厚生労働省労働局長登録教習機関
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工場では多くの材料が運び込まれ、加工され、最終的に出荷されます。
最終的な製品に至るまでには、大きく重量のある材料が保管され、取り扱われます。
巨大な材料は、運び方を誤ると、凶器になります。
食品用の材料でも大きな塊の下敷きになると大怪我になりますが、これが鋼材ともなると被害はさらに深刻になるでしょう。
千葉県の工場で、鋼材の下敷きになるという事故がありました。
今回は、この事故の原因を推測し、対策を検討します。
事故の概要 |
事故の概要について、新聞記事を引用します。
なお、紹介したいのは事件そのものですので、被害者名などは割愛しておりますので、ご了承下さい。
引用の下に、元記事へのリンクを張っております。
船橋の工場で死亡事故(平成28年5月11日)
11日午後1時20分ごろ、工場の倉庫内で、20代ぐらいの作業員の男性が、崩れた鋼板の下敷きになり死亡する事故があった。 船橋署は男性の身元の確認を急ぐとともに、詳しい事故の原因を調べている。 同署によると、別の作業員が鋼板が崩れる音を聞いて駆け付けたところ、男性が下敷きになっていたという。男性は駆け付けた救急隊員が現場で死亡を確認した。 同工場は建設機械などに使う鋼板を加工している。 |
この事故の型は「崩壊・倒壊」で、起因物は「鋼板」です。
この工場では、工場は機械の鋼板を加工、製作していたようです。
事故は、倉庫内にあった鋼板が崩れ、その下敷きなったというものです。
崩れる音がしたとういうのですから、かなり大きな事故だったようです。
保管の仕方、どの作業中に事故が起こったのかは不明ですが、鋼板は重量があるので、大きな被害を出してしまいました。
それでは、原因を推測していきます。
事故原因の推測 |
事故の状況について詳細は不明ですので、保管中または運搬中の事故として推測します。
保管中に崩れ落ちたのであればであれば、保管の仕方に問題が合ったのかもしれません。
寝かせて置かれているものが崩れることは少ないので、仮置きとして壁に立て掛けた状態だったのかもしれません。
別の事故事例であったことですが、立て掛けておいた鋼板が天井クレーンのフックと接触し、崩れ落ちたということがありました。
そのように保管していた鋼板が、バランスを崩した可能性も推測できます。
もしこの事例と同様の状況だったならば、クレーンやフォークリフトの運行経路に問題があります。
指揮者、合図者などが周りをよく確認していなかったことが原因になります。
それでは、原因を推測をまとめてみます。
1 | 材の保管方法に問題があったこと |
2 | 鋼材がクレーンなどと接触したこと。 |
3 | 作業者が倒壊した鋼材の近くにいたこと。 |
それでは、対策を検討します。
対策の検討 |
まず対策としては、倒壊しないような形で保管することです。
もしかすると仮置きで、一時的なものだったかもしれません。例え一時的なものであっても、倒れない形で置かないといけません。
もしクレーンのフックが接触して倒れたのであれば、合図者や指揮者を配置して、周囲に危険がないかを確認しなければなりません。
クレーン作業をしている場合は、荷物の下などに入り込んではいけません。
この資材がもし通路近くに置かれており、安全通路を歩いていた作業者が巻き込まれたのであれば、通路付近に倒壊する恐れのあるものをおかないようにしなければなりません。
対策をまとめてみます。
1 | 鋼材は倒壊しない方法で、保管する。 |
2 | クレーンなどは合図者が周囲を確認し、何も接触しないルートを動かす。 |
3 | 安全通路付近に倒壊するのもを置かない。 |
この事故ではどうして倒壊したのか、記事からは読み取れませんが、鋼板などは立て掛けると倒壊するおそれがあるものです。
そのようなものは、仮置きであっても、倒壊しない方法で保管するのが大事ではないでしょうか。
違反している法律 |
この事故で、関係する法律は、おそらく次の条文です。
第420条 一の荷でその重量が100キログラム以上のものを 貨車に積む作業等を行うときは、指揮者を定め、 その者に次の事項を行わせなければならない。 |
これらについて、解説している記事は、こちらですので、あわせて参考にしてください。