが残り、その匂いとともに測量に戻る猫井川なのでした。 |
ヒヤリ・ハットの補足と解説 |
今回も測量中のヒヤリ・ハットです。
工事の着工前は、現場は手付かずです。山の中であれば、木が生茂っていますし、河川であれば堤防が草に覆われています。
木が生茂っている場所であれは、測量1つでも分け入っていかなければなりません。
障害物はあちこちにあります。枝からぶら下がったツタなどもあるでしょう。測量するだけでも大変です。
そんな中で起こったヒヤリ・ハットですね。
普通ツタを払うため、引っ張ったりもします。まさか枝が折れるなんてと考えもしません。
しかしまさかで起こるのが、事故です。
今回は運良くぶつかりませんでしたが、何があるかわかりません。
それでは、ヒヤリ・ハットをまとめます。
ヒヤリハット | 山中で、ぶら下がっているツタを引っ張ったら、枝が落ちてきた。 |
対策 | 1.ツタは引っ張らずに切る。 2.ヘルメットはかぶる。 |
枝が腐っているかどうかなど、地上からわかりません。
ただ随分下に傾いてそうな枝などがあれば注意かもしれません。
そして頭を守るためには、測量の時でもヘルメットは必要ですね。